- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784387930822
感想・レビュー・書評
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久しぶりに谷山ワールドに浸りたくて、未読だった本書をチョイス。
鳥子の最近の悩みは付き合っている先輩の様子がおかしいこと。
いくら話しかけてもほとんど無反応で、どうやらクラスでもそんな状態らしい。
ついに学校にも来なくなった先輩を心配して、自宅を訪ねた鳥子が目にしたのは、何とも異様な光景でした···
谷山作品の中でも、かなり不気味な物語でした。
特に前半はホラー映画を見ているようなぞくぞく感がつきまといます。
それでもシリアスになりすぎないのは、鳥子と不思議な博士との会話に、クスッと笑える余裕があるからでしょう。
彼らのおかげでなんとか読み通せました。
クライマックスでぐわぁっと空間が歪むような感覚を味わったあとのラストシーン。
口当たりの悪いものの感触がいつまでも舌の上に残っているようなねっとりとした後味です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小学生の時にどっかのセール会場かなんかの本コーナーで立ち読みをして衝撃を受けたということもあるかもしれないが(その時は作者名も覚えず帰ったが、後で谷山浩子の著作を集めたときに再会してまた衝撃を受けた)これはすごい。この発想は普通の人には絶対に出てこない。シュールで恐ろしい。
キリコとか、作者本人も好きだと書いていた気がするけど、ポール・デルヴォーとか好きな人はきっと好きだと思う。 -
気味が悪い。少女時代の暗黒面という印象。
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今まで読んだ谷山作品の中で、一番難解な作品ですね。夢を見ている時は、辻褄が合わなくとも、突拍子のないことでも、スンナリ受け入れてしまうことがあります。そのような夢がもち不合理な中の整合性が、そのまま表れているような世界なんです。
ただ独特なリズム感があり、それが為に読んでいて面白いんですけどね。