三省堂国語辞典のひみつ

著者 :
  • 三省堂
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784385364155

作品紹介・あらすじ

新語に強く、「要するにそれは何か」が分かる-胸にすとんと落ちる語釈に定評のある国語辞典『三国(サンコク)』。その魅力とおもしろさを編集委員が語る。"的を得る"は間違っていないなど、新しい日本語情報も満載!

感想・レビュー・書評

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  • 三省堂国語辞典の第七版が最近出た。本書はおそらくはその中心メンバーである飯間さんが第六版から七版へどのような変化があったか、三国にはどのような特徴があるか、どう利用してほしいかを、三国に対する愛を込めて読者に語った本である。飯間さんは、今は亡き見坊の「辞書とは世の鏡であり、また鑑でなくてはならない」という三国の方針に基づき日夜あらゆる場面で語彙採集と執筆を行っている。ぼくたちはこの言い方はおかしいとか抵抗があるという言い方をよくするが、飯間さんは見坊と同じく、まずそうした使われ方があることを確認し、さらに国語学の知見と他の編集メンバーの意見をいれ大胆に、その事実を辞書に書き入れたり修正する。たとえば、いい意味での「やばい」、学生がその日にあったときに使う「おはよう」、若者ことばといわれる「だったり」「かな」、過剰な敬語といわれる「させていただく」「こちらメニューになります」「全然いい」「ふつうに~」などなど。「ナウい」などは死後と言われるが今なお使う人のことを考慮し、年代までいれて収めるというやり方。また、「デジカメ、コンビニ」は略語であり、最初[俗]として入れたのに、いつのまにか[]をとったという話とか読んでいていちいちうなづくものばかりである。中には愛知県で使う休み時間の意味での「放課」とか「串カツ」と「串揚げ」の方言差などにも話が及ぶ。今は電子辞書が発達し、人々は情報を得るために辞書を引くが、それがどんな辞書かには無関心である。しかし、辞書にはそれぞれ強い個性がある。本書は、まさに辞書が一種の読み物であることを読者に語りかけたものである。

  • 2018年9月9日に紹介されました!

  • なるほど、著者の言うとうり三省堂国語辞典の宣伝用であるが、三省堂国語辞典の編纂の苦労がよくわかるし、その特色も理解できる。
    小説などとは違い、書評という形では表に現れない書物だけに本書のように編者が自己評価する形もありだと思う。同時に他の国語辞典の編纂に関してもその内情を知りたい。

  • 読もう!と思ってもなかなか小説以外の本は途中で挫折してしまったり(新書など)するのに、
    これはそんなこともなく、次はどんなことが書いてあるのだ!?と小説のように先が気になってあっという間に読んでしまった。

    「舟を編む」を読んでいたから用例採集がどういうものかイメージしながら読むことができたような気がする。また言葉の語釈を加え忘れた時の悔しさや、これでいいんだろうかと不安になるところも。

    よく言葉の正誤に厳しく、とてもこだわりのある人がいるけれど、いくら気を使っていてもその人自身、間違いをすることもあるはずで、時代の変化によって変わってくる言葉には柔軟に対応できる人の方が素敵だと思う。
    (正しい言葉遣いをしてることにプライドを持ちすぎて人の揚げ足ばかり取るような人は、いくら綺麗な言葉を話せても素敵には見えない気がする)

    辞書は学生の頃に使っていたものを手元に置いているけれど、版が古いので新しい辞書が欲しくなりました。

  • [http://booklog.jp/item/1/4167906856]、[http://booklog.jp/item/1/4799314335]に続いて。数行の解説にこめられた苦労。

  • 辞書たのし。辞書熱が復活してしまいました。三省堂の国語辞典のPRにとどまらず、辞書のたのしさが満載です。この本を読んでいる最中にさっそく三国第7版をネットで注文。会社にも三国小型版を置いていますが家用に小型じゃないのを置いて置きます。辞書は本当に楽しい。言葉は本当に楽しい。そのことを実感させてくれる話ばかりで、ワクワクしました。

  • カミさんのサイン入り蔵書を読む。
    面白かった。

  • ことば集めで暇つぶし。

  • 飯間さんの本を読むのはこれで2冊目。
    今回も辞書編纂者らしい内容・文章で楽しく読むことができました。

    10年ぐらい前までは、国語辞典をよく利用していたのですが、いつの間にか、ネットで検索することが多くなっていました。
    が、やはり紙の辞書には、紙の辞書のよさがあるので、最近は、できるだけ、紙の国語辞典を利用するようにしています。
    今回、飯間さんの本を読んで、改めてその意を強くしました。

  • 勉強になりました。

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著者プロフィール

香川県生まれ。国語辞典編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。新聞・雑誌・書籍・インターネット・街の中など、あらゆる所から現代語の用例を採集する日々を送る。著書に『辞書を編む』(光文社)、『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『辞書には載らなかった不採用語辞典』(PHPエディターズ・グループ)、『辞書編纂者の、日本語を使いこなす技術』(PHP研究所)、「日本語をつかまえろ!」シリーズ(金井真紀・絵 毎日新聞出版)など。

「2023年 『けいごって しってる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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