無意味のススメ: 〈意味〉に疲れたら、〈無意味〉で休もう。

著者 :
  • 春秋社
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本棚登録 : 170
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393333747

作品紹介・あらすじ

――「意味」に疲れたら、「無意味」で休もう。高度情報化社会に生きる私たちの日常は、一挙手一投足に至るまで「意味」に紐付けられ、かえって心が疲弊してはいないだろうか――氾濫する「意味」の束縛から抜け出し、「無意味」を花開かせるための本。

感想・レビュー・書評

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  • 意味がないって非生産的な感じがして私の中では悪だったんだけど、そんな意味に振り回されてるのも事実。無意味を考える時点で意味がある行為な気がするけど、本当の無意味に触れたければ無意味とは何かを知らなきゃいけないのかな。

  • 現代人は答えや意味を求めすぎている気がする。仕事、勉強、色々なことに忙殺されている人に読んで欲しい。著者が芸大卒であることもあり、難しい哲学を感覚的に読み進めることが出来る。無意味をして生きたいと思った。

  • 効率化が求められる現代において、あえて「無意味」な行為に価値を見出すというエッセイ。ちょいちょい見開きの左側で、謎のキャラがそれっぽいセリフを言っている。

    ひたすら効率を追い求め、常に「意味のあること」をしようとすると、疲弊してしまう。だからあえて何の役にも立たない「意味の無いこと」をすることで、心の調子を取り戻そうという主張だと受け取った。精神的な「遊び」を意図的に作れということか。

    俺は世界に本質的な意味は無いし、生命に目的は無いと考えるタイプである。意味や目的は自分で見出すしかない。なので「無意味のススメ」と言われても、デフォルトが無意味なのだから、心に響かない。強いて言えば、精神的にリセットする機会を定期的に設けるべきかと考えたくらいだ。瞑想でもするか。

  • 無意味についてひたすら考察。実践的なにかというより、時々自分の視点を変えることによってラクになれる一つの方法を教えてもらった感じ。

  • 入院生活 10冊目

     私の今の生活にどれだけ意味があるだろう。治療のための入院なので無意味であるわけはないのだが、管に繋がれて、食事と洗面と排泄のほかはただベッドに横たわっているだけであり、無意味であるとも言える。
     「あなたの無意味は、あなただけのものである」との筆者の言に甘えるならば、無意味とは無価値であったり、自分の無知や無視であったりするのではないかと思う。というのも、この本に限らず、私は無意味を求めて読書をしているようなところもあり、編集者でもある筆者の、本来、本には無意味なページがないと言う言葉にはっとさせられたからだ。
     一方で、自分にとって意味のあることが世の中どのくらいあるのだろうとも思う。街に出れば電光掲示板や広告だらけ、SNSやネットでの情報の氾濫。意味を押し付けられ、意味に追い立てられても無理はない。特に大都市では。スマホを手放し、ベッドに横たわって天井を見上げる。遠くで風の音が聴こえる。私の身体が、心臓が脈打っている。それ以上の意味はないのだ、と私は考える。

  • 肝の部分の引用


    "どうあがいても私は意味の塊である。
    では、どうするか。私はこう考えている、

    意味を体現する私を守るために、あるいはより健全に(のんびりと、穏やかに、丁寧に)意味たちと今後の人生においても付き合うために、無意味を見つめたい。"

  • 作者の書きたいことがとにかく書かれているところや、ほっと一息つけるところとか、なんか不思議な本だった。

    コスパ重視の世の中で一歩立ち止まって読む本。

    1. 究極の拷問は無意味の体現にある。穴を掘り、その穴を埋める。これを繰り返すと狂うらしい。
    →まあそうなりそう笑

    2. ペダンティック
    → 学者ぶるさま

    3. 本というメディアにおいては、目的など持たぬ方が良い。その方が、より楽しめるし、より学べる。楽しみたい、学びたいという欲望を持って本を求めている時よりも。
    → 確かにふと立ち寄った本屋でなんとなく手にした本が案外おもしろかったりする。

    4. ある種の表現には、こちら側の理解を前提としないものがある。現代アートに対してわからないと首をかしげる人がいるが、それは少しも間違った態度ではなく、そもそもそうしたアート作品自体が私たちの理解を欲していない。その寸断された関係性は、鑑賞者が無意味を許容することで解決する。
    → わからないことは間違いじゃない。分からないことがわかることが大事。

    5. 無意味と向かい合うことで得られる思考体験は、ともすると簡単に視野狭窄に陥りがちな現代の情報空間において、思考の余白をつくる。
    → たまには「何もしない」をしてもいいんじゃないだろうか。

  • 無駄なものなんて何もない、よりもむしろ、無意味を受け入れて味わう。

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著者プロフィール

東京工業大学「メディア編集デザイニング」非常勤講師、昭和女子大学「日本文学概論(近現代)」非常勤講師。大学入学共通テストに不安を抱く受験生を一人でも助けたいと思い執筆を決意。作家・編集者としても精力的に活動しており、著書・編書多数。主な著作に『重版未定』シリーズ(河出書房新社)、『書くための勇気:「見方」が変わる文章術』(晶文社)などがある。

「2020年 『マンガでわかる! 大学入学共通テスト[国語]記述式問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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