- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784395050147
感想・レビュー・書評
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ライトの住宅―自然・人間・建築
(和書)2011年10月28日 20:05
1967 彰国社 フランク・ロイド・ライト, 遠藤 楽
ライトさんの言う『有機的建築』とは「アナーキズム」だと思うようになった。
僕は自分が何を考えたらいいのか分からず、そして建築のことも中途半端にしかやってこなかった。
だが僕は自分自身で当たっていると、その人は当たっていると思うことは続けてきた。例えば、柄谷行人は当たっていると自分自身が判断し、その判断した自分こそコギトなのだと、考え判断した自分自身なのだと。
そして今年に入ってアナーキズムを強く意識するようになり柄谷行人のアナーキズムを理解するようになった。そして彼の著作から、特に最近顕著になったと感じる哲学とアナーキズムの関係とその核心、無支配というアナーキズムと哲学の関係性など、またはハンナ・アーレントの政治思想の理由などと共にフランク・ロイド・ライトの有機的建築のアナーキズムが見事に繋がってきたように感じる。
僕は完全に打ち拉がれ自信を完全に喪失していた。自分のやってきたことが全て不毛であったという否定によって。ドストエフスキーの「死の家の記録」で書かれているように自分がやっていることの不毛性を強く感じることは大変な拷問の一つである。けれど最近、これらの一連の思索が決して無駄ではなかったのだと感じ、元気を取り戻してきた。地震の影響はあるかどうかは分からないが、アナーキズムがバラバラだった僕の姿勢を一つに統整してくれるのだ。これは非常に地味ではあり、表だった変化があるわけではない。しかし奇跡であると思う。
今必要とされるのは否、今も昔の未来も必要とされるのはこれなのだと強く感じる。
ライトさんの本はそういう意味で貴重なものである。この本もそうです。一読してください。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ライトの住宅―自然・人間・建築