家族連鎖のセラピー―ゲシュタルト療法の視点から

著者 :
  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393360613

感想・レビュー・書評

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  • どの心理学や心理療法の本を読んでも必ず、言葉は違えど必ずと言ってもいいほど表現していることは、「カルマ」とか「シンデレラ・コンプレックス」「負の連鎖」と言った、人の育つ過程・環境がどれだけ一人の人の人格に影響を与えるかということだと思います。
    この本はそれを家族連鎖という言葉で表現しています、著者は日本でのゲシュタルト療法の第一人者である百武正嗣さん。ゲシュタルト療法ではエンプティーチェアと言って、自分の中に取り込んでしまった"誰か"や"自分の一部"を椅子に座らせて、それと対話していくのだが、百武さんは家族連鎖を浮き彫りにするために、「家族の彫刻」と言って、椅子を家族分用意して、それを家族間の親密さとか距離感などを意識して、自由に配置する。そしてそこに一緒にワークをしている人がいる場合は、その人たちに実際に椅子に座ってもらって、それぞれの役割にあった姿勢や表情を実際にしてもらう。(「うちの父さんはいつも腕組みをしていたなぁ」という場合は父役の椅子に座っている人に腕組みをしてもらうなど…)そうすることで、家族を客観的に見ることができ、不意識に配置した椅子の向きや距離で自分との関係性も見えてくる。さらにそれを祖父祖母の世代にまでさかのぼって行くことで、代々引き継いできている連鎖が見えてくるという内容だった。
    僕も自分の家族や祖父母の家系図というものを面白半分で書いたことが、あるがそれを見ているだけでも、代々引き継いでいるがあるなぁと感じます。悪い遺産もあるし、いい遺産もあると思います。それはどこの家族もそうだと思いますが…。
    でもやっぱり大切なのは、それがいい遺産だと思おうが、悪い遺産と思おうが、それに"気づく"ことだと思います。いい遺産はそれを作ってくれた家族に感謝し、悪い遺産は「自分はそうゆうところがあるなぁ」とか「これをどうやったらいい方向に活かせるかなぁ」という解釈の転換をすれば、もっともっといい遺産になると思います。そうい意味では悪い遺産なんてないと思いますが(笑)

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