不動産で知る日本のこれから (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396116019

作品紹介・あらすじ

局地的な上昇を示す地域がある一方で、地方の地価は下がり続けています。 高倍率で瞬時に売れるマンションがある一方で、買い主ではなく売り主が金を出さねば売れない物件もあります。 いったい日本の不動産はは、どうなっているのでしょうか? 「不動産のプロ」であり、多くの現場に立ち会ってきた著者は、「不動産の動きを観察すれば、手に取るように経 済がわかる」と主張します。 インバウンドの恩恵は続くのか?共働き夫婦の都心移住の行方は?そして、不動産の本当の買い時はいつなのか? 景気後退が叫ばれ、先行きの不透明感が増すなか、日本経済を知るヒントがここにあります!
不動産の動向は経済を如実に反映していると言われます。不動産の動向をどのように分析すれば、日本経済への理解が深まるのか? 著者は刻々と移り変わる不動産事情を、地に足がついた形で切り取り、提示してくれます。そこでわれわれは動向の変化にハッと気づき、目を開かれることになります。不動産は明日の日本を知る上で重要なファクターだということがわかるのです。不動産を知ることによって、日本のこと、日本経済のことが見えてきます。読み物形式の日本経済へのガイドブックです。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸時代の不動産の話から始まり、1990年代や200年代初頭の歴史の話など、読み物としては面白いコラム集。
    ただ、読者が知りたい情報としては、一周遅いように思える。若干タイトル詐欺。
    「はじめに」が書かれたのは2020年3月のようだが、アフターコロナ時代の不動産に関する考え方の転換については全く触れられていない。
    かろうじて、「買う」よりも「使う」時代になってきたと言う文脈で、「会社に通うための家を買う」のは古いということが記載されているものの、そもそも都心に住む前提で書かれているのが既にナンセンスでしかない。
    リモートワークが増え、場所に縛られない新しい生活様式・働き方が主流になってきた昨今では、地方への移住が増えつつある。
    東京と地方では、住宅事情が全く異なる。
    札幌や福岡などの政令都市でも、駅から徒歩10分以内に、庭付き戸建てを買うことは一般的なサラリーマンの稼ぎで十分にできる。
    都心では家は借りることに軍配が上がっても、地方ではそうとも限らない。
    「賃貸」vs「持ち家」の議論が下らないのはそのとおりだが、その議論が下らないのは、「賃貸」と「持ち家」の二元論に議論を矮小化しているからである。
    実際には、上記のように首都圏と地方の違い、戸建てとマンションの違いなど、様々な分類分けをしないと議論にならない。
    本書の内容に戻ると、AIを「理科系ネットオタクで日本語もしゃべれるのか怪しいような種族が開発した」ものとしており、これまた情報が古すぎる。
    今の時代、文系出身の営業マンや金融マンであっても、AIくらい使いこなせないと仕事にならない。逆にいえば、文系こそAIを使いこなすための知識が必要になってきている時代である。
    そもそも、日本語が使えないとAIは開発することもできないため、著者の文章は完全に理論破綻しているのだが。
    時代遅れの著者が書いた、古い時代の不動産業を知るための一冊。

  • タイトル通り、不動産の話。
    前半の負動産・腐動産の話には、本当によく考えないといけないと思う。
    購入か賃貸かの不毛な議論というのは、個人的にはその通りだと感じた。30年・35年の資金が凍結される投資案件は、会社のプロジェクトではありえない。
    それでも購入するのであれば、絶対に欲しい、どんな苦労も厭わないと断言できる場合に限るべき、というのは個人の指針として有用と思いました。

    で、前半部分は、これからの住宅の不動産に対して話だったので、興味深く読めたが、3章以降は観光に対する影響とか、不動産産業という視点での話だったので、そこまで食指が動かない感じでした。

  • 不動産のこれからを現在の状況と照らし合わせ、確実にくる人口減少、住宅供給過剰の未来、相続、街作りの視点等から述べている。
    住宅な個人にとっても需要インフラ。これから起こる問題を教えてくれる一冊。家を購入するか、考えている人には読んで欲しい。

  • 二世帯住宅を買い、片方を自分が使い、もう片方を貸しに出す。キャッシュフロー。リバモゲ怖い。コミュニティーを買う。キャッシュフローを産まない不動産購入のリスク

  • 新橋のマッカーサー通りの話が印象的だった

  • 読み物として、面白かった。

    不動産はクローズドな世界なので、
    まずは興味を持って、情報を集め、自身で判断できるようになることが大切。

    はじめの一歩として読む場合、(コロナ前までの)トレンドを加味して描かれているため、サクッと読めてしまう。

    コロナ本格化前の出版であるはずに関わらず、
    リモート社会を鮮明に想定している点は凄いし、
    負動産、腐動産の章は良い示唆となった。

  • 不動産に関わる話をあげつらう本
    自分の理論を語らずに、偏見から文句を言うに終止している、好きじゃない

  • 不動産会社のプロに勧められて読みました。不動産購入を検討している、いた人にはとても興味深い内容でした。いま良ければよい、またはステレオタイプな賃貸vs持家論を脱却する、日本の今までとこれからの視点から不動産を紐解いてくれています。
    不動産を買うということは、その土地を買うこと。地歴、コミュニティを買う。
    論理ではなく惚れて惚れて惚れ込んだ家や場所は置いておいても、変化の激しいいま、運用益の全くない不動産購入のリスクを考えさせてくれました。
    超高齢化社会、人口減少、相続問題、生産緑地制度の期限切れ、本書には無いですがインバウンドのこれから、人の移動や働き方改革。

    供給が増えて、需要が減る。
    価格が下がり、借り手買い手市場が到来する。

    これからは街の質で選ぶ時代が来る。街の環境、コミュニティの醸成に尽力する街の差異が非常に重要であること。感じていた価値を不動産のプロフェッショナルから得ることができ、ちょうどローカルなITの価値についても考えていた私には視座のあがる良い作品でした。

    これからの住宅を選ぶ東京人は幸せだ。
    で締め括られた一読の価値ありの本でした。

  • 想像をしていたものと、なんとなく違ったかな。

    コロナのために、働き方改革推進当時(これを書いていた頃?)以上のスピードで、物件に対する希望は変わってきていると思う。
    また、マンション管理問題や、リバースモゲージのデメリットなどは、すでに知っていたので、さらっと読んだ感じ。

    著者の仕事柄、観光の話が出るのは納得なのだが、この本のタイトルでこの話題?というものも含まれていて、全てが不動産の話というわけではない。
    自分は、2食付きの旅館プラン、好きですけどね。。

    文体が、ぱつんぱつんとぶった斬られているのが、なんとなく気になった。
    週刊誌や新聞のコラムのような文体。

    でも、法律改正のビックボーナスの話は面白かった。

    第1章 マンションは、どうなっていく?
    第2章 不動産新事情
    第3章 不動産の背景は、こうなっている!
    第4章 地方はどうなる?観光はどうなる?
    第5章 都市開発の行方

  • EVの容積緩和ボーナスと渋谷スクランブルスクエアの関係、マッカーサー道路による新橋分断の影響が興味深かった。

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著者プロフィール

不動産プロデューサー。1959年生まれ。東京大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)、ボストン コンサルティング グループ、三井不動産などを経て、オラガ総研代表取締役兼全国渡り鳥生活倶楽部代表取締役。著書に『空き家問題』『不動産激変』『ここまで変わる!家の買い方 街の選び方』など。

「2022年 『2030年の東京』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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