- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784394904441
作品紹介・あらすじ
ある春の夜、散歩していた武田信玄家臣・土屋庄三郎は、布売りの老人から、燃え立つばかりの紅い布を買った。布を月光に照らして見えたものは、四歳の時に失踪した父・土屋庄八郎の名……。紅布に誘われて迷い込んだ富士の裾野で見た人間狩り集団、そのまとう経帷子の色が自分の紅布と同じ色と気付いた庄三郎は、そこからさらに怪異の世界に入り込んでいく。神秘的な教団、超人的な人々、本栖湖に浮かぶ水城「纐纈城(こうけつじょう)」……。三島由紀夫がその文章の見事さや現代性、芸術性を賞賛した伝奇小説の傑作!
感想・レビュー・書評
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"破天荒"とはこういう小説を言うのだろう。
人の血を絞って纐纈の赤い布を染める水城の城主、富士の樹海に巣食う邪剣の主…外連味たっぷり。作者は明治の教育を受け、早大英文科に学んで劇作家となっただけあって、さすがに文章は美しく、読ませます。
所謂『伝奇物』として人気がある作品だという事は知っていました。この作品が未完なのは、これはこれで良いのだと思います。
ちなみに私は、先日「鬼滅の刃」を見ていて急に思い出して読んでみた…って所です。
以前は河出文庫でも出ていたし、今回は春陽文庫。途切れることなく出続けるという事は、それだけ需要があるんですかね。それとも日本人には「伝奇ロマン」に引き寄せられる血が流れているのでしょうか。まるで纐纈城に引き寄せられる主人公の庄三郎のように、"無明の灯火"を求めて集まってしまうのかな。…自分もだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
有名な本書、すごい面白いんだけど、未完だったのかこれ!ショック!