- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784389411909
作品紹介・あらすじ
絵本などを通して、子どものころからアンデルセンの作品にふれてきた人は多いはず。だが辛口ともいえる原作のままのかたちで読まれることはめったになく、『親ゆび姫』『人魚姫』『マッチ売りの少女』などの表題から、子ども向けのやわな童話と思っている人がほとんどだ。みんなが読んでいるのに、「その本質が理解されていない作家」-それがアンデルセンである。人間が抱えている矛盾や葛藤を深く洞察し、平明なことばと鮮烈なイメージ、温かみのある機知とユーモアで語りかけてくるアンデルセン。矛盾だらけの実人生の中から、光と闇がこぼれるようにして生み出されてきたアンデルセン文学の神髄を、具体的な作品に即してじっくりと味わっていただきたい。
感想・レビュー・書評
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朗読劇『絵のない絵本』に備えて。
恵まれないような階級に生まれて、こんなに外国旅行に行っていて、故国より外国の方が評価してくれたのに、それでも見果てぬ新世界に行くよりデンマークで死にたかったんだなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2012年63冊目。
童話以外にも短編・長編小説や戯曲も作られてる方だとは知らなかった。
作品以上に、その作品を生み出すプロセスや着想の得方が気になって読んだ本。
一言で言うと、「認められたい願望が非常に強かった人」というイメージ。
傷つきやすく、その分感性が豊かで、作品の中に自伝的な要素もふんだんに入れているよう。
旅をしながら、その場その場で得た着想で作品を作り、また旅に出る・・・
そんな生き方には、苦労を知らないものが言うのもあれだが、憧れ感を隠せない。
きっと、アンデルセンと出会わなければ物語として知覚されなかったであろう数々の小さな出来事、自然現象はたくさんあったと予想する。
自分もそういうものを拾える感性でありたい。