- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344986671
作品紹介・あらすじ
ドラマ史に残る名作『北の国から』『前略おふくろ様』から、老人のリアルを描いて話題となった『やすらぎの郷』まで、倉本聰はなぜ60年以上にわたり、第一線で書き続けられるのか。「構成はおもてなし精神で」「台詞は論理的であってはいけない」「物書きに必要なのは発信力より受信力」――本書のために書き下ろした新作『火曜日のオペラ』の企画書から完成台本までの創作過程とともに、名作を生む「手の内」をすべて明かす。87歳の今なお毎日原稿用紙に向かう巨匠の、創造力の源泉に迫る一冊。
感想・レビュー・書評
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『北の国から』の倉本聰さんの脚本力
一人一人の登場人物の生い立ち、人間関係、住んでいたところまで細かく設定する。だからこそ、登場人物同士が繋がったり、化学反応が起きたりする。
大きな樹木のねっこの部分が、登場人物だという。
登場人物の血液型や親子、兄弟関係、通っていた学校や近くのスーパーまで想像上で明確だからこそ、新たなドラマが導き出せる。北の国からで言えば、純や螢が住んでいた街は新大久保だという。
登場人物や構成がイメージできてしまえば、シナリオはあっという間に書けてしまう。
やはり倉本聰さんは凄すぎる。リアリティをもたせるためのこだわりが。
中嶋朋子さんと糸井重里さんのトークショーでも、黒板五郎こと田中邦衛さんが亡くなった後のトークショーでも倉本聰さんと演出家の杉田成道さんのこだわりにびっくりした。中嶋朋子さんは列車を追いかけるシーンで何度走らされたことか、、、。
「こどもがラーメン食ってる途中でしょうが。」
という有名なシーンも、女性店員は母子家庭で、子どもがお腹をすかして待っているという履歴設定をすることで「へそ」ができたという。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■ Before(本の選定理由)
倉本聰の仕事術、みたいなものだろうか。
脚本家という役割も気になる。
■ 気づき
脚本と脚色は全く違う、という言葉に心から共感。ゼロからキャラクターの個人年表・場合によっては家系図まで作成しているのだから、そう思うのも当然。
■ Todo
仕事の進め方として、大変参考になった。準備の質が違う。また演出の特徴としては、「間」を持たせるからリアルさがあるのかと感心。 -
倉本聰氏の脚本のつくり方、考え方はとても興味深く面白かった。
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具体的な創作論。
インプットの重要性や
構成を観光案内に例えている下りが
面白い。
新作脚本は、正直、そんなに
面白いとは思わなかったが、80過ぎて
ネット社会や世界的な感染症の
リアリティに追いついているのは
すごいと思った。 -
ワンシーンにしか登場しない人物にもちゃんと背景や歴史を持たせるからこそ、倉本さんのドラマは温かいのだと思われ…。だから、どの作品も何度も見てしまう訳で…。
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東2法経図・6F開架:B1/11/666/K