数式なしでわかる物理学入門(祥伝社新書242)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396112424

作品紹介・あらすじ

ガリレオの天文学、ニュートンの力学、アインシュタインの相対性理論…。物理学という学問の成果は、今日の科学技術、文明を作りあげてきたといっていい。しかし昨今、特に若者のあいだで理科系離れが進んでいるという。高校の「物理」の教科書を見ると、数式・公式ばかりが並んでおり、それが導き出されるに至った過程や考え方の筋道が述べられていない。本書では、数式を一切使わず、しかも物理学の本質をつかめるように初歩から解説していく。

感想・レビュー・書評

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  • 物理学の入門、考え方には数式はいらない、導入としては面白いし、ニュートン力学までは話の持って行き方として成功していると思う。

    ただ、例外として持ち出した式がE=mc^2なのはなぜなのかが意味不明である。

    また、入門書でありながら、素粒子論やビッグバン宇宙論まで話を広げてしまうのはどういうものか?と疑問である。

    高校物理(私のやっていた20年前とはいくらか違うであろうが)で、数式・公式の暗記の比重が高かったのは力学ではなく、むしろ電磁気学、電気回路の分野であり、電磁誘導、フレミングの法則、オームの法則、キルヒホッフの法則、合成抵抗の計算、コンデンサの合成の計算などなど数式の出番がはるかに多かった。

    それらを飛ばして、宇宙論に飛躍してしまうのは入門書ではなく、著者の専攻、好みの問題なのであろうか?

  • 文字通り数式を極力使わずに物理学の法則を説明しようと説いた一冊。

    完全に数式0とはいかないものの、読みやすくてかつ面白かった。

  • 高校時代のコンプレックス克服のために、題名につられて購入していたもの。

    簡単に理解出来るのでは?と期待したものの、その期待は見事に裏切られ、物理学はより一層難しい、近づき難い存在となってしまった。

    途中からは、単語を拾い読みしながらの斜め読みで、読了とは言えない終わり方…

  • 新書文庫

  • 高校の物理の教科書は、数式・公式ばかりで、それが導き出されるに至った過程や考え方の筋道が述べられていない。本書では物理学について、数式を一切使わず、その本質をつかめるように初歩から解説する。


    第1章 物理学とは何か-自然現象に合理性と法則性を見出す
    第2章 力と運動とは-ガリレオ・ニュートンが作りだした力学
    第3章 物理現象をどこから見るか-視点の取り方で同じ現象が違うものになる
    第4章 さまざまな姿を持つ「エネルギー」とは
    第5章 物理学を見る手段-光と眼のメカニズム
    第6章 電気と磁気の正体とは
    第7章 物質は究極的には何からできているか-素粒子物理学の世界
    第8章 物理学の本質を理解するとはどういうことか-残された課題

    “あえて私は言いたい。
    これらの教科書を読むとすぐに気付くが、物理現象の成り立ちについて、当たり前のように、簡単に数式を用いて説明してしまい、その現象が成り立っている真の意味を解説していないのである。
    この本で今まで語ってきたように、数式に頼ることなく、どんな物理現象であっても、その成り立つ理由を理路整然と矛盾なく説明することから、真の理解はできていくのである。
    このことを忘れてしまうと「数式で表せば・・・」という言い方を簡単にするようになってしまい、物理現象の理解がいい加減なものになってしまうことにつながっていく。
    勿論、物理現象を量的に見たり、複雑な解析をする場合などには数式は有効であるが、その前に現象の本質をつかむことが必要であり、これは研究者でも同じことである”
    (p175~176)

  • わかった・・・ような気がする。とりあえず考え方にはなるほどと思った。

  • 物理現象を単なる数の操作によってではなく、その発生の背後にある論理によって理解しようという試みには大いに惹かれた。 しかしながら無理に日本語のみで説明しようとするあまり逆に文章が理解し難くなってしまっており、多少は数式もあった方が分かりやすかったのではないかと思う。 また、本書の内容をある程度ちゃんと理解するには結局それなりに数学の前提知識の動員が必要であり、本書の力不足感が否めない。 さらにおそらく計算ミスなのだろうが、明らかな事実誤認の記述が紛れており、全体に対する信用度を下げてしまっており、残念。

  • タイトル通り数式を用いないで身の回りの物理現象について述べており、物理学に対してこれまでの自分のイメージが崩された。
    書いてあることは少し難しいが、物理学を学ぶとっかかりとしては良い本だと思う。

  • この本のように平易な言葉で分かりやすく説明できるのは大事なことだ。

  • ☆みっつでもいいかと思ったけど,頭の体操になったから☆4つ

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著者プロフィール

1933年埼玉県生まれ。現在、早稲田大学理工学術院総合研究所客員顧問研究員、横浜市民プラザ副会長、アメリカアラバマ州ハンツビル市名誉市民。1956 年京都大学理学部卒、理学博士。京都大学工学部助手、助教授、アメリカNASA 上級研究員、メリーランド大学教授を経て、神奈川大学工学部教授、同学部長、同学長を歴任。研究分野は高エネルギー宇宙物理学、太陽物理学。
著書:『移り気な太陽』(恒星社厚生閣)、『太陽−研究の最前線に立ちて』(サイエンス社)、『天体物理学の基礎』(地人書館)、『宇宙プラズマ物理学』(恒星社厚生閣)、『天文学を作った巨人たち』(中央公論新社)、『日本列島SOS』(小学館)、他100 冊余り。

「2016年 『ホッケースティック幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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