北方領土秘録 外交という名の戦場

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635589

作品紹介・あらすじ

北の核・ミサイル実験が続き、米国大統領選挙が行なわれた2016年12月、首相の地元・山口長門での日露首脳会談で返還交渉は解決するはずだった。それが一転、突如暗礁に乗り上げた――
今、「国防」とは?
元幹部自衛官の著者が、インテリジェンスというもう一つの〝戦闘〟を描く!

「北方領土におけるロシアの完全な主権を“戦勝国”が認めるだろう」
    ――ロシア大統領ウラジミール・プーチン(2016年11月20日 リマでの首脳会談に於いて)
2016年12月、北方領土問題は解決すると予想されていた。日露首脳会談の地を、首相の地元・山口県長門市としたのが、“解決”を歴史に刻む用意であったことは想像にかたくない。しかし、先立つこと一カ月、ペルーの首都リマでの首脳会談を経て、首相、政府関係者の発言は急激にトーンダウンする。そして長門では、経済協力を宣言したものの、領土交渉に関してはなんら進展なしという結果に終わった。これは、専門家でさえ首をかしげる不可解な経過だった。本作は、当時、水面下で何が起こっていたのかについて、一外交書記官の目を通し、ワールドワイドな〈インテリジェンス〉という、もう一つの“戦闘”に肉迫せんと試みた小説である。     著者

感想・レビュー・書評

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  • 2020年8月16日読了。

    ノンフィクションのようなフィクション小説。
    外務省ロシア課の芦沢は故郷の根室で幼なじみでガールフレンドだった女性をロシアの漁船拿捕がきっかけで失ってしまう。
    芦沢はそれから、外務省に入省し北方領土返還に向け尽力する。
    しかし、出過ぎた意見具申をしウクライナ大使館に転勤させられてしまう。
    時は2016年、アメリカ大統領選挙もあり12月にはプーチン大統領の訪日も決まっており、ここで北方領土返還に向けウクライナを巻き込んだ作戦を練り、実行する。

    新聞の書評で紹介されており、読んだ。
    著者は元自衛官、自衛隊が活躍するストーリーではないが、軽めのタッチで読み進められる。

  • 外交論かと思ったら、外交に材を採った小説だった。

    うまく行きすぎに感じる部分もあるが、複数の国の思惑が絡み合って進んでいく外交交渉の一端を疑似体験している気分を味わえる。

  • 「北方領土におけるロシアの完全な主権を“戦勝国"が認めるだろう」
    ――ロシア大統領ウラジミール・プーチン(2016年11月20日 リマでの首脳会談に於いて)
    この発言をめぐる真意は?
    北方領土問題解決のために、ロシアに圧力をかけることはできるのか。
    インテリジェンス、謀略、詐称、さまざまな情報が交差します。
    幾重にも張り巡らされたストーリーが、収束を迎えるとき・・・。
    面白かった。
    楽しめました。

  • 内容紹介

    北の核・ミサイル実験が続き、米国大統領選挙が行なわれた2016年12月、首相の地元・山口長門での日露首脳会談で返還交渉は解決するはずだった。それが一転、突如暗礁に乗り上げた――
    今、「国防」とは?
    元幹部自衛官の著者が、インテリジェンスというもう一つの〝戦闘〟を描く!

    「北方領土におけるロシアの完全な主権を“戦勝国"が認めるだろう」
    ――ロシア大統領ウラジミール・プーチン(2016年11月20日 リマでの首脳会談に於いて)
    2016年12月、北方領土問題は解決すると予想されていた。日露首脳会談の地を、首相の地元・山口県長門市としたの、“解決"を歴史に刻む用意であったことは想像にかたくない。しかし、先立つこと一カ月、ペルーの首都リマでの首脳会談を経て、首相、政府関係者の発言は急激にトーンダウンする。そして長門では、経済協力を宣言したものの、領土交渉に関してはなんら進展なしという結果に終わった。これは、専門家でさえ首をかしげる不可解な経過だった。本作は、当時、水面下で何が起こっていたのかについて、一外交書記官の目を通し、ワールドワイドな〈インテリジェンス〉という、もう一つの“戦闘"に肉迫せんと試みた小説である。

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著者プロフィール

小説家、軍事評論家。元幹部自衛官。著書に『黎明の笛』『深淵の覇者 新鋭潜水艦こくりゅう「尖閣」出撃』『半島へ 陸自山岳連隊』『北方領土秘録 外交という名の戦場』などがある。

「2022年 『ようこそ、自衛隊地方協力本部へ 航空自衛隊篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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