勝敗の構造 第二次大戦を決した用兵思想の激突

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396618131

感想・レビュー・書評

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  • WWIIの各戦役について、俗説を訂正しつつ、勝敗を決したのが戦略/作戦/戦術のどの次元の要素なのか?に注目して分析している。「上位次元でのミスを下位次元の成功で覆すことはできない。下位次元の成功が上位次元に影響したときは、そのような戦略環境があっただけ」という、妥当だが見逃されがちなことを要旨として繰り返し述べている。

  • WW2の有名な戦いを最新の研究結果を踏まえて再構築。
    戦争映画レベルの知識しかない身にはとても興味深い。

    英国本土上陸の机上演習
    真珠湾攻撃がなくても米国は開戦に至った
    クルスク戦車戦はソ連がボロカスにされていた

  • 小説NONに掲載されていたコラムと書き下ろし一編を追記したモノを再構成し収録した書籍(2024/02/10発行、2200E)。

    ここ最近に出た大木の本の中では一番良い(程々の)出来ですが、大したボリュームも無いので新書もしくは文庫での出版が適当と思われる内容で、コストパフォーマンスも悪く感じました。 もし本書が気になる、或いは興味があるようでしたら、購入などせず図書館でレンタルして読まれるのがオススメです。

    因みにボリュームが大したこと無い割りには、疑問を感じたり誤記している箇所(※)が結構、目につくので、昨今、現代史家を自称している著者の本の割には、今一つと云ったところ...

    ※p.42の「二個空挺師団」は「一個航空挺身師団(航空師団)、一個空輸師団」もしくは「一個航空挺身師団(航空師団)」の誤り、p.45,51,85,97の「第七空挺師団」は「第七航空挺身師団」もしくは「第7航空師団」では?、p.45,55の「ガラント」は「ガランド」の誤り、p.60の「リビア総督」は「リビア属州総督」では?、p.78の「友軍の誤射によるものであったとする説...」に付いては昨今(?)の研究では伊巡洋艦サン・ジョルジョとトブルク飛行場からの対空砲火にさらされ撃墜されたとされており撃墜原因は友軍誤認説・ムッソリーニによる暗殺説があり真相不明とされている、p.138の「日本側からも、なぜ第二撃を加えて戦果を拡張しなかったのか」は戦後アメリカでの批判を知り日本でも指摘される様になった批判であり当時は軍からも政府からもその様な批判は無かったのでは?、p.146の「一九四二年八月...エルヴィン・ロンメル将軍」は「一九四二年八月...エルヴィン・ロンメル元帥」の誤り、p.146の「ニール・リッチー中将」は「ニール・リッチー中将代理」の誤り【イギリスの公報(The London
    Gazette)では中将昇進は1944年となっている】、p.161の「装甲車連隊」は「戦車連隊」の誤り、p.163の「ラムケ空挺旅団」は「ラムケ降下猟兵旅団」の誤り、p.175の「はくようけんつき...」は「かしわばけんつき...」の誤り、p.217の「左からハンス・クレープス、ヴァルター・モーデル、ゲルト・フォン・ルントシュテット」は「左からヴァルター・モーデル、ゲルト・フォン・ルントシュテット、ハンス・クレープス」の誤り、p.220,226,232の「ザンクト・フィート」に付いては著者の云うドイツ語の発音に拘るのであれば「ザントゥ・フィツ」の方が発音が近いのでは?等々、この他にも疑問・誤記していると思われるモノ有り。

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著者プロフィール

現代史家。1961年東京生まれ。立教大学大学院博士後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生としてボン大学に留学。千葉大学その他の非常勤講師、防衛省防衛研究所講師、国立昭和館運営専門委員等を経て、著述業。『独ソ戦』(岩波新書)で新書大賞2020大賞を受賞。主な著書に『「砂漠の狐」ロンメル』『戦車将軍グデーリアン』『「太平洋の巨鷲」山本五十六』『日独伊三国同盟』(角川新書)、『ドイツ軍攻防史』(作品社)、訳書に『「砂漠の狐」回想録』『マンシュタイン元帥自伝』(以上、作品社)など多数。

「2023年 『歴史・戦史・現代史 実証主義に依拠して』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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