ジョン・レノン 最後の3日間 (単行本)

  • 祥伝社
3.20
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本棚登録 : 57
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396617721

作品紹介・あらすじ

主著者のジェイムズ・パタースン氏は、エミー賞を9回のほか、
エドガー賞、米国人文科学勲章 、米国文学界奉仕功労賞を受賞している
米国でも有数のストーリーテラーの名手として知られています。
そのパタースン氏が、ビートルズ結成60周年、解散50周年、
ジョン・レノン射殺から40年の節目であった昨年に、満を持して
上梓したのが本作の原著『 The Last Days of John Lennon』でした。

本書は、ジョンの幼少期から音楽との出会い、最後の瞬間に至るまで、
その驚くべき人生とキャリアの軌跡を追った物語です。               
そしてそのジョンの物語と並行して描かれるのが、
彼の命を奪った「どこにもいない男」(ノーウェア・マン)、
マーク・チャップマンの足取りです。

ポール・マッカートニーを始めとする関係者への独占インタビューを
盛り込みながら、交互に入れ替わる2人の視点を描き出し、
その2つの流れが最後には1つの点として交錯していく、
スリリングな至極のドキュメンタリーとなっています。
ビートルズ来日55周年の今年、改めてビートルズ 、ジョン・レノンを
深く味わえる1冊 です 。

感想・レビュー・書評

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  • ビートルズとかに興味ない自分には、あーそうやったんやーと思うくらいで、他と比べる術もなく。

  • ジョン・レノンの幼少期から暗殺されるまでの軌跡と、彼を殺したマーク・チャップマンがニューヨークを訪れてから12月8日までを描いた章が、交互に描かれる。

    ビートルズの本は結構読んでるし、エピソードもだいたい知ってるしな・・・と思って躊躇するほど値段が高いのだが、チャップマンのことが知りたくて結局買った。

    ビートルズ時代にポールとジョンがあまりにも性格が対称的(めちゃくちゃ具体的に記載されている)なのに共同作業で簡単に曲を作ることにエンジニアが驚いているのが面白かった。

    ジョンとヨーコが映画『Let It Be』を映画館で観た(完成版を観たのはその時が初めてだった)時のエピソードは初めて知った。

    1974年の、二人の仲直りのきっかけについてのエピソードも鳥肌もの。

    その後、ポールがジョンに歩み寄り続けた様子も微笑ましい。ジョンはよそよそしい態度を取っていたようだ。
    それでも「お前ってやつは、ピザとおとぎ話でできているんだな」と嘲けられたポールがその言葉を気に入り、アルバムのタイトルにしようと思ったくらいと言っているのも良い話だ。

    その他、僕が付箋を貼っている箇所は殆どがジョンとポールの関係性に関することなのであった。

    それと、この本では、今まで余り知らなかったミュージシャンとの接点が書かれていて興味深かった。
    ジョンとディビット・ボウイの交遊、ブルース・スプリングスティーンへの言及、ビリー・ジョエルとのニアミスの話なんかは、ちょっと時空のゆがみみたいなものを勝手に感じた。

    チャップマンの章は、読むのが怖かった。
    『ライ麦畑』の影響がそんなに強かったとは。
    あの小説が持つ(持ってしまった)パワーと、その後のサリンジャーの沈黙は関係があることなのかもしれない。

  • ふむ

  • 【ジョンはあるとき、ポールにこう言った。「いいか、自分が崖の上に立っていて、飛び込もうか迷っていると想像してみろ。飛び込め!やってみるんだ!」するとポールはこう答えた。「もちろん、飛び込むさ。きみが先に飛び込んで、そこがどんな様子なのか、大声で僕たちに教えてくれよ。もしそこがいい具合だったら、僕も飛び込むから」】(文中より引用)

    ジョン・レノンの生涯と並行して、マーク・チャップマンが彼の命を奪うまでの3日間を記したノンフィクション。ビートルズのメンバーらの証言を基に、ジョン・レノンの最期の瞬間までもがリアルに再現された一冊です。著者は、エミー賞や国際スリラー作家協会賞を受賞しているジェイムズ・パタースン。訳者は、映像翻訳にも携わる加藤智子。原題は、『The Last Days of John Lennon』。

    ジョン・レノンは40歳で死去するわけですが、ちょうど物質的にも精神的にも落ち着いた生活を迎え始めた時に殺害されたんだなということが本書を読んでよくわかりました。もし暗殺事件が起こらなかったとしたら、円熟味を迎えたジョン・レノンがどういった曲を披露してくれただろうと思いながらの読書体験でした。

    『ザ・ビートルズ Get Back』も興味あります☆5つ

  •  2021年末のDisney+での『Get Back』の配信がなければ読んでなかったかもね。

     そんな年末に手にした本だったが、ひと月近くかけてようやく読了。
     とにかく、欧米人がやりそうな、微に入り細を穿つかのように、数多の証言を時系列に並べ立て、西欧建築のように石や煉瓦を基礎からひとつひとつ積み上げるような構成に、読むスピードもなかなか上がっていかない。こちらも、欠片(かけら)を一個ずつ、丁寧に丁寧に読んでいった。

     ジョン・レノンの40年の生涯を、十代後半から追っていく。
     そして、並行して描かれるのが、ジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンの当日に至るまでの日々。

     ビートルズとしての活動は、『アンソロジー』のDVD集で映像で見ていたシーンを丁寧に、当事者や関係者の証言で補っていってくれていて、よい復習になった。恐らく、熱烈なファンには垂涎の情報も含まれているかもしれないが、どれがレアなネタなのかも良く分からず、情報量に圧倒されながら読み進んだ。
     とはいえ、ビートルズの初訪米のタイミングがJFK暗殺の後だったことや、アメリカの世相の中でのビートルズの立場、ジョン・レノンの立ち位置なんかは、さすが米国人記者の著者、的確・明確に抑えて描いているなという印象はもった。

     一方で、件の『Get Back』の8時間にも及ぶ映像も、本書では37章でだけサラっと扱っているだけで、ちょいと肩透かし(まぁ、40年の生涯の中の1か月と思えば止む無しか)。

     49章で、バンドに終止符を打ち、ソロ活動、ヨーコ・オノとの生活、平和運動、失われた週末、主夫生活が終章に向けて描かれていく。
     そして、5年のブランクを経て、いよいよ復活を果たしたというところで・・・。
     結末を知っているだけに、読み進むのが辛くなる終盤だった。

     マーク・チャップマンの衝動には一切、感情移入も同情も見いだせない。具に当日までのわずかな日々を描くことにすら、何の意味があるのだろうかとも思ってしまう。
     特筆すべきでも、名を挙げて記すべきことでもないような気もする。永遠にNowhere manでいいのだ。

     しかし、こうした記録本は、好きなバンド、アーティストでやってみたいものだとつくづく思う。

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