厭な小説 文庫版 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 796
感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396337834

作品紹介・あらすじ

「厭だ。厭だ。厭だ-」同期深谷の呪詛のような繰り言。パワハラ部長亀井に対する愚痴を聞かされ、うんざりして帰宅した"私"を出迎えたのは、見知らぬ子供だった。巨大な顔。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味な子供がなぜ?しかし、妻は自分たち以外に家には誰もいないと言う。幻覚か?だが、それが悪夢の日々の始まりだった。一読、後悔必至の怪作。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の京極氏の「百鬼夜行シリーズ」以外の作品。

    とにかくタイトル通り厭な結末ばかりが続く、そんな短編集。この後味の悪さは自分の読書の歴史上1位2位を争う気味の悪さ。でも、気味がわるい、結末が怖い、あぁ…と思うけれどページをめくる手が止まらない。何なんだ私…と思いながらも読み終えた後のこの身も凍るような思い。お薦めしたいけど、お薦めできない、そんな小説集。

  • 本当に厭な感じ。何とも言えない不条理さで余計に厭度が増している。何度も出てくる上司が本当に厭だけど、「厭な彼女」の彼女も相当厭。

  • 「厭な小説」とはよく名付けたもので、なんとも不快指数maxな短編集。どれもキモチ悪くていや〜な感じなのだけど、足の小指を何度もぶつけてしまう家、とか、よくよく考えると笑えたりもする。こういう作品は嫌いじゃない。

  • 単行本の方も発売当時買って読んであるんですが、文庫本には『厭な解説』があると聞いてそれも読みたかったので購入。

    相変わらず厭な話ばかりですが…やっぱり嫌いじゃないんだよなこういうの。
    バッドエンド嫌いの知人にあらすじ話したら凄く厭がってたのでそういう人は読んじゃダメですが。
    『厭な老人』と『厭な彼女』がやっぱり厭だなぁ。
    最後の『厭な小説』では、各人がその後どうなったのかが知れるんですが…それも皆厭な結末で…。

    そして、『厭な解説』では厭な話の小説を延々と紹介してるという厭さ。
    四割くらいは読んだことある話だったんですが、わかるやつがあると「あーあれは厭だよなぁ」なんて思いながら読めて面白かった。
    そして知らない話は読んでみたいなぁと思ってしまう…。
    厭なのに好きなんだよなぁ。

  • 厭さ、MAX。
    本から臭いやら、湿気やらが出てきそうなくらい、でも、読み出したら止める事ができない。イヤだぁーーー。

  • 何これ?ほんとに厭だ(笑)
    でもでも、途中で読むのやめようとは思わず、次々読みたくなる。
    でも読んでも読んでもずっと厭だ。。。
    後味も最悪です。

    表紙も気持ち悪いんですよね。
    特に「厭な子供」を読み終えたら余計に・・・

    「厭な子供」「厭な老人」「厭な扉」「厭な先祖」「厭な彼女」「厭な家」「厭な小説」とある訳なんですが、私は「厭な老人」「厭な彼女」が特に厭でした・・・
    私もグリンピース嫌いなので「厭な彼女」は無理ーーー。
    まぁ全部厭なんですが^^;

    一編一編違うタイプの厭さが出てきて、よくもまぁこれだけの
    バリエーションで厭な話が書けたなと思います。
    さすが京極先生!

  • ちょッ…、ラスト!めッちゃ厭。
    京極氏の本で読み終わるのにこんな時間がかかったのは初かもしれない。
    1話目で心底厭な気持ちになって心折れた…。
    頑張って読んだけど!
    よくもまあこんな厭なはなしばッかり書いたよね…。

    個人的には汚い系、気持ち悪い系が本当厭だ。
    『老人』とか『先祖』とか。
    においとか耐えられない。

    そしてダメ押しの「厭な解説」。 笑
    読んだコトある本は、分かる!分かるよ!ッて感じだし、読んだコトないのは…絶対、読みません!

  • 本当にとても厭な小説です。なのにページが進みます。

  • 読了後厭な気持ちになる、スッキリしない話の数々。現象、人、物がおかしいはずだけと、己がおかしいのか?疑いながら発狂していく。
    どれが1番厭かなと考えてみたけれど、……どれも厭だ。

  • 世にも奇妙な物語の原作があって個人的にアガった(「厭な扉」)。

    最後の空白で、自分の頭の中にある厭な展開が次々映し出されていくのがとても厭だった。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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