秋霜 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396345143

感想・レビュー・書評

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  • 前作「春雷」の続編。
    鬼隼人が亡くなった三年後の欅屋敷の話。
    あの時集まった三悪党の生き残り臥雲の想いに涙したし、子供たちの成長や欅屋敷に集まったもの達の心の変化に熱いものがあった。

  • 面白かった
    これは、はまった。羽根藩シリーズ第4弾。
    第3弾の「春雷」の続編なので、「春雷」を読まないとこの感動は伝わらないと思います。

    ストーリとしては、豊後羽根藩の物語
    「春雷」で語られてた欅屋敷。
    そこで孤児たちと暮らす楓のもとに、謎の男小平太が現れます。
    小平太には亡くなった多門隼人との因縁があり、
    前藩主の旧悪を隠ぺいするため、楓とその孤児たち抹殺する密命が..
    小平太は敵なのか、味方なのか?
    しかし、小平太は楓たちと暮らす中、多門の生き方、楓の生き方に感化され、楓の味方に

    しかし、様々な魔の手が楓たちに襲いかかります。
    小平太、臥雲、姜斎は楓や孤児たちを救うことができるのか?
    クライマックスに向け、藩からの脱出を試みます。
    無事逃げ延びることができるのか?
    こういう展開は弱いんです(笑)

    一方、悪役側も奥深い。
    真の悪役は前藩主なわけですが、それに使える兵衛、佐十郎の覚悟も敵ながら凛と清々しい。羽根藩の改易を目論む幕府の巡見使がくる前に、羽根藩を継続さえるため、楓たちを亡き者にしようとしていたわけですが、最後の最後がまたスッキリ。
    武士の矜持を感じました。

    エンディングがとてもよい
    とってもお勧め
    絶対に春雷を先に読むべき!

  • 羽根藩シリーズ第四弾。登場人物(新キャラもいますが)も場所も前作『春雷』と同じだから、日を置かずに読んだ方が吉。人を思う気持ちに溢れている作品。楓様と小平太との仲はどうなったのでしょう。とても気になります(^^)

  • 羽根藩シリーズ第4作。「春雷」を受けてのストーリーとなっている。展開が早く飽きさせない。また「秋霜」は多聞隼人であり、児島兵衛であろうが、新たな像が小兵衛の名のもとに登場してきたことを感じる。これは第5作に何らかの形でつながるのだろうか。

  •  羽根藩シリーズ第4作。読み切りだったこれまでとは違って前作「春雷」の後日譚になっている。単独でも読めるけれどこれはやはり続けて読むべきものだろう。鬼とよばれた多聞隼人の遺徳と残された楓屋敷の面々の清冽さに敵であるはずの者たちがみんな感化されてしまう。話がうますぎるが、それが不自然に見えないように筋書きが進んでゆく。あのならず者然だった臥雲の最期の立派さに思わず粛然たらざるを得ない。そして楓屋敷を追い詰める旗頭と目される家老児島兵衛、ひょっとして彼こそが一番の理解者ではなかったか、それが秋霜の語の意味するところか、と気づかされたところで物語は閉じられる。

  • 「春雷」の続編として読むと大きな流れでわかりやすい。
    終盤ちかく、兵衛にはかせた「秋霜のごとく、ひとに苛烈にあたるからには、おのれにも厳しくあらねばなるまい。遅れれば未練がます。」の言葉が染み入る。

  • 『春雷』のその後を描いた作品とか。
    前藩主の旧悪の生き証人で欅屋敷で孤児の世話をする楓たちと、彼女たちを葬り去らんと企む魔の手との戦い。
    「自らの生き方に満足を感じることは、実は容易いことなのかもしれない。ひとをいとおしみ、そのひとのためならすべてを擲っても悔いはないと思えるなら、それで十分なのだ」
    そういう思いを持った小平太や臥雲、姜斎が、楓たちを救うために立ち上がる。
    旧藩主の部下たちも一枚岩とはいかない複雑さもあり、魅力ある小説となっている。
    やはり、『春雷』も読まねば。

  • 7月-3。3.5点。
    羽根藩シリーズ第4弾。
    前作の続きっぽい。亡くなった多聞の元嫁、楓が住む楓屋敷。子ども達の面倒を見ている。
    一人の武士が訪れる。武士の目的は。

    さすがの葉室さん。一気読み、ラストは感涙。
    次作も期待。

  • 最後に涙がぽろり。

  • 2022.5.14 読了
     豊後羽根藩シリーズ③「春雷」の続編。欅屋敷で孤児を見守る女・楓の許に敵対側から、草薙小平太と鶴見姜斎が送られてくるが最終的には味方になってしまう。旧悪である前藩主も現家老に成敗され、楓たちも無事に難を逃れ、ハッピーエンドなのかな。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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