農ガール、農ライフ (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396345235

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のイラストやタイトルをみると、かる〜いサラッと読める本かしら...?いや〜垣谷さんの本だからまさかそんなことは...。何度も読もうと思って、手に取ったり下ろしたり。やっと本日一気に読了。で、やっぱりなんか重たいテーマ、伝わってきた〜。

    農業をする難しさと楽しさ。日常生活の安定と不安定。煌びやかな生活と質素な生活。就業の自由と規則。様々な両極端を見せられ、自分の現状と照らし合わせて不安になることもしばしば。そして最終的には、自分の幸せと思う判断基準とは。深く考えさせられました。最後は結局、人との繋がりが1番大事なのかなあ、と。

    毎日の生活では、マイナス方向に行かないよう備え考え、様々なものを安定させようと必死になるけれど、今目の前にある小さな幸せというものもきっちり捉えて見逃さないようにしていきたいですね。

    ではとりあえず、目の前のふかふかお布団できっちり幸せな睡眠を..zzz...。

  • ベルゴさんの本棚で見つけ図書館予約

    農業、そのおかげで命を繋いでいるのに
    身近に何も知らなくって……

    うーん、なるほど

    八方ふさがりの中でも道を見つける
    やはり「久美子、がんばれ!」
    って応援したくなる

    ラストはうふふですね

    ≪ 農ライフ たやすくはない 農ガール ≫

  • 派遣切りに遭い、同棲相手の男性と別れることになり、路頭に迷いそうな主人公久美子がたまたま見たTV番組に奮起し、農家になろうとする。

    久美子のような、芯が強く真っ直ぐ進める人は多くないと思うけど、それでも頑張って生きようとするエネルギーとか、人生は人それぞれでみんな違ってみんな良いんだと前向きになれる1冊だった。

    この本を手に取ったのは、実は私は夜中は工場で働いてるが、昼間は旦那の実家の果樹園を手伝ってるというのが理由だったりする…笑

    この作品では有機野菜が登場し、農業学校に通い、実際に土地を借りに行く…とかかなりリアルな農業の一面が書いてある。
    主人公久美子の前向きさがとても良い1冊なんだけど、実際農家をやってると、農家側の気持ちもわかる部分もあって何とも複雑な気持ちになった笑
    長くなりそうなので割愛( ¯ω¯ )笑

    でも作中の久美子の反論というか、納得いかないのはすごくわかる。
    私の住む地域でも"新規農家募集!"とかやってるみたいだけど条件が厳しいし、実際やるとなっても自給自足で暮らしていくってのは本当に難しいと思う。
    それでも、久美子のような力強さで農家にチャレンジしてくれる人が増えたらいいなと思う。

    あまり身近にない"農業"の実態がよく書かれているので、農業を知るにはオススメ。
    さらに、人間本気になれば人生どうにでもなる。やりたいように頑張れるって力をくれるそんな1冊でした。

  • 派遣切りにあった日に同棲相手から別れを切り出された主人公・水沢久美子32歳。TVで見た農業女子を目指すが、波瀾万丈の物語が始まる。まあ、苦労して最後は報われる、お約束的展開ではあるが、こう言うお仕事系の話は好きです。

  • 派遣切りに遭い、同棲していた彼氏にも振られ、住むところも失った33歳の久美子。
    絶望していたところで、偶然テレビで特集していた「農業女子」意外に力仕事でもないし、農業人口も少ないことから、農業を始めることを決意し、農業大学校への入学を決める。
    しかし、学校を出たところで、コネも何もない久美子には農業が出来る農地がない。
    それでも地道に農地探しをし、やっと見つけた場所で農業を始めるも、実入りが少なく、婚活をしてみるも、理想の相手も見つからず…
    この作者さんの作品を読むのは2作目。どの作品も評価のいい印象を受けるが、私は今作の主人公・久美子の行き当たりばったりな考え方、生き方がすごく苦手に感じた。
    全てのことを表面的にとらえていて、先のことを考えないから、少し進んで、すぐ壁にぶつかり、自分だけが不幸だと思い込む。でも、まだ笑えるから大丈夫。って、久美子の周囲の人物が「久美子は恵まれている」と言う意味を本人が一番分かっておらず、悲劇のヒロインぶっているところが嫌いだと思った。
    育った環境が良くなかった人なんて、たくさんいる。自分も今保証人を求められたら、60歳以下で稼げている身内なんて一人もいない。仕事だって、順調なわけでもない。でも、自分は恵まれていないなんて思ってない。
    作者さんは久美子を甘い人物と分かって書いているから、周囲の人の言葉にとげを持たせているんだろうけど、他の方のように読み終わっても「面白かった」とはどうにも思えなかった。

  • ふーん。
    農業、農業女子?

