8000万人社会の衝撃 地方消滅から日本消滅へ(祥伝社新書) (祥伝社新書 473)
- 祥伝社 (2016年7月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396114732
感想・レビュー・書評
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タイトルはやや流行り物系だが、著者の加藤氏はこの分野では盤石の信頼感。
少子高齢化というが、人口減の要因は「少子化」。人口減社会は経済成長しなければ支えられない。さもなければ財政はもたない。東京集中によって地方は消滅し、その東京もこのまま無策なら消滅する。日本はなくなる。
処方箋は十分語りつくされているのだ。
高齢者から子育て世代、さらには若年層への社会給付のシフト。
消費税の引き上げ(何人もの誠実な学者に何度も指摘されているとおり、これは「弱者いじめの税」ではない。逆進性は世間で吹聴されているようには高くない)。
規制緩和による生産性の向上。
少なくともOECDの統計から観察される限り、少なくとも手を打てば効果が出るであろうことはかなり期待できる。それでも、「もっと他に削るべき分野があるはず」「説明が尽くされていない」とそれ自体はどうしようもない反論が総論賛成の中で繰り返され、有権者の多数派は高齢者ばかりとなる、という道を日本は数十年かけて歩んできた。
「何にも増して不足しているのは、将来に対する想像力の欠如である」(P277)。冷静な筆致の加藤氏らしからぬ文意の乱れが主張の切実さを際立たせる。不足しているのはもちろん想像力そのものだろう。
同じ加藤氏の「世代間格差」を読んだのが2013年。著者の危機感は比較にならないほど高まっている。詳細をみるコメント0件をすべて表示