ランチ酒 おかわり日和

著者 :
  • 祥伝社
3.78
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感想 : 180
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635664

感想・レビュー・書評

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  •  「ランチ酒」の第二弾、「おかわり」です♪前作を読んでいたなら「おかわり」したくなりますよね!主人公はアラサーバツイチ子供はいるけれど、前夫が引き取っているので一人暮らしの犬森祥子さんです。友人の亀山太一さんの「中野お助け本舗」の「見守りサービス」を補助しています。依頼者からの仕事を終えてからの「ランチ酒」を楽しみにしている女性です。

     この作品でも第一酒から第十酒まで、美味しい描写がいっぱいです♪ある意味、というか、絶対的に羨ましいっ!!そして、原田ひ香さんってホント、美味しい描写が上手いんですよね!とっても読みやすいです。

     でストーリーの方は、祥子さんにも動きがあるし…というか、まさか、まさかのモテ期到来なのかなっ♪祥子さんと角野さんがどうなるか…気になります。

  • 『ランチ酒』第2作。前作に比べ、主人公の祥子も見守り屋の仕事が板について来たように感じた。年齢も性別も境遇もさまざまなクライアントさんとの関係の築き方が上手で、明らかに腹立たしい相手もいたが、どんな人相手でも上手くあしらえるのがすごい。相変わらずどのご飯屋さんの料理も、非常に美味しそうに魅力的に描かれている。改めて美味しいものというのは、悩みや心配事を乗り越えるための新たな活力になるのだなと実感。続きがとても気になる終わり方で、これは第3作目も読まなきゃという気にさせられた。

  • バツイチ・アラサーの”見守り屋”犬森祥子の『ランチ酒』続編。
    「まっすぐ帰ってもいいんだが、こういう日は一杯飲んで帰りたいよね」
    仕事帰りにこう思う気持ちはとてもよく分かる。
    たとえそれが昼日中であったとしても。

    深夜から朝にかけて依頼主の要望に応じて寝ずの番をする”見守り屋”の祥子がひと仕事終えた後、ランチを選ぶ基準はズバリ、酒に合うか合わないか、のみ。
    とはいえ、ランチタイムに選ぶメニューだけあって選択肢は焼き鳥丼、グラタン、ハンバーグ…と酒の肴とは言い難いこってり系。
    ご飯とお酒の組合せにもちょっと驚きだ。
    前回同様、祥子の最大の魅力は実に美味しそうに飲み食いすること。
    食レポが上手すぎて読んでいてお腹が何度も鳴った。

    もちろん食レポばかりが上手い訳ではない。
    さっぱりしていて押し付けがましくなく、聞き上手な祥子は”見守り屋”に向いている。
    だから静まり返った寂しい真夜中でも、たとえそれが初対面の相手であったとしても共に一晩過ごすことができるのかも。
    深夜に見守らなければならないお客はみな少々ワケありな人達ばかり。
    下はクールで大人びた女子中学生から上は病院通いのお婆ちゃんと幅広い。
    祥子が見守ったからといって、人知れず抱える問題がすぐに解決はしないのだけれど、側でそっと見守り寄り添って、話に耳を傾けてくれる安心感は、寂しい夜でもほんのり温めてくれる。
    まるで暗闇の中に灯したランタンのように。

    物語のラストがとても気になる終わり方。
    祥子がこの後どうなったのか、この続きが知りたい。

  • なくなるものや失うものはあっても、時にそれらは復活すること。
    今、自分にできる精一杯のことをすれば、何か見えてくるような気がした。
    だから、今日はただ、唐揚げをハイボールで飲み込むことにした。

    前作よりも深い作品。

  • ただの短編で繋がりはないのかと思ったら、そうではなくて少しずつ少しずつ繋がって、主人公も少しずつ少しずつ未来に向かって歩き出す、そんなお話でした。
    それにしても食べて呑んでる描写が非常に良いのよね。
    とても美味しそうに食べる。

