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- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393416136
作品紹介・あらすじ
ユーモア作家にして鋭利な文明批評家チェスタトンが語る保守思想の名著。宗教、伝統、社会における正統な考え方とは何かを説き、「狂人とは理性を失った人ではない。狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である」や「平凡なことは非凡なことよりも価値がある」……など、人間と社会の不変の真理が20世紀初頭の箴言となって現代に蘇る。傑作『木曜日の男』と同時期には発表されたこの近代批評は、皮肉交じりの舌鋒の先にこそ、時代の本質を見抜いている。
感想・レビュー・書評
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3賞までは、なが〜い前置き。
4章以降、「おとぎの国の倫理学」が白眉。
いわゆるチェスタトン節が炸裂、あの当時の知的巨人ぶりを遺憾無く発揮している。
現代人が読むと、100年以上前の時代背景、植民地政策時代の大英帝国の価値基準の名残が鼻につくかもしれない。
あるいは、逆説の積み重ねによってロジックを展開してゆく手法が、かなり冗長に感じられるかもしれない。
または、「みんな違って、みんないい」ポストモダ〜ンな価値観に慣らされてしまっている私たちは、英国特有のシニカルさ、痛烈な皮肉とともに、自らが信奉する絶対的な価値基準(オーソドクシー)をバーンと提示し、無神論や進化論や唯物論を、ここまで槍玉に挙げ、叩きのめすチェスタトン、大丈夫なの?!?炎上しませんか?!…と、わけもなくハラハラするかもしれない。
…が、一連のチェスタトンのこれらの著作が無ければ、無神論者だったC.Sルイスがキリスト教に帰依することも、拠って、かの傑作ファンタジー「ナルニア国物語」が生み出される事も無かったのだよなあ…と思うと、感慨深い。
再読決定本。
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