PO(プロテクション オフィサー) 警視庁組対三課・片桐美波 (祥伝社文庫)
- 祥伝社 (2017年3月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396342937
感想・レビュー・書評
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ガッツリとした警察物が読みたくて、久しぶりに深町作品を読んでみた。
今回の主人公は身辺警護を専門とするPO(プロテクション・オフィサー)。SPは政府などの要人を警護するのに対して、POは民間人を警護する警察官。平成24年から実際に配備されているとのことだが、この作品を読むまで知らなかった。
すでに「アウトバーン」で女性刑事が主人公の小説を書いているだけあって、この作品も女性が主人公であることに違和感はない。警護と言う意味では、渡辺容子の「八木薔子シリーズ」と引けを取らないし、同じ女性刑事を描いた吉川英梨の「原麻希シリーズ」より重厚感があって、読み応えがあった。これだけ、女性刑事ものを描いているので、女性作家かと思ったら、男性でびっくり!しかも遅筆なのだそう。続篇が読みたいけど、かなり先になるのかなぁ。 -
POという仕事がどういう仕事なんか
と思いつつ読み進める。
こういう女刑事が活躍している刑事もの大好き。
美波も塔子も周りに恵まれてるし。
1番思ったんは布施達が現金を奪ったせいで
その犯人探しで痛い目にあって
拷問されて殺された人間に対して
なんとも思わんかったんかってこと。
拷問のやり方もえげつないし
菱塚も現金を持ち逃げできるんと思ったんか
仲間を前にして。
それさえなければ。
布施ももっと早く言わんかい
娘や奥さんのためにも。
とりあえず美波と塔子が
もんじゃ焼きを食べに行く日が来ることを
願ってる。
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深町作品としては最後まで抑えた感じ。二人の女性警官をもっと対照的な感じで描いてもよかったのでは。
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面白かった。どっぷり浸かったわけではないが身辺警護員が主役といいうことと堅気になった者が過去の亡霊に追い詰められていくという設定が良かった。クールな主人公だが人間味を見せる部分もあり、より惹きつける要因になっているように思われる。しかしどの作家も刑事物の女性警察官はほぼほぼ美人なため余り熱を感じないのは自分だけ?
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PO美波の活躍が頼もしい
POでありながら事件の調査に絡み
捜査一課の塔子とともに解決に突き進む
その他のキャラも個性的で楽しめました
これはシリーズ化あるのかな? -
ドッグメーカーが面白かったので期待したのだけどあわなかった。
「警視庁組対三課・片桐美波」というサブタイトルなのに片桐美波が主人公である感じが薄かった。
主人公が薄いためか周りの同僚キャラクター設定も他の作品に比べ薄く残念。
状況説明がずっと続き、会話が少ないためか他の作品と比べてイマイチ楽しめなかった。本当に残念。 -
プロットも良く、女刑事2人との確執・愛憎関係も見事に描かれていて、久しぶりに本格的・正統的な警察小説を読んだ感じ。「ドッグ・メーカー」も面白かったし、最近の著者の作品から目が離せない。
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今回の主人公は、要人警護を主とするSPではなく、主に暴力団組織から民間人を警護する目的でつくられたPO(身辺警戒員)という任務についている女性警察官。
女性刑事が主人公だと、ライバル役や相棒役は大抵男性だったりするけど、今作はそのライバル役も女性刑事で、捜査一課のエリート班長。男社会で無理に肩ひじ張って、でも内心は女々しいことこの上ない女性刑事像が大の苦手なんだけども、深町さんの描く女性刑事キャラは皆好み。塔子が微妙にそっち系かな、なんて危惧したものの、塔子なりの矜持もあったり、女性らしい柔軟さを上手く見せたりで、意外と良かった。終盤に美波と塔子の関係が修復するシーンも良し。ハードなシーンも多かったから、ちょっとホッとできる良いシーンだったと思う。組対三課の美波と捜査一課の塔子の二人が今作以後、上手く連携して事件に挑んでいくのをまた読んでみたい。