- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403500114
感想・レビュー・書評
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仕事上の必要があって、神坂智子の『T・E・ロレンス』を全巻再読。それから、映画『アラビアのロレンス』も映像配信で再見した。
それにしても、たいていの名作映画が家ですぐに観られるのは、思えばすごいことだ。私が10代のころは、名画座にかかるのを待つしかなかったのだから。
『T・E・ロレンス』は、「アラビアのロレンス」ことトーマス・エドワード・ロレンスの生涯を描いた大作である。
『アラビアのロレンス』が、映画史上に輝く名作であることはいうまでもない。だが、この『T・E・ロレンス』には、『アラビアのロレンス』が描けなかったロレンス像までが活写されており、日本のマンガの底力を改めて思い知らされる。
たとえば、『アラビアのロレンス』がほのめかす形でしか描けなかったロレンスの性指向――ホモセクシュアリティとマゾヒズムも、『T・E・ロレンス』は思いっきり踏み込んで描いている。
それは、竹宮惠子が『風と木の詩』で切り拓き、山岸凉子の『日出処の天子』などに開花した「BL」の伝統が、日本のマンガにあればこそだろう。
また、ロレンスの複雑きわまる内面についての描写も、『アラビアのロレンス』より重層的で深い。マンガという表現形式そのものが持つ力のなせる技であろう。
もっと高く評価されてしかるべき、マンガ史に残る傑作。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アラビアのロレンスについて知りたいー、と言ったらこの本を勧めて貰いました。並行してスレイマン・ムーサ「アラブが見たアラビアのロレンス」を読んでいたので、割と客観的に読むことが出来ました…が、以前読んだ「ラビアのロレンス (1963年) (岩波新書)」を読んでいた時と同じく、読んでいて明るい未来が描けないというか希望が見いだせず、切ない…彼が愛した人たちと過ごした時間が、せめて幸せなものであってほしいと願うばかりです。 それとは別に、時代背景やこことは違う場所に生きてきた人々の考え方・価値観などはとてもイメージしやすく興味深く面白いものでした。読んでよかった。
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何も知らず、ただロレンスだおもしろそうだと思って手に取ったので、読んで腰が抜けた。もえた。
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もうねー、コレを読んでから映画「アラビアのロレンス」観て下さいよ。最高だよ。やっぱ歴史モノって良いねぇ。
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「広大な熱砂の地・アラビアの英雄となった英国人、「アラビアのロレンス」ことトーマス・エドワード・ロレンス。
彼は、師ホーガス博士によって導かれ、アラブ人ハムディの独立戦争にかける情熱に触れることで、アラビアの地に魅せられていく……。
描き下ろしのイラン旅行記も収録。ライフワーク大作、ここに開幕!」
『アラビアのロレンスを求めて―アラブ・イスラエル紛争前夜を行く 』(中公新書)
牟田口義郎 と共に読んで -
アラビアのロレンス。
ロレンスの屈折とアラブへの思慕。
この二つを上手く描いた。
ロレンスの報われない切なさが、
目を背けたくなるほど痛々しく描きつづけられる。
読後に映画を観たもんで、映画のロレンスが健全でビックリした。
もちろん映画も大好き。 -
4巻が見つからなくて苦心しています。早く読み終わりたい・・・
アラブのことや世界史の一ページほどの出来事の様々なイギリスの裏切り協定のことがよくわかります
ロレンスの苦悩とかが伝わってきて、どっしりしてます
勉強になるしおもしろい -
ぱらぱらと
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重い。壮大。苦悩。全部ひっくるめて素晴らしい。