  • 前にも書いたが、ランチにお酒、いいなあー。
    他の人が仕事をしてる時間に飲むお酒はものすごい優越感かも。
    話は変わるが、この本を一節にいつまでも出会いさえあれば恋愛できるって、でもそうじゃない。そういう時期は人生のほんのわずかな時間でしかない。独身とか既婚とか関係なくね
    って。
    日本全国の若人のみなさん、私もそう思います。
    結婚してるとか関係ないのよ。いつの間にか人には恋できなくなる。
    感性が枯れるのかしら。
    恋せよ、乙女、うまいこと言ってる。
    ということで、ひたむきに生きてる祥子さんには、この恋を掴み、幸せになってほしい

  • ランチ酒シリーズ第2弾。

    今回も凄く伝わってくる。
    とにかく目に浮かぶほどに料理の美味しさが、ガンガンに伝わってくる。
    毎回だが、そこへ行きたくなる。

    また、お馴染みとなった見守りに行く人との関わり方も惹きつけられる。

    彼女の周辺もちょっと変化してるなぁと感じる。

  • 『ランチ酒』シリーズ第2巻。前作はさらりと人間関係を描写していましたが、本作はもう少し深く掘り下げたように感じました❗読む人それぞれの好みもあるかと思いますが、祥子の友達の幸江が登場しないこともあって、前作の作風の方が個人的には好きです♫

    好きな話しは、『第二酒 秋葉原 角煮丼』、『第三酒 日暮里 スパゲッティーグラタン』『第五酒 池袋・築地 寿司、焼き小籠包、水炊きそば、ミルクセーキ』の三編です❗次回作も楽しみです❗

  • 「ランチ酒」の続編
    やたら食べ、飲む描写ばかりが多くて、ちょっとなと思っていた前編と違って、俄然面白くなっていた

    そのわけははっきりしている
    見守り屋としてかかわった人との関係が見守りだけにとどまらず、いろいろ広がったからだ

    言い方をかえれば、お節介、その人の生活に首を突っ込むようになったからだ
    社長の亀山の言い方で言えば、
    「それは見守り屋の仕事ではない!」
    と言うことになる

    いろんな孤独を抱えた訳ありの依頼人
    その人たちの孤独を「寂しいんでしょ」の一言で片付けるのは、「暇なんでしょ」「バカなんでしょ」とかの言葉と同様、その先の言葉をすべて封じてしまう。何も生まない

    寂しいのは当たり前で、その中で何かを求めている彼らに、自分ができることはないのかと、一歩近づいていった祥子

    余命幾ばくもないグルメ作家先生
    施設に入った元子さん
    SNSでのいじめに苦しむ小松実咲・・・
    編集長の小山内からの静かで誠実なプロポーズ
    政治家秘書の角谷との気になる関係

    いろんな人々との関わりが祥子をとても素敵な女性に成長させていった
    もちろん離れて暮らす明里の母としても、悩みながら一回りも二回りも大きくなっていた

    そんな祥子だが、一仕事を終え、今日は何を食べようかと悩み考える姿は、相変わらず真剣そのものでおもしろい
    祥子のランチを選ぶ基準はただ一つ。酒に合うか、合わないか。迷いがない

    今回もヨダレが出そうなおいしいランチがいろいろ出てきたが、私が一番気になったのは、御殿場のハンバーグ専門のファミレスのハンバーグ

    鉄板に赤い肉汁が出てくるのをジュージュー押しつけて、焼きながら食べるハンバーグ。食べたいよー
    ブク友さんのレビューによれば、実際にある店、検索しながら読むのも楽しいとか・・・


  • 見守りやを通じて知り合った人との関係も前作から掘り下げて、より繋がりが出てきていたり、祥子自身の思いや過去も深く知ることが出来たり。
    美味しそうなご飯と共に、どんどん引き込まれてついページをめくってしまう。

    ご飯もめっちゃ幅があって食べた事が無いものも出てくるので食べてみたくなる。

    思った以上に前作と繋がっていたので、あまり間隔を空けずに読んだ方が楽しめるかも。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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