    始めはどうなるかと思った、前途多難。
    総合職までいき、会社が倒産、
    そして派遣、
    同棲してる男子と別れ、さて
    これからどうする?

    農業大学の新規就農コースを受ける
    ここでもいろんな出会いがある
    さて、本格的に農業を始める
    農地がない。
    そして助けてくれる人、山藤アヤノにあい
    富士江にも助けられる

    予想通りのところもあり、予想外もあり
    単にホント面白かった。

    「お前さん下」を読んでるとこだけど
    箸休めというかー

    ここで垣谷美雨作品ももう何冊目かになると
    少し読めてきた。キャラクターやら。ストーリーやら、ー考え方は好きです。

    人間が生きていくということは、大変なこと、
    だからといって、計算できるものでもない
    計画をたてたからといって
    計画通りに行くものでもない

    自分の座右の銘「一寸先は闇」
    もっと問題提起、対策をこうじると思いきや
    そこまで突き詰めなかった。



    作品に出てきたヒトミ、野口静代が考えてることがわかりすぎる、これはきっと自分が齢を重ね、経験値?が増えたから。

    いけない、いけない後半は筋が読めたぜよ。
    まあいいか、楽しかったから。
    軽ーい読み物。

  • 「職なし、家なし、彼氏なし
    どん底女、農業始めました」とインパクトのある帯を見て、どんな悲惨な人生や?と言う思いを持ちながら読み始めました。
    勤めてた会社が倒産し、いずれ正社員で働くだろうと派遣社員をしていた主人公久美子。その派遣も切られ、恋愛感情が薄れたとは言え、いずれ一緒になるだろうと思っていた同棲相手に彼女ができ、家も出ていかなくてはならないはめに。こんなはずじゃ、、、が連続していく中、昔のつてを使って思い切った行動に出る久美子。人間、切羽詰まると大胆な行動ができるものなのかなぁ。生活していく、生きていくって想像以上に大変なのかもと感じさせられました。
    農業生活をスタートさせた久美子を取り巻く人間模様。癖のある人や、闇を抱えた人など、様々な人と出会っていくが、その絡みが久美子の生活に変化をもたらしていく。取り方一つで、その人の表立っては見えない部分も見えてくるんだなと久美子の接し方を見ていて感慨深いところがありました。
    久美子が出会った人の中で、婚活パーティーで知り合った静代が私にとって印象的で、、
    シングルマザーで子どもと生活するため、経済力があれば、好きではない相手と生活のために結婚することができる。そこだけ切り取ると、何かしっくりこない、それでいいの?って気持ちがあったけど、地味で魅力がなくても、暴力を振るうことなく食べていけるだけで幸せと言う静代の言葉に、想像以上の苦労があったんだなと。しっくりこない自分はそう言った面で、苦労知らずの幸せ者なのかもと思わせられた瞬間でした。
    女性は結婚や出産、はたまた独身とでライフスタイルはガラッと変わってしまうけど、どんなライフスタイルでも自分でしっかり歩いていける、そんな強さと経済力は持っておくべきなのかな、、、と感じさせられたのと同時に、今ある幸せに感謝しながら今後をしっかり考えて過ごしていきたいと思いました。

  • 農業でやっていく大変さ、現実とPRされているものの差がわかった。
    まず農業を始めるだけでも大変すぎて世知辛い…
    また、女性の価値観についても考えさせられる。
    主人公と一緒に息苦しく感じたりしたけれど、主人公は自分らしく生き抜いてほしいな。

  • 手に取った時と読了した時の印象が違った本でした。
    一見華やかに見えていたとしても成功の裏には勿論、見えない苦労、努力がある。
    土地のしがらみを交えながら、業種を問わず将来設計について投げかけられたようにも思えました。

  • 同じ年齢で、同じように別れを告げられた状態で読んだので親近感が湧きました。
    仕事やとりまく環境は違えど、前に進もうとしてるところを見て頑張ろうという気持ちになります。

    クセのある登場人物が多いですが、現実的な感じがして楽しめました。

著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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