恋をしていたころ (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館
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本棚登録 : 82
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403525292

作品紹介・あらすじ

胸の痛みとともに封印していた、かつてのたった一人の同性の恋人。七年ぶりに連絡してきた彼は、恋人だった日々の記憶を失っていて……?

感想・レビュー・書評

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  • とても良かったです。
    大学で仁科は一葉に一目惚れし、記憶喪失になり写真を見てまた一目惚れで、「この人と何か付き合いがあったはず」と会いに来るのが素敵でした。
    はちみつは二人の子供のような存在でもう10歳だそうですが長生きして欲しいです。

  • 元恋人仁科との7年ぶりの再会。仁科は事故が原因で一部の記憶を失っており、一葉が自分にとってどういう存在なのか確認するために会いにきた。
    安西さんらしい過不足ないお話。よくある記憶喪失ネタを、大人同士のしっとりとした再会愛にさせるのはさすが。
    記憶がない仁科が、また一葉に恋し求めるのが自然でまた良し。難を言うなら、一葉が自分から仁科を振ったにも関わらず、仁科があっさり受け入れたと最後の方まで根に持っているところ。
    その辺がなければまた印象が違ってたんだけど。でもそうならなければ話にならないので、仕方ないか。

  • 元恋人、仁科から突然の連絡がきた一葉は、一時的な記憶喪失になった仁科に再会し、何故自分だけを思い出せないのかという疑問から、若い頃に気づけなかった仁科の想いを知る。
    安西リカ 先生ならではの時間経過の表現や互いの成長による理解度などの盛り込みが良かったです。

    若さ故の自信のなさや、持っている性質や背景の違いによるすれ違いが、社会での自立により広い視野をで相手をみることが出来るようになった二人が、離れた月日が流れても恋い焦がれていた純愛が素敵でした。

  • 建築士同士の復活愛

    大学院で出会い、攻めの猛プッシュで絆され付き合い始めた2人。才能の格差に自信をなくした受けは地元での就職を選び、別れを切り出した。
    そして7年後にやってきたのは記憶喪失の攻め。再び一目惚れされ、猛プッシュされるも必死で踏みとどまる受けでしたが…。

    作者の言う通り、こうやってあらすじを書いてみるとほんと地味。別れた2人がまた好きあった、ということしかないわけですが、それを面白く読ませちゃうのが才能だなあと思いました。心の動きが非常に面白かった。

    作中気になった点が2つ、後半の攻め視点で攻めが送ったリングを首に下げるためのチェーンを受けがプレゼントします。その時攻めがびっくりして、以前付き合っていた頃あいつはこういうことをしたことが無かったって言うんです。これ読んでヒュッてなりました。気持ちの格差のなんと残酷なことか。愛される方はそれが当然になってしまい、結果別れようとした時も引き止められるもんだと当然予想する。しかし攻めは豊前としてあっさり了承。これ、泣き喚いて引き留めていたらきっとそこで完全終了だったんじゃないかなと。だからこそ受けは引きずり、誰とも付き合えなかったんじゃないかなあ。
    ほんのちょっとのエピソードだけど、色んなことを想像させられました。

    あと最後の従兄弟の優さん。彼は何がしたかったのか…。現在やっかんで意地悪するのはわかるけど、小さい頃は僕の方がまだマシなんだとマウント取りたがった感じなのかな?本人の口から理由を説明してないからちょっともやっとしました。

  • ★3.8

  • 一葉は才能がある仁科の側にいるのが辛くなり、仁科は別れをあっさり了承。数年後、仁科からメールを貰い…。記憶を失くしても一葉に惹かれる仁科。惹かれまいと思いながらも惹かれてしまう一葉。攻めの溺愛が素敵✨作品の帯が、良い

  • 大人同士の切ない再会