あかり野牧場

著者 :
  • 祥伝社
3.64
  • (8)
  • (23)
  • (18)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 122
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396635930

作品紹介・あらすじ

すべての人を元気にする、感動の競馬小説
一頭の馬が人の心を揺り動かし、夢舞台へと駆り立てる――

家族経営の零細牧場「あかり野牧場」で生まれた一頭の馬は、「北の大地に灯りがともれば」との願いを込めて、キタノアカリと名付けられた。中央競馬デビュー以来、圧倒的着差をつけて連勝し、いよいよGⅠに挑む。広大な町の狭いコミュニティーは、アカリの話題で持ちきりだった。町全体がそわそわ、ワチャワチャ大騒ぎ。陰で笑われやっかまれ、肩身が狭くなろうとも、牧場主の灯野摂男は、ダービー制覇の夢を見続けた。
大牧場が席捲するGⅠ戦線で、世代7000頭超の頂点に立つことなどできるのか?
牧場を営む家族、馬産地の仲間たち、崖っぷちの騎手……多くの想いを背に乗せて、希望の灯りがターフを駆ける。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 爽やかな風を感じる一冊。

    日高の家族経営の牧場が送り出すレース馬の物語。

    何度も鼻の奥がツンとした。

    育てた一頭の馬を送りだすその過程、レースまでの裏には携わってきた人達の様々な想いが重なり合う。
    馬を愛するからこその衝突さえも…。

    そんないくつもの想いを背負って、キタノアカリが駆け抜ける。

    騎手が勝負を計算する一瞬の判断、皆の想いを手綱や鞭で伝えるかのシーンは涙で文字が滲んだ。

    馬への愛はもちろん、それを知り応えるかのような馬の気持ちもほのかに伝わってくるのがまた良い。

    最後はほんのり涙滲み、爽やかな風が吹く読後感。

  • 設備や人が揃っている大牧場と比較して、零細牧場の過酷な環境から強い馬を世に出すことは難しいことなのかなと思わされた。零細牧場の経営者、なかなか強い馬に巡り会えない調教師、リーディングジョッキーとは程遠い中堅ジョッキー。彼らの豊かな人間性をキタノアカリという馬を通して伝わってきたので、読み応えはあったが、レース展開が若干物足りなさがあったので、レースの緊迫感や臨場感というよりもヒューマンドラマ的要素が強い作品であったと思う。

  • 最近 地方競馬に ハマっています。

    そんな時 見つけました。

    昔 「優駿」という 映画があり

    同じように 零細の 家族牧場のお話でした。

    ダービー馬を出すのが 夢。

    分かっていますよ、

    最後には ダービーに勝つと。

    でも それまでの ストーリーが。

    分かっていても

    楽しめました。

    ちょっと 競馬を見る目も

    変わってきます。

    キーポイントは お酒でしょうかね。

  • 可もなく不可もないといった感じですね。
    好きな作家だから期待が大き過ぎたかな。
    ラストは映画の天外者みたいでしたね。

  • 競馬好きには堪らない一冊。流石元サンスポ記者だった著者だけあり、競馬村のことを熟知した上で、その問題点も含め馬と生きる人々を活き活きと活写している。「優駿」連載なのでキレイ過ぎる面はあるが、会話の妙もあって競馬を知らない読者でもスッと物語世界に入っていける。

  • ダービー馬生産小牧場物語
    これは日本の競走馬生産の実態。
    資本力のある大規模経営者に対し家族経営でコツコツ育成
    これは理想ではあるが経営的には苦しい。
    一種のロマン小説でもある。
    馳星周の「黄金旅程」にも通じる系譜

  • ほのぼの、心温まる物語。

  • すこし前に読んだ馳星周の『黄金旅程』に似た読後感だった。競馬馬の育成牧場を舞台にするとみんな同じようなテイストになるのかもしれない。
    結末はやはり重賞レースの勝利場面を期待するけれど、そんなに甘くないとも思えてしまいどうしても嘘くさく感じてしまう。悪くはないけど感動するまではいかない原因だろう。

  • 競馬の馬を育てる牧場のお仕事小説。高校時代の元カノとか、騎手の妻の嫁姑問題とか、なんでこんなエピが入って来るのかな? とは思うものの、楽しく読了。
    だからといって競馬をやりたくなったということはまったくないけれど。

  • 今まで読んだ競馬を題材にした小説のなかでは、ダントツで面白い。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本城雅人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×