十日えびす 花嵐浮世困話

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 132
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632762

感想・レビュー・書評

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  • 小間物屋の八重は45歳で、昔の相思相愛だった三右衛門の後添えになった。
    三右衛門は、親の反対で、八重と結婚せずにおとせと所帯を持ち三男三女の父親になっていた。
    おとせが亡くなり、子供も成長して、2人は、夫婦になったのだが、三右衛門が急死していまった。
    さてさて、、、、子供たちの反応は、、、、
    亡くなってからの仕打ちは、家を追い出される羽目に、、、だけど、義理の娘おみちは、慕ってくれて、日本橋堀江町に引っ越しをするのである。
    しかし、親戚付き合いのいざこざも大変だが、引っ越した先が、またまたはた迷惑な猛女の布団叩きのお熊が、頭を悩ます事になる。
    そして、胸を患っているお熊の息子とおみちが、又仲が、良くなって、八重は、心配事っが、尽きない。

    親戚付き合いも、ご近所付き合いも、、、訳あっての事なんだけど、、、、作者宇江佐真理氏にかかると、長屋の庶民の悩みが、上手に描けていて、なぜかほっこりさせられる。
    同じおみちという女にも心配るお八重の優しさにも、気持ちが暖かくなる。

  • 2016.11.19
    家を先妻の子にのっとられたり、猛女の布団たたきや乱暴な言動、無心する長男夫婦等、
    ままならぬ世の中で時にみかんやうなぎを奮発して、すんなりやり過ごす八重。
    暖かい気持ちになってしまう物語でした。

  • この著者の本はいつも情緒があります。八重と義理の娘おみち、そして近所の嫌われ女のお熊と病弱の息子・鶴太郎。八重とおみちの周りのお熊を始め、おみちの兄姉たちが、みんな二人の暖かさに触れて、心温まる人間関係に変わっていくことは何ともいえない癒しでした。そして八重自身が別に完璧な人柄でなく、弱さを見せているところが更に良いのだと思います。

  • 2013.4.6

    お江戸も現代も変わらないなぁ
    現代でもある話


    生きてるのは同じ人間だから同じようなことで悩んで泣いて笑ったりしてるんでしょうね。

    歴史と言っても小さい小さい単位でみると日々の暮らしの積み重ね、なのだな〜と。


    後味はすっきりです。

  • こちらの作家さんは好きなのだけれど
    この作品は読後(最中も)すっきりしなかった。
    こういう人、今でもいるよね。
    人間関係とかこんな事、今でもあるよね。
    と思わせ、人にはそれぞれ行動に走らせる、それなりの理由がある…と
    匂わせるところまではいいのだけれど、特に一番強烈な登場人物
    お熊という人は強烈な割に内面描写はほどんどなく、最後の最後で
    やっぱりその程度の人だったのね、と感じてしまうオチだった。
    それぞれの人物描写が浅いまま終わった印象。
    愉快な話ではないし、捕り物系とも無関係。
    自分としては人情モノとも思えなかった…ごめんなさい。
    今現在ストレスや悩みごとを抱えてる人にはお勧めできない。
    苦労話を好きな人は大丈夫かも。

  • 引っ越し!引っ越し!さっさと引っ越し!と布団叩いてたおばさん思い出す
    熊子がすごい

  • 11/1/09図書館

  • 結末は救われない物語なのですが、宇江佐せんせいの描く
    長屋の生活は、本当に味噌汁のかおりが漂うような生活観が
    あって、日常がしっかりと・・・この作品では、はなつまみ
    もののお熊さんが、パンパンと布団をたたく音が作品のBGM

    家族って何?そんなことが考えさせられる一冊です
    (テレビでアタシんちの男子ってやってますが、血のつながらない家族のあり方がテーマです・・・コメディですが)

  • いつもながら、つんと涙腺を刺激される江戸人情話です。

    あの「引越しおばさん」みたいな人が出てきますが、みんなそれぞれ事情があって今があるというえがき方で、あの引越しおばさんも何かあったんだろうなぁ、とふと思いました。

  • 如月から翌睦月十日えびすまでの春秋を裏店で小間物屋を開く母娘を中心に、九尺二軒の棟割り長屋の様子を、副題「花嵐浮世困話」のように困ったぶりを描く。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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