20世紀の歴史 上巻: 極端な時代

  • 三省堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784385356778

作品紹介・あらすじ

現代最高の歴史家が、傑作「19世紀の歴史」に続いて、20世紀に生きるすべての人々に贈る、待望久しい本格的「20世紀の歴史」。これは、新鮮な驚きと発見に読者をさそう、新しい創造の物語だ。世紀末、ホブズボームが20世紀を読む。

感想・レビュー・書評

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  • 1914~1918年の戦争で大きな効果をおさめた最新技術の兵器は潜水艦だけだった。
    20世紀の戦争は戦闘の過程でそれまで考えられ仲田ほどに大量の工業生産物を使い、かつ破壊するという意味でも、大衆戦争だった。
    戦争のいわば技術好きの性向は新しいmのではない。しかも近代の工業経済の不断の技術革新の上に築かれており、たとえ戦争がなくても、技術革新はおそらく加速度的な速さで起こったに違いない。

    冷戦の特異さは客観的に言って世界戦争の直接的な危険はなかったという点にあった。
    冷戦のもっとも明白な様相は軍事対決であり、西側ではますます熱狂的になっていった核兵器の競争だったが、それが主要な冷戦の影響ではなかった。核兵器は使われなかった。
    冷戦は初めから不平等な勢力の間の戦いだった。
    冷戦の終わりは、たとえそれが資本主義世界経済の大きな危機、ソ連とその体制の最終的な危機と時をおなじくしなかったとしても、その帰結はいずれにせよ大きなものであったに違いない。

  • その時代を語らせるには、実際に経験した歴史家に語らせるのがよい。
    第三世界や自身の未体験エリアに対する洞察力の鋭さが、
    逆に昭和史を別の観点から考察する助けになるのだ。
    特に、戦間期(1918〜1945)の記載が秀逸。
    現代文化を比較的肯定的に捉えるのも良い。

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著者プロフィール

イギリスの歴史家。1917年エジプトのアレキサンドリアでユダヤ人の家庭に生まれ、幼年時代をオーストリアのウィーンやドイツのベルリンで過ごした。ドイツでヒトラーが政権を掌握したことにより、1933年に渡英。ケンブリッジ大学で学び、第二次世界大戦後、ロンドン大学バークベック・コレッジで教鞭をとりつつ、社会主義知識人としてさまざまな活動を行った。2012年10月、ロンドンで死去。多数の著作があるが、特に18世紀末以降の歴史を扱った4部作、『市民革命と産業革命 ―― 二重革命の時代』(岩波書店、1968年)、『資本の時代 1848-1875』(みすず書房、1981-82年)、『帝国の時代 1875-1914』(みすず書房、1993、98年)、『20世紀の歴史 ―― 極端な時代』(三省堂、1996年)がよく知られている。これらで提唱した「長い19世紀」(フランス革命から第一次世界大戦まで)、「短い20世紀」(第一次世界大戦から冷戦終結まで)という時代区分や、編著『創られた伝統』(紀伊国屋書店、1992年)での「伝統の創造」論などは、近現代史研究に大きな影響をおよぼした。


「2015年 『破断の時代 ― 20世紀の文化と社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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