ヒポクラテスの憂鬱 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 2141
感想 : 145
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396345310

感想・レビュー・書評

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  • 図書館の受け渡し所の今ならすぐ借りれるコーナーに中山七里さんが1冊。皆さんの本棚でも見かける作品なので追加でお借りしました。「ヒポクラテスの誓い」の続編でしたので、再三の失敗ですが。それでも法医学の検死からの真事実の解明を面白く読みました。
    医大法医学教室に持ち込まれるご遺体。教授光崎の元、事故病死と思われた彼らから、真の死因を探り出していきます。
    六人の遺体にまつわる短編に、コレクターと称する不審人物からの県警ホームページへの書き込みが物語を繋ぎます。
    コレクターの解明については、ちょっと無理したかなと思う所ですが、中山七里さんはどの方面から書いても面白く、ご自分の作品の登場人物を各方面で繋げてしまうのだから、お上手だなあと思うのです。

    • おびのりさん
      了解しました!
      了解しました!
      2023/11/27
    • 1Q84O1さん
      続編でしたか…
      おびさん得意の順番は気にしないですねw
      続編でしたか…
      おびさん得意の順番は気にしないですねw
      2023/11/27
    • おびのりさん
      気にしたいところでござる。
      気にしたいところでござる。
      2023/11/28
  • 法医学のヒポクラテスシリーズ第2弾

    相変わらずの解剖シーンの描写には、グロテスクさを感じられるが、第2弾ともなると慣れてきてしまうのが不思議。

    短編での話で進んでいきますが、繋がっていくので長編としても楽しむことができると思います。

    コレクターを名乗る者とは?
    最終章でのどんでん返しです。

    真琴と古手川の今後にも注目です。

  • 『ヒポクラテスシリーズ』第二弾
    六つの連作短編集、共通はコレクター(修正者)という犯人 
    埼玉県警ホームページへの書き込みがあった
    「全ての死に解剖が行われないのは、わたしにとって好都合である」

    前作品同様、斯界の権威である光崎教授と変わり種のキャシー准教授、新米助教の真琴、そして古手川刑事のテンポあるやりとりが良い感じで、サラサラと読める

    相変わらず予算がなくて司法解剖がなかなか出来ない状況に四苦八苦するが、段々真琴の考え方もやる事も周りに似てきて、話としては面白い方向に展開する
    そして古手川刑事は、やっぱりカエル男事件がトラウマなんだね
    真琴は腕も上がってきて、古手川刑事とのコンビま良い感じに近づいてきた
    今後どうなるか楽しみ

  • 「ヒポクラテス」シリーズ第二弾
    短編連作の法医学ミステリー
    今回は「コレクター」を名乗る書き込みからの犯人探し。
    県下で起きる自然死・事故死に問題がないかを見極めろという書き込みで、県警・司法解剖は大混乱へ..
    「コレクター」とは何者なのか?

    今回は、それぞれの事件で真琴と小手川刑事が暴走気味に走ります。

    ■堕ちる
    コンサート中のアイドルのステージからの転落死。
    解剖からその死の裏側に迫ります

    ■熱中せる(のぼせる)
    3歳の女児が熱中症で死亡。しかし本当の死因は?

    ■焼ける
    新興宗教の教祖の家が全焼。教祖の焼死体に対して、解剖を拒む信者たち。その死の真相に迫る

    ■停まる
    路上で突然亡くなった老人。その老人には多額の保険金。受け取りは認知症妻。解剖した死体から出てきたもの

    ■吊るす
    横領事件のOLの首つり自殺事件。しかしすでに死体は荼毘に付されています。残された検視報告書から感じた違和感。さらに同様な自殺事件がもう一件。二つの自殺事件の共通点は..そして事件の真相に迫ります

    ■暴く
    小手川刑事の同僚の女性警察官が自殺。コレクターの書き込みによって、解剖予算が枯渇。予算のない中、どうやって解剖するのか。
    果たして解剖した結果、明らかになる真因
    そして、コレクターの正体とその真相が明らかになります。

