- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396634292
作品紹介・あらすじ
「母親として主婦として頑張ってきたけど、私の人生このまま終わりに向かうの……?」
教育費を捻出するため夫の両親と同居するお受験ママの淳子。
娘には一生続けられる仕事に就いて欲しいと願う専業主婦の明美。
親の猛反対を押し切り結婚したことを後悔するお嬢様育ちの紫。
就職、結婚、出産、子育て、嫁姑、実家との確執、職場復帰……
故郷を離れた18歳から40年、3人は悩みを語り合ってきた。 時には口に出せない痛みを抱えながら――
注目作家が、「親離れ・子離れ」を等身大で描く書下ろし長編小説。
感想・レビュー・書評
-
まさに中学生、高校生の子どもたちがいる私と同じような境遇でした。高校受験もないからと中学受験をさせたし将来は、何か資格を取った方がいいんじゃないかと自分ばかりが子どもたちの進路に焦っているけど、最終的には、自分が好きなことを見つけてやっていくのが1番幸せなのかもなぁと少し気持ちがラクになった気がします。
私は、まだまだ子育ては卒業出来ないけど近い将来、淳子や明子、紫たちのように昔からの友達やママ友と笑って話せたらいいなぁと思いました。
3人の心の声に何回も笑ってしまいました。おもしろかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
少し極端な展開のような気がしますが、3人それぞれの幸せのあり方が見えました。それにしても周りの考え方の古さや振る舞いには呆れてしまいます。
-
1978年、春、大学に入学。
2014年、春、子育て卒業。
3人の女性が大学生から50代後半になるまでの人生。
子育てのことだけではなく、社会での女性の生き方も
含まれた話だったよー。
私とは年代が違うから、ここまで3人の女性に
感情移入できなかったけど、子供の将来ことを考えて
生活しているのは、なんかグッときた!!
子育てに正解はないからこそ、悩むんだよねー。
そして、私もいつかは子育て卒業しようと思う!!
今は「抱っこ、抱っこ」の日々だけど、
子供を送り出すことのできる親になりたい。
そう思えた作品でしたー。 -
垣谷さんの作品は見つけると読みたくなる作者さんですが今回はタイトルと内容はあまりリンクしてないかなと個人的には感じました。
最終的には各々が大人になり手が離れたからもういいよね、という感じなのですが子育ての終わりとは、意外にもっと早くて親はいつまでも親でいたいがために子供をより良い未来へ導きたいがために子育てを続けようとしているのかもなと思いました。
自分がした苦労は我が子にはさせたくない。子供は好きに生きてみたい。そのズレが軋轢を生むんだなと読んでいて感じた。
よかれと想い身を砕き心を砕いても子供は己の道を突き進んでいく。その残念さは読んでいてわかる気がした。余計なお世話だよ!と子供が言うのもわかる。頼みもしない自己犠牲を払って意を汲めといわれても勝手にそうしたんだろうと腹も立つ。
でも勝手にやってるだけじゃん、と言われて片付けられたら親になった今はやっぱりそれは哀しいなと思う。それを子供たちが最後は親も親になろうして頑張ってくれていたことをぼんやりとわかってくれたことは救いな気がした。 -
うんうんっと頷きながら読んでしまいました(笑)
私も共感できる部分も多かったし、そうだよね〜なんて納得することも。
子育て中や子育て終了した方も、結構楽しく読めると思います。 -
3人の女性の進学、就職、結婚、子育てを
それぞれ描いている
垣内さんの話は相変わらず読みやすく
すぐ読めてしまうが
読み進めている間
独特の焦燥感というか、嫌悪感を抱きますね
それは時代に対してだったり、
世の中に対してだったり。
本にもあるように
ホントに今の子育ては難しい
時代が変わるのが早くて
自分のことを教えてあげられない
でも前を見て進むしかないですね
もう一息スッキリ感が欲しかったので
星は3つです
-
もうすっかり忘れてしまっていたけれど、
確かにそうだった・・・
少し前までは、女子の就職に有利なのは短大卒で
四大卒・下宿・浪人の女子学生は求人票の時点で不可だった。
就職したって女性の仕事は男性の補助やお茶汲みで
結婚をしたら専業主婦になるのが当たり前で
子育てだって家事だって夫は何一つ関知せず。。。
そんな時代を生きてきたお母さんたちは、
娘や息子に自分のような苦労をさせまいと
必死に子育てするのだけれど
”少し前”だと思っていた世の中の常識は
”ものすごく昔”の常識になっていて
今を生きる子どもたちには何一つ響きはしないのだ。
でもこれって今の時代に限ったことではないのかもしれない。
いつだって世の中の景色はものすごいスピードで変化していて
親が語るうまく生きていくためのアドバイスなんて
こどもにとっては役に立たないのだろう。
親が子どもに伝えてあげられるのは
どんなに世の中が変わっても、変わることがない
子どもへの愛情や、思いやりや、物事の善悪だけなのかもしれないね。 -
1978年から4年間、共学の4年制大学を共に過ごした3人の女性の、結婚と子育て、実家や嫁ぎ先の家の人たちとの関係。
相変わらずリアルで、ぐいぐい読んでしまう。
介護問題ほど悲壮感はないな、自分が通り過ぎた道だからかな、などと思って読み始めたが、子どもが生まれ育つにつれ、どんどん自分に近づいてきて焦る。
彼女たちはまだ50代だが、いろいろありつつもいい人生だったのではないか。
いっしょに「卒業式」を出来る友人がいるというのはうらやましいことだ。
大島真寿美の「三月」も、学生時代を(こちらは短大)共に過ごした三人の女性の話。
比べてみるのも面白い。 -
子育て世代の就職事情とはかなりズレていて、違和感はあり。安い小説でしかない設定だと思っていたお茶汲みOLとか、嫁候補なんて感覚がほんとにあったのかと疑ってしまうくらい。
ただ、全体を通して子育ての難しさ、
正解のなさを垣間見た気がする。
親が全てではないが経済環境は大きく左右する
子供に見返りを求めるな
夢を託すな
自分にとっての良い子が良い人間ではない
正解も勝ちも負けもない
うまくできるだろうか
うまくってなんだろうか