黒蜥蜴 (江戸川乱歩文庫)

著者 :
  • 春陽堂書店
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本棚登録 : 221
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394301516

作品紹介・あらすじ

妖しき大夜会に君臨する黒衣の美女がいた。女の左腕には、怪奇な黒い蜥蜴の入墨があった。大阪の宝石商・岩瀬庄兵衛の娘・早苗の誘拐を予告する怪文書が届く。身辺を警護する名探偵・明智小五郎に、早苗と懇意にする緑川夫人が接近する。彼女こそ、暗黒街の女王にして稀代の女賊「黒蜥蜴」だった。恐るべき女賊「黒蜥蜴」と名探偵・明智小五郎の壮絶な対決が始まる。三島由紀夫の脚色で舞台上演され、数々の話題を呼んだ傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 明智小五郎と黒蜥蜴と対決、一場面一場面息詰まる思い。

  • 再々…読。
    豊満な肉体と怜悧な頭脳を持ち、人の命をなんとも思わず、明智小五郎にはツンデレ、おまけにボクっ娘と、なんてモダンな最強キャラなんだ。いつもと違って明日人間臭い明智小五郎も良い引き立て役になっている。

  • 90年も前の著作物

    名探偵の明智小五郎vs女賊黒蜥蜴
    どちらも変装で化かしあい。

  • 私はこの作品で初めて江戸川乱歩の小説を読んだんですが、すごい読みやすいと言うのが、第一印象
    読者をどんどん巻き込んでいくような語り口で、先が気になってどんどん頁を巡ってしまいました

    タイトルにもなっている敵の黒蜥蜴なんですが、人の命を奪う事を何とも思わない、あるいはそれすら美しさを見出すような、やってる事はほんとに大悪党なんですが、そんな中にも自分自身の美学と覚悟が読み取れてなんとも魅力を感じてしまうんですよね

    全体的な印象ですが、現代の刺激的なサスペンス系の小説を好まれる方は、あまり満足感出来ないかも
    どちらかと言うと、探偵小説と言う形の純文学と思って味わうのが良いかも知れません

  • 敵役が魅力的な小説はたいてい面白いです。

  • 後半から面白くなってきた
    終わり方が好き

  • おもしろかった〜!黒蜥蜴も明智小五郎も魅力的でかっこいい!どっちもを応援してしまう対決で一気読み。

  • もう何度、この本を読んだか知らないが、黒蜥蜴と称する女盗賊と明智小五郎との対決。アフリカの星というダイヤを巡っての東京、大阪を股にかけ、大冒険!
    裏社会を牛耳る黒蜥蜴は妖艶な雰囲気と放漫な肉体、怜悧な知性を合わせ持つ強敵!明智小五郎の必死の追跡劇はいつ読んでも心が躍る。本作品には、人間椅子のオマージュがあり、乱歩好きには堪らない描写がある。

  • 黒蜥蜴の「わたしの気まぐれは今に始まったことじゃない」って自分で言ったりするとこもあり、反面、明智が死んだと思われた時にめっちゃ泣いたりするキャラクターの強さに惹かれます。明智小五郎も早苗さん拐われたと思われた時に自分の平気そうな表情を見てくれと自分で言って周りを安心させるとことか最高です。魅力あるキャラクター同士の化かし合い。エンターテイメント性が強く、楽しんで読めました。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/kurotokage_again.html【書評】『黒蜥蜴 (江戸川乱歩文庫)』〜第43回千年読書会課題図書 : なおきのブログ

    2017.06.01 千年読書会課題図書
    2017.06.21 読書開始
    2017.06.24 読了

  • 有名なのにいまさら初読。
    まさかのボクっ娘…
    黒蜥蜴といえば美輪明宏だけど、お気に召すままみたいに男性が演じる女性が男装するっていうのをやりたかったのか。

  • 良くも悪くも昔の作品です。
    舞台調であったり読者に話しかけてきたりする手法は面白いですが、『そんなん…無理やん』ってことも多々出てきて逆に新鮮でしたり

  • 長編と言っても、それほど長くない

  • これは面白い。そして素晴らしい。読書中とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。

  • 読みやすい文体。
    三島由紀夫バージョンでも読んでみたいと思った。

  • 2019年に放送されたドラマを当時視聴した。
    原作とはかなり違っていた記憶がある。

    冒険心を擽られる。
    非常に読み易く子供向けと思われた。
    語りが「潤ちゃん」「早苗さん」と登場人物か読者に親切で面白かった。

    黒蜥蜴の素性が一切不明なのが清々しくて良い。
    (天才的な好敵手が消えるのは惜しかったが)敗北を悟ると死を選ぶのも往生際が良い。
    人前で全裸になる性癖から精神が不安定なのかと疑った。
    船上から長椅子を海に落とし涙を流す場面、明智に接吻を求める最期は、急に黒蜥蜴を一女性だと印象付けるようで胸を衝かれた。

    男女問わず外見の美しい人間が好きな黒蜥蜴が、明智だけは内面に惹かれたのではないか。
    敵対関係と共犯関係が混合(混同?)したように感じた。
    犯人が探偵を好きになる展開はその逆も然り珍しくない。
    人形として奴隷にした潤一も、彼女が気に入っていた様子から察するに美男なのだろう。

    恐らく黒蜥蜴は自身が孤独だった故に、社会から見捨てられた同じく孤独な者達を(使い捨てかも知れないが)救済していた気がした。

  • 「皮膚の上を火花が走る緊張もなしに、およそ恋とは呼べない」素裸で宝石踊りを披露するどこまでも無垢なダークエンジェル(一人称は時折"僕")。これは、と感じる運命の恋人に出逢い心を捧げるという、ありきたりな、しかし彼女にとっては未知の経験によって、死ななければならない。その他の選択肢は一切ない美学の問題なのであって、この点を三島由紀夫が愛したのもむべなるかな。
    映画では、いつも黒いドレスを着ていた黒蜥蜴が、明智小五郎の腕に抱かれて息絶えるラストシーンでは真っ白いふわふわの衣装で、可憐だったな。

  • あるセミナーをきっかけに、何十年ぶりに乱歩作品を手に取った。名作であることは間違いないし、ストーリー展開も良く、スラスラと読める。しかし、昔のようなドキドキ感は感じられなかった。それだけ歳をとったという事だろう。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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