    司法解剖制度の脆弱性が浮き彫りとなる物語でした。
    死亡原因や真相追及って結局予算次第っていうこと?
    「吊るす」がとても印象的でした。

    コレクタの正体はなんとなくわかってしまいましたがストーリは前作同様楽しめました。

    お勧め

  • 「ヒポクラテスの…」の2冊目。前作「…誓い」はあまり好きでもなかったが、続きが中古本屋の棚にあったのでつい買ってきた。
    研修医だった真琴も晴れて法医学教室の助教になったのね。

    ステージから転落したアイドル、熱中症の3歳児、新興宗教の教祖の焼死体(ちょっとエグかった)、散歩中の老人の心不全(泣かせるね)、自殺したOL…、それぞれ死因が疑いようもないと思われた遺体が、関係者でしか知り得ぬ事実を知っている<コレクター(修正者)>を名乗る県警ホームページへの書き込みによって次々と解剖され、隠れていた事実が明らかになる。
    ただ、真実が明らかにされる事案は少数で、全ての異状死体を解剖させようとしている<コレクター>の狙いが分からず、県警も法医学教室も振り回される…。
    途中までは筋の運び方として前作よりまともになったかと見えていたが、今回は光崎ではなく“光崎の薫陶を受けた”真琴が暴走したり、交渉材料もなく徒手空拳で敵陣に飛び込む古手川のやり方には、やはりイライラ。色恋沙汰も要らないように思う。
    まあ、それでも光崎や渡瀬が尻拭いしながら若い二人を育てていこうとしているところは微笑ましく、警察のデジタルリテラシーの乏しさや“安心できる結論に落ち着けたい”=冤罪を生む体質などをさりげなく指摘しているところも良いと思った。
    “どんでん返し”の作者にしては、今回はあまりサプライズはなかった。

  • 思いの外さらっと終わった印象。前回は短編仕立てで、最後に線とつながるトリックだったが今回はその逆。短編が苦手な私は、それで安心していたせいもある。

    シリーズ一作目を上塗りするように警察、大学病院の予算の窮状が描かれる。司法解剖という欧米化された世界観の中で、さりげなくキャシーが日本文化のwhyを切り刻んでいくところも気づきをくれる。
    その合間、ニュースの裏側みたいなaha!があった。


    ─解剖医だってぜんぜん足りていません。
    ─そうかね。昨日の新聞にも載っていたが、今の日本は医者も弁護士も余剰人員を抱えているそうじゃないか。
    ─両方とも条件のいい組織や場所に集中しているだけです!


    もはや医師不足なのか病院不足なのか看護師不足なのか、現状いったいどうなってんだとモヤモヤしていたけど、なるほど東京に人が集まるのと同じことが起きているんだなと納得した。
    いずれは日本よりも海外に人が集中?するようになるのかな。

  • シリーズ第二弾
    一作目と比べると、解剖時の描写が少しマイルドになったようにも思えます。(慣れただけかな?)

    個人的には主人公の真琴にあまり感情移入できなくて、多分、のめり込めない原因はそれなのかも…
    ただ、光崎先生、キャシーなど、周りを固める人のキャラクターが良いのでとても楽しんではいます。

    古手川刑事と真琴の関係は、この微妙な感じで続きそうですが次作はどうかなぁ?
    その辺りも楽しみに、続きを予約したいと思います。

  • ヒポクラテスシリーズ第2弾。
    「コレクター」と名乗る人物からのネットへの書き込みにより、法医学教室の真琴たちが司法解剖に忙殺される。
    コレクターの狙いは何なのか。
    司法解剖制度にも一石を投じるミステリーとなっているが、著者の代名詞ともいえるどんでん返しは、ちょっと薄味。

  • 一見、事件性がなく、解剖されず
    荼毘にふされる故人の死を
    浦和医大法医学教室と埼玉県県警の古手川中心に
    解決へと導くまでの話
    シリーズ第2弾

    各章の謎解き+埼玉県警のホームページ掲示板に「コレクター」を名乗る書き込みの謎解き
    法医学教室の抱える現状
    が描かれている

    今後の主人公真琴と古手川の不器用な恋愛模様が気になる
    これはシリーズ第3弾も読まなくては!

  • 2作目。サクサクと読み進みます。
    光崎教授の影は薄くなり、真琴と古手川が暴走してます。とは言えその暴走が無ければ犯人の思うまま。小説だけの話であって欲しい。

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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