宇宙はどこまでわかっているのか (幻冬舎新書 こ 21-3)

著者 :
  • 幻冬舎
3.57
  • (3)
  • (9)
  • (10)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 107
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985384

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みやすい文章とジョークで良かった。
    目新しいことは無くとも、当時とか、その研究を自分が知った瞬間とかを思い出してワクワクする。研究を理解した時の感想が自分と被りすぎてる。

    新しい重力理論に触れるくらいなら、ひも理論にでもページを割いた方が良い気がするけど。あれは筆者の趣味……?

    一番最後の「科学はどこまでわかっているのか」、なぜ急に宇宙科学から離れたか分からない。だけど、面白いので良い。
    特に、効率と仕事の限界は面白かった。あの頃はまだ在学中だったはずだけど、そんなこと欠片も習わなかった……。こんな面白い法則知らなかった。

  • 小谷太郎(1967年~)は、東大理学部物理学科卒で、理化学研究所、NASAゴダード宇宙飛行センター、東工大などの研究員のキャリアを持つサイエンスライター。
    本書は、ウェブメディアの日本ビジネスプレスに2016年2月~2018年9月に連載された記事を基に、その後の最新情報を取り入れて、大幅に加筆修正されたもの。
    本書の特徴は、日々進歩する宇宙科学分野で、ここ数年で発見された様々な事実を中心に、2018年末の時点で「宇宙はどこまでわかっているのか」を、平易に解説しているところである。既知の宇宙論については必ずしも詳しい説明はないので、宇宙についての1冊目の「入門書」というよりも、宇宙に関する知識を最新のものアップデートするという位置付けで手に取るべきだろう。
    具体的には、
    ◆2015年9月、米国の重力波アンテナ「LIGO」による、宇宙から到来した「重力波」の初の検出
    ◆2016年8月、太陽に最も近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」の系外惑星の発見
    ◆2016年9月、アルゼンチンのアマチュア天文家による「超新星爆発」の観測
    ◆2016年12月、国際宇宙ステーションに搭載された宇宙線観測装置のチームによる、「ダークマター」の形跡の発見
    ◆2017年6月、欧州宇宙機関の、ハビタブルな惑星の探査ミッション「プラトー」の承認
    ◆2017年7月、科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」上の、月の地下には水が存在するという研究結果の発表
    ◆2017年8月、「LIGO」による、中性子星の衝突・合体による「重力波」の検出
    ◆2017年9月、南極の氷を利用するニュートリノ観測装置「アイスキューブ」による、過去最大のニュートリノ天体からのニュートリノの検出
    ◆2018年7月、欧州宇宙機関による、火星に液体の水(地底湖)を発見!との発表
    ◆2018年8月、日本の研究チームによる、「はやぶさ」が2010年に持ち帰った小惑星「イトカワ」の試料の分析結果の発表 等々
    それぞれの発見等が、科学理論的にどれほどの重要性を持つかは、専門外の私にとってはよくわからないものもあるが、地球外生命の存在や、宇宙は今後どうなるのかなどに関する部分は、とても興味深く、わくわくする内容であった。
    日進月歩の宇宙科学の最新知識を得るために、非常に有用な一冊と思う。
    (2019年3月了)

  •  宇宙は加速膨張してるとか。夜空に輝く恒星、今では何千個も見つかって、その数は急激に増えているそうです。小谷太郎「宇宙はどこまでわかっているのか」、2019.1発行。お隣の恒星に行くには、月ロケットの速度で10万年以上、飛行機だと400万年以上かかる距離にあるんだそうです。私の想像の遥か彼方です!

  • 『ダークマター』『ニュートリノ』、文系脳の私でもわかるような平易な言葉で今の宇宙について語られている良本。
    わからないことの方が圧倒的に多いけれど、すごい速度でその未知の部分が解明されようとしている、そんな時代に生きていることを感謝したくなった。

  • タイトルの通り、宇宙がどこまで解明されているのかを書いた本。
    小学生から理科が大の苦手なド文系の私でも理解できるほどわかりやすく書いてくれています。
    宇宙についてはまだ解明されていないことが多く、夢のある分野だと思います。恥ずかしながら、宇宙は未知のことが多いと知らなかったので、驚きの連続でした。

  • 9/12は宇宙の日
    宇宙学の最前線がざっくりわかる!
    ロケットで10万年かかるところを21年に超短縮するプロジェクトも!?

  • さっと読めてユーモラスで楽しい。

  • 宇宙物理学の最近の進展を中心に、分かりやすく解説した本。浅く広く、雑学的にまとめた感じ。

    鉄が核融合の燃えカスのような物質であるとか、ブラックホールはホーキング放射がエスカレートして消滅してしまうとか、知らなかったことも結構あった。

  • 「科学は止めどなく進展し、全世紀には不可能だったことが可能になり、かつての謎が今では解決済みです。学校で習った知識は一瞬で時代遅れです。
    しかし一つの謎が解かれると、宇宙は新たな謎をいくつも現します」

    という言葉が「はじめに」の章に置かれている。宇宙論はまさしくそのような学問である。ダークマターやダークエネルギーはその例だろう。

    もともとはブラックホールの存在も論理的には予言されていたとはいえ、実際にあるかどうかわからなかった。それも最近、直接的に観測できるようになったというニュースが流れていた。
    どうやら天の川銀河の中心には巨大ブラックホールがあるらしいということまでわかっている。本書でも、重力波天文学やニュートリノ天文学などの新しい分野の誕生にも触れられている。

    タイトルは『宇宙はどこまでわかっているのか』なのに最後には、新元素、ABC理論、ゲノム解析の最新の動向まで記載している。

    内容的には新書でもあり、さくっと読める内容。

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/537/K

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年、東京都生まれ。
東京大学理学部物理学科卒業。博士(理学)。
専門は宇宙物理学と観測装置開発。
理化学研究所、NASAゴダード宇宙飛行センター、東京工業大学、早稲田大学などの研究員を経て国際基督教大学ほかで教鞭を執るかたわら、科学のおもしろさを一般に広く伝える著作活動を展開している。
著書:『宇宙はどこまでわかっているのか』 『言ってはいけない宇宙論 物理学7大タブー』(幻冬舎新書)、『身のまわりの科学の法則』 (中経の文庫)、『科学者はなぜウソをつくのか ―捏造と撤回の科学史』(dZERO)、『知れば知るほど面白い宇宙の謎』(三笠書房)、『物理学、まだこんなに謎がある』『科学者たちはなにを考えてきたか』『科学の世界のスケール感をつかむ』(ベレ出版)など多数。

「2020年 『宇宙の謎に迫れ!探査機・観測機器61』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小谷太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×