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- Amazon.co.jp ・本 (55ページ)
- / ISBN・EAN: 9784387861966
感想・レビュー・書評
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『帆船の森』の表紙が収録されている。
武田史子さんのイメージから感じられるものと東逸子さんのイメージが与えてくれるものは大きく異なるように感じられる。もちろんふたりの感覚の違いというものはもちろんあるだろうが、銅版画かそうでないかでこうも大きく異なるというのも、芸術がどれだけ多様な在り方を許してくれているかという事実に単純に驚かされる。
太古のひとびとは夜空の光る星を眺めてそこに周期性と物語を見出した。ほかにも不可思議な現象に出くわして物語として語り継いだ。たしかに、空想の世界と言われればそれまでかもしれない。ありもしない世界、ただの夢に過ぎない、取るに足らないそんな風に扱われるかもしれない。
しかし、そんな空想の世界があるからこそ、血なまぐさい汚濁に満ちた日々の生活の中にほんの少しだけゆとりが生まれる。そんな夢の世界が日々の活力を与える源となっている。正しい正しくないというものではなく、物語ではないと表せないものだってあるのだ。
雑草として日々むしられ踏みつけられる植物にも、今もこうしている間にたくさん生まれては死んでゆくたくさんの動物にも、想像の翼を広げるだけで物語は無数に存在している。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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