定年オヤジ改造計画

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635398

感想・レビュー・書評

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  • 俗にいう「定年小説」。なんだか、最後まで救われない気持ちでした。(リアルすぎてか、理想論過ぎてか)
    この状態だと、女性は子供を産めない。男性は子供を育てられない。夫婦で共倒れも在りうるかもって、感じるのは私だけでしょうか。一人ひとりが、受験、進学、就活、婚活、妊活、保活、、、とてもキリがない。そのうえ、「聡明な女性は産休も育休もとらなかったよ」と言われては、立つ瀬が誰にもない。男性にしても、子育てをすれば、「は突発的な残業や出張を断って、子供の風邪で早退や休みが多くなって、結局居づらくなって会社を辞めていったよ」となりうる。
    この社会を変えるしか、救いがないと、感じる。
    印象的なフレーズは:
    ★父さんはね、古いんじゃなくて間違ってるんだよ。神話の中に生きてるんだってば。
    ★婚活の後はすぐに妊活、妊娠したら保活。そりゃもう大変らしいよ。息つく暇もないんだよ。いつまでたっても将来が心配なわけよ。…。羨ましいなんて全然思わない。
    ★子供を産まない女は半人前だと言っているのも同じじゃないの
    ★あなたには専属の家政婦がいるけど、私にはいないんですもの
    ★言わなかった母さんが悪いってこと?いつも母さんが悪者だね
    ★だから聡明な女性は産休も育休もとらなかったよ
    ★イザというときなんて今まで一度もなかった。…。「イザ」は免罪符だったのか。
    ★退職後に手にした膨大な自由時間を、いったいどうやって使ったらいいのかわからないんだよ。『いちばん自由な今が最もしんどい』
    ★家にいられないんだ。俺が毎日家にいることに、カミサンが耐えられないって言うんだよ。
    ★俺たちの同期の中で奥さんが働いていた家庭は、…、小学校の先生と薬剤師と看護婦だった
    ★同期に子供を引き取ったのがいたけど、…、アイツは突発的な残業や出張を断って、子供の風邪で早退や休みが多くなって、結局居づらくなって会社を辞めていったよ
    ★子育てを辛く思うことがありますか:9割。子供が可愛く思えないことがありますか:8割。
    ★赤ん坊の泣き声は何ヘルツなのだろう。ちょうど大人の新家を逆撫でする周波数だとしか思えない
    ★子供は物言わぬ人質みたいなものですから
    ★いったん仕事を辞めた女が調査みたいなインテリ仕事に就けるわけないだろ
    ★そもそも母ちゃんは子供が大嫌いだったでねえの。…、たまげたのは、親父の遺品を根こそぎ捨てたことだよ
    ★年寄りと赤ん坊の世話を女にさせてりゃ、福祉に回す金を削れるからさ
    ★そんな端金を稼ぐくれえなら家のことちゃんとすろって叱られた
    ★話の途中で女が急に黙ったとしたら、それは納得したからじゃなくて諦めたんだって
    ★「嫁」にも個性があり、自分と同様に社会で働き承認されたい一人の社会人なのだと
    ★女ハ会社ヲ辞メタラダメネ。日本ノ大企業は、二度ト雇ッテクレナイ

  • 図書館で借りて。いつもの如く割と都合よくハッピーエンド。まあまあ楽しんで読めた。
    私が麻衣さんならこんな何もできなさそうな舅に子供2人の面倒頼むの怖くて絶対嫌だけど!まあ、それ以外選択肢が無くて藁にも縋るという設定なんでしょうね。

  • 主人公にくっそ苛々してたけど、だんだん改心?していく流れが痛快だった!
    仕事だけ人間にならないようにしようと思った。。。笑

  • 元夫に読んで欲しかった!

  • 十志子さんすてきすぎる。
    こんな風に歳とりたいなあ。

    周りが保育園探し真っ只中のときに読んだので
    保育園の考え方のところとか
    すごくリアルで考えさせられた。

    「ギューギュー、ボブ」
    スポンジボブのぬいぐるみを
    ギューってしてる小さい子を想像した。
    かわいい。

  • 今後の長い人生を考える上で、また男女のジェンダー格差を考える上でとても為になる1冊だった。

    ただ、「為になる」けれど、読んでいて楽しいかというとビミョーではある。
    定年オヤジの偏見の押し売りによる読者への圧が強いし、定年オヤジの周りの妻や娘もすぐに諦めて見下してる感じが読んでて不快だった。

    この本はちょうど男性の育児参加過渡期にある現時点での日本にちょうどぴったりか、もしくはすでに旬を過ぎつつある題材なのかなと思う。老若男女問わずいろんな人に読んでほしいなと感じた。

  • 耳が痛い話でした。今後改めます。

  • 主人公が義父にそっくりで、半分くらいまではイライラしながら読み進めたけど、後半からはそれもなくなり、最後は心が温まった。
    客観的に自分を見つめられる主人公はすごい。
    自分で気づくしかないもんなぁ

  • 結婚して3年目。夫婦共働きで、今年出産し育休を取っている私は専業主婦と兼業主婦両方の視点から読むことができた。(今の時代、兼業主婦、って言葉も古いのかもしれないね)

    話に出てくる“ジイジ”はわたしの父、母世代。わたしは核家族であったし祖父、祖母世代ほど男尊女卑的な、「長男は親の面倒を見るもの」「嫁は夫を立てる」みたいなのはないにしろ、やっぱり「子どもにとって母親は愛の象徴」であったり、旦那が子育てをする姿を見て意外そうにしたり、「俺はオムツを替えたことは一度もない」と父は言う。

    最初はこの主人公の発言や行動にとしこやゆりえと同じようにイライラした。正直自分の父が重なったりもして、少し嫌気がした。世代ごとのそういう価値観の違いって、夫婦や親子をばらばらしてしまいかねない。批判や否定せず「こういう時代なんだ」と受け止めてくれるとそれだけでまだ救われるんだよね。それと同時に現代に生きる若者である私たちは、諦観せずに日々訴えて、行動に移していかないといけないかな、とか思ったり。

    まだ20代だけど老後の夫婦の在り方とか生活とかについつい思いを巡らせてしまういい本だった!

  • +++
    女たちのリアルな叫びに共感必至、旦那にも読ませたい本No.1!?

    女は生まれつき母性を持っている? 家事育児は女の仕事? 女は家を守るべき……?
    “都合のいい常識"に毒された男たちに、最後通告!

    大手石油会社を定年退職した庄司常雄。
    夢にまで見た定年生活のはずが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。
    気が付けば、暇と孤独だけが友達に。
    そんなある日、息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれて……。
    定年化石男、離婚回避&家族再生を目指して人生最後のリベンジマッチに挑む!
    +++

    この年代の男性にこれを読ませて、自らを省みる人であるなら、見どころがあると言えるのかもしれない。多くの男たちは、それのどこが悪い、と開き直るのではないだろうか。だとしたらもう、やってられないわ、と女たちに見限られても何も言えないだろう。常雄の元同僚の荒木がまさにそんな男の代表として描かれていて、哀れにすら思えてくる。長い年月の刷り込みというのはほんとうに恐ろしいものだと痛感させられる。そして、共働きが当然のこととされるにもかかわらず、女性の置かれる状況が何ら改善されていない現代において、男性が家事や育児を「手伝う」というのがそもそもの間違いなのだろう。自ら率先して関わってもらわなくては、一家は立ち行かなくなるのである。多分に啓蒙的ではあるが、お説教めいていなくて愉しく読める一冊だった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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