- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396345945
作品紹介・あらすじ
シリーズ累計60万部突破!
今村翔吾の原点はここにあり。
侍火消の活躍を描く「羽州ぼろ鳶組」最新刊!
あの大火から18年、再び尾張藩邸を火柱が襲う!源吾の前に、炎の中から運命の男が姿を現わす。
大気を打ち震わす轟音が、徳川御三家尾張藩屋敷に響く。駆け付けた新人火消の慎太郎が見たのは、天を焼く火柱。家屋が爆ぜたと聞き、慎太郎は残された者を救わんと紅く舞い踊る炎に飛び込んだ――。新庄藩火消頭松永源吾は、尾張藩を襲った爆発を知り、父を喪った大火を思い出して屈託を抱く。その予感は的中。源吾の前に現われたのは、18年前の悪夢と炎の嵐だった。
感想・レビュー・書評
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上下巻の上巻の感想は読み終わったらすぐ書かないとどこまでが上巻のことだったかわからなくなってしまいますよね
ちょっとした事件でさっきまで書こうとしてたことも抜け落ちちゃったし
あーそうかそれでみんな感想は下巻にまとめてって書いてるんですね
あれまとめてるんじゃなくてどこまでが上巻だか忘れてるのをごまかしてるだけなんですね
きっとそうです(お前だけや)
じゃ「感想は下巻にまとめて」
上巻も最高に面白かった!(下巻にまとめてって書いたのに面白すぎて漏れ出てしまったやつ)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<羽州ぼろ鳶組>シリーズ第10作(前作「黄金雛」はシリーズ0扱いらしい)は初の上下巻。
読み始めると序章は「黄金雛」の続き。『大学火事』の焼跡に入った「に組」頭の卯の助が見つけたのは、松永重内ー松永源吾の父ーの遺体。しかしそこに下手人である元尾張藩火消頭取・伊神甚兵衛の遺体はなかった。
そして十八年後の現在。徳川御三家尾張藩上屋敷で再び火事が起こる。火柱を上げて激しく爆発する家屋。伊神の復讐は終わっていなかったのか。
何らかの瓦斯が関係しているらしき、どうやって起こしているか分からない爆発事件に、源吾ら各頭取たちは若手火消たちを現場に出さないようにと通達する。それは奇しくも十八年前の「黄金雛」の事件と同じ構図だった。
上下巻にするだけあって、内容も色々と盛り込まれている。
この上巻を読んで気になるのは、伊神が本当にまだ生きていて十八年も経ってまた復讐を再開しようとしているのかどうかということ。
そして松永源吾は前作「黄金雛」で父親に対する反抗心、もっと言えば軽蔑するかのような気持ちを持っていたのだが、この事件を機に父の本当の思いや火消としての矜持を知るのか、そして父に対する思いに変化があるのかということ。
この二つがテーマの軸になっていくと思うのだが、もう一つの軸になりそうなのが新人火消の慎太郎と藍助コンビ。身体能力は高いが無鉄砲な慎太郎と身体能力は低いが炎の動きを視る能力に優れている藍助という対照的な二人がこの事件でどんな活躍を見せどう成長していくのか、注目したい。更に藍助と伊神甚兵衛には奇妙な縁もある。もう一度「狐花火」を読みたくなってきた。
そしてもう一人、二人を見守る立ち位置にいる進藤内記。若手は火事場に出てはいけないという通達を破って現場に出向く二人に、「菩薩花」のあの進藤内記は何故行動を共にしようとするのか。
進藤内記側からの「菩薩花」の振り返りが書かれていて、それを読むと内記には彼なりの思いがあってしたことやそれでも誤算や行き違いもあって思わぬ方向に行ってしまったことなどが分かった。
源吾側から見た内記の言動は許されないところばかりだが、内記のおかげで救われた命があることも確か。
人は善悪はっきり分けられるわけではないことが改めて分かる。
卯の助もかつては千羽一家として強盗を働いていた。慎太郎も鳶になる前は生きるためとは言え、人を殺めたこともあった。
主人公の源吾も父の真意を汲み取れず、父を傷つけていただろう。
人は人を傷つけることもある一方で助けることもある。
上巻終盤で再び尾張藩屋敷が襲われる。今度は中屋敷を中心に五箇所も爆発が起こる。
そこに現れたのは…伊神甚兵衛? 彼は下手人なのか? 最後のセリフの意味は?
そしてこの尾張藩爆破事件はまだ続くのか、火消たちはどうやってこの恐ろしい爆破事件を止めるのか。
気になって仕方ないまま下巻に続く。 -
「羽州ぼろ鳶組」の11冊目。シリーズ初の上下巻での登場。
前作の大火の火元、林大学頭の屋敷の検分に、大音謙八に命じられたに組の卯之助が立ち会うところを前振りに、時は戻って、尾張藩上屋敷での不審な火事から話が始まる。
物語もいよいよ佳境に入るのか、序盤はこれまでの登場人物とこれまで起きてきた大火の因縁をおさらいしながらゆるゆると進むが、田沼意次と日名塚要人の会話には驚いた。
7冊目「狐花火」が蘇り、そこでは『なんとなく第一巻から続く話に一区切りついた感じ』と記していたが、とんでもない。10冊目「黄金雛」に描かれていた尾張藩火消の話がそこにつながっていたとは…。
その感想にも『ここまでシリーズを読み続けてきたご褒美といった感じの巻』と書いていたが、そんなサービスではなかった。この作者、どこまで先々を考えて物語を書いているんだ。
上屋敷の火事の不審を探る中、18年前と同じく江戸中の火消が結束し、田沼と日名塚の会話は知る由もない源吾らも、事の次第に気づきだす。
「炎聖」伊神甚兵衛と亡き父への思いが源吾の心を搔き乱す一方、筋に沿って描かれる、秋仁らの気骨、団扇番仙助の傑物振り、若鳶慎太郎の出自、嫌われキャラ内記の孤独な心の内など、それぞれの人物の描かれ方に都度都度心が動かされる。
そして今度は尾張藩中屋敷が爆ぜる。
怪奇な火付け、火消連合、新米鳶の現場への自粛と、前作18年前の大火をなぞるような展開に、燃え続ける屋敷、切り結ぶ新之助と要人、死んだはずの伝説の火消が下手人(?)として再来と、派手な場面が輪をかける。
源吾が聞いた「この火付けは俺が止める」との言葉の真の意味は…?
下巻へ急げ!(★も下巻にて) -
襲大鳳(かさねおおとり)(上) ― 羽州ぼろ鳶組シリーズの11作目
2020.08発行。字の大きさは…小(中ですが、字が薄いので小)。
新庄藩火消頭取・松永源吾たち火消しの活躍の物語です。
此度は、元尾張藩火消頭取・伊神甚兵衛が18年前の大学火事のおりに、源吾の父・松永重内と共に亡くなったと思われていたが、生きて火事場で源吾の前に現れます。
甚兵衛は、「この火付けは俺が止める」と言い残して立ち去るが…。
【読後】
前作の「黄金雛」の続きのように伊神甚兵衛が出て来ます。此度も、甚兵衛が犯人なのか、それとも…。
久々に今村翔吾さんの羽州ぼろ鳶組を楽しむことが出来ました。
源吾たち黄金の世代も、次代の若手に振り回されながら、育てていく様子が微笑ましいです。
2020.10.29読了 -
まずは、序章で度肝を抜かれる!
まさか?! 18年前のことなのに・・・
そこからミステリーが始まる
ここ、そこに散りばめられた著者の企みに読者は振り回され、前の巻を引っ張り出してくることに
7巻「狐花火」一橋治斉の前で平伏していた二人の男の一人、えっこの人が伊神甚兵衛?
伊神甚兵衛が謀略に嵌り、171人の配下を死なせ、力尽きた際の言葉も思い出される
「必ず殺してやる・・・必ず」
あれから、18年、次々に起こる徳川家御三家尾張藩屋敷に起こる火事
轟音と共に天を焼くかのような火柱。火を見ることに天才的な才を発揮する藍助曰く炎が逆だと・・・
この炎の正体は何なのか?
そして、この巻最大の山場は、火消として同じ時代を共に羽ばたくことがなかった二人の鳳。片方の鳳が英雄と呼ばれた頃、一方はまだ雛であった二人の鳳の18年後の対面だ
火付けの犯人とそれを取り押さえようとする火消し
こんな形で対峙しようとは!
しかし、伊神甚兵衛の口から出た言葉にまた度肝を抜かれる
「この火付けは俺が止める」
「過去の因縁は亡霊に任せ、お前たちは今の江戸を守れ
大方、尾張藩屋敷の火付けの犯人は、18年前の恨みを晴らす伊神甚兵衛の仕業と思わせておいて・・・
えっ、違うの?
???がいっぱいで頭の中がぐちゃぐちゃだ
橘屋の消えた帳面に何が書いてあるのかも、謎のままだ
きっと下巻では、いろんな謎が解き明かされることだろう
下巻の出版が待ち遠しい
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黄金雛を読んで、たっぷり思い入れできるあの人がメインといえる話
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序章・大学火事から始まり、焼け跡には遺体が一つ…
復讐に燃える伊神甚兵衛はどこに消えたのか…
尾張藩屋敷を襲う火事、火事場に現れる伊神…
またしても伊神の復讐なのか?
源吾ら仲間が走る!熱い!熱すぎる(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
もう表紙がヤバすぎ!
読まなきゃわからないこの興奮のまま下巻へ突入
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
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ぼろ鳶組のレビュー書こうと思ったらみんみんのアイコンが変わってることにビックリして中身飛んでもうたやないかwぼろ鳶組のレビュー書こうと思ったらみんみんのアイコンが変わってることにビックリして中身飛んでもうたやないかw2022/07/27
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2022/07/27
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江戸の火消したちが18年前の大火の悪夢と対峙する羽州ぼろ鳶組シリーズ第11弾。
主人公の源吾が父の死の謎と向き合うことになる今作、新たな幕開けという感じで一気に読まされてしまいました。
個性豊かな火消しの面々を描く横軸と過去にさかのぼって謎に迫る縦軸が物語に深みを与え、否が応でも盛り上がってくる展開でした。
果たして源吾は父の人生と向き合うことができるのか、江戸の町を無事守ることができるのか、興味は尽きません。
シリーズ初の上下2巻となる今作、下巻がでるのを楽しみに待っています。 -
府下の火消しが集結するから、組や人の名前が踊り、これまでのぼろ鳶で得た知識の大集結だった。
尾張藩で起きた火災のなぞを追う源吾ら。
別行動をとる内記。
甚兵衛の亡霊を追いながら、謎に迫る。
いつもながらおもしろい。