天を灼く

  • 祥伝社
3.50
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本棚登録 : 208
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635077

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりにあさのあつこさんの時代小説です。
    序盤のイメージはあさのさんが敬愛する藤沢周平の『蝉しぐれ』。三人の武家の少年の成長物語を思わせるとともに、主人公の少年の父は藩内の政争に巻き込まれ切腹します。ところが、柘植という正体不明の青年武士が表に出てくるあたりから『蝉しぐれ』から外れて行きます。
    切腹した主人公の父親の生き方やその存念に納得できないところも有りますが、良く出来た時代小説だと思います。あさのさんの文体はもう少し鋭く靭かったと記憶しているのですが、やや抑えが効いていていい感じです。
    途中からサスペンス感にあふれ、グイグイと引っ張られました。盛り上がったところで上手く終わらせられたので、この天地人の三部作、さっそく次も読んでみることにします。

  • 2023.0614

  • 父親の潔白を証明するために前へ進む主人公とその家族、友人たち、少しずつ分かる真実と友との決別。
    児童文学を多く手掛けてきた著者だけに、重い内容の中にも若く熱い心が描かれている。
    最後はあまりはっきりした終わり方ではなかったが、政治の世界は潔癖な人はいないのは今も昔も変わらないんだろう。
    主人公の今後の生き方が気になる。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    元服を目前に控えた伊吹藤士郎は、天羽販上士の嫡男として何不自由ない生活を送っていた。だが突然、父の斗十郎が、豪商と癒着した咎で捕縛されてしまう。無実を信じながら母や姉と共に不安な日々を過ごす中、ついに斗十郎に切腹の沙汰が。一目会うべく牢屋敷に忍び込んだ藤士郎に、斗十郎は介錯を命じるが…。ひたむきな生を描く青春時代小説シリーズ、第一弾!

  • 藩政の腐敗、双子の登場、江戸への旅立ち。
    「燦」の二番煎じのような気がしますが、今後は変わって来るのでしょうか。
    登場人物の心情の描写は面白いので、今後のストーリー展開に期待します。

  • ストーリーを要約したり、ピソードを一つひとつ振り返ると決して奇想天外な内容ではない。むしろ想定内。
    だからこそ、文章の端々からあさのあつこのユニークさが
    発揮されていた。

    ラスト、客観的に考えと主人公の今後は決して楽観視できないが、それでも明るさを感じた。

  • 天羽藩大組組頭伊吹斗十郎は、豪商から賄賂を受け取ったとの罪で切腹を申し渡される。斗十郎の息子藤士郎は、父の捕らえられた牢屋敷に呼び出され、父の切腹の介錯をすることになる。姉の美鶴とともに父の身の潔白を探る藤士郎。
    姉の美鶴、母の茂登子、藤士郎の親友慶吾、五馬、謎の若者柘植左京などの脇役が、活き活きと描かれ、いい味を出している。

  • あさのあつこさんの「天を灼く」、2016.10発行です。政の腐敗を正すために捨て石となった父、冤罪で切腹となった父の介錯をした息子伊吹藤士郎とその母、姉、友の生き様を描いた物語。ストーリーは、重いです。でも、読み応えがありました! 武士と商人、武士と農民、・・・、政治とは民の暮らしが楽になるようにするもの。飢えずに済むこと、夜、明かりを灯せること、そんな暮らしができるように。前編振り返り、父を介錯し疲れ切った藤士郎を優しく包む百姓の妻のシーンが(この作品の主題ではないと思いますが)最も印象に残りました。

  • これはまだまだ序章でこれから続くのかな?
    と言うか続かないと完全燃焼すぎて堪らないわ!
    あさのさん十八番の少年同士の友情と裏切り…
    読んでいて一緒に心乱される。
    若いからこその心の動きが堪らない。

  • ★3.5
    暗い。けど面白かった。さっすが!

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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