名盤鑑定百科 協奏曲篇

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  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393934722

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  • 「名盤鑑定百科シリーズ」は、全6作全て所有している。この協奏曲篇は第4作目である。

    「名盤鑑定百科シリーズ」の構成はシリーズを通して一貫している。それは、読み物としても楽しめる楽曲の概説と、35文字程度の批評文の付いたディスクリストという構成である。

    楽曲の解説は、難解ではなく、作者がその楽曲に対してどの様に思っているか、どの様に付き合ってきたかという視点で書かれており、気軽なエッセイのように楽しめる。専門的な楽曲ガイドではないので、説明が間違っていることもあるが、細かいことは言いっこなしだ(例えば、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の説明で、“ラフマニノフ自身、この協奏曲はアメリカのために作曲した旨のことを述べているーーーそれにしては初演されたのはモスクワであったのだけれども”と書いているが、初演はニューヨークである)。

    ディスクリストも、入門者から上級者までディスク選びの参考になる。したがって、多くのクラシック音楽ファンにお勧めできる内容である。これは名盤鑑定百科シリーズ全てにおいて当てはまることである。

    また、シリーズ全てに共通して、紹介されている曲は100曲である。協奏曲で100曲なので、私たちが普段耳にする様な、有名な協奏曲はほぼ取り上げられている。あまりメジャーとは言えない、ストラヴィンスキーの「ダンバートン・オークス」や、シュニトケの「合奏協奏曲第1番」なども取り上げられており、名盤鑑定百科シリーズの他5作に比べて、あの曲が入っていないということは少ないと言えるだろう。

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著者プロフィール

1944年旧満州生まれ。早稲田大学卒業。詩集『獣の痛み』で小野梓文芸賞受賞。音楽評論、詩の分野で活動。明治大学、文教大学講師を歴任。著書『音楽空間』(三一書房)、『名盤鑑定百科 交響曲篇』『名盤鑑定百料 管弦楽曲篇』『名盤鑑定百科 協奏曲篇』『名盤 鑑定百科 室内楽曲篇』『名盤鑑定百科 ピアノ曲篇』『名盤鑑定百科 声楽曲・オペラ篇』『名盤鑑定百科 モーツァルト篇』『名盤鑑定百科 べートーヴェン篇』『名盤鑑定百科 バッハ篇+バロックの作曲家たち』(以上、春秋社)など多数。

「2024年 『交響曲 名盤鑑定百科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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