福沢諭吉の「科學のススメ」: 日本で最初の科学入門書「訓蒙窮理図解」を読む
- 祥伝社 (2005年3月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396500856
感想・レビュー・書評
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1時間ほどで読み終えられる。中央部の窮理図解の現代語訳は、見るべきところは少ない。このような古い時代にかくのごとき本が出版されていたという、そしてその背景に西洋的合理主義思想と科学的発想のの関連を見出せればそれでよい。わが国の、筆者の曰く、理科を軽んじる文科系的な発想の嘆きに似た状況への憂いは、私も共感するところがある。しかし行動経済学的な見地によれば人間の判断は、多く非論理的であるそうだ。このような世界では、女性の直感が理論よりもはるかにあてになるやも知れない。科学も量子論の時代に入り、因果律で安心していられる時代ではなくなってきてはいるが、人間心理はさらにその遠くにありそうだ。品川区図書館にある。
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福沢諭吉が子ども向けに書いた「訓蒙窮理図解」。この書が理科の教科書だったら、間違いなくもっと科学が好きな子になっていたでしょう。たとえば本文に「万物熱すれば膨れ冷えれば縮む」とあります。当たり前すぎて考えたこともありませんが、諭吉はこれを、猿蟹合戦の話を例に挿し絵もつけて一生懸命説明してくれるのです。知ってはいたけれどなぜかは考えなかった数々のことを、なぜかと考えていれば、自分の思考法や物の見方はもっと違っていたのではないかと思ってしまいました。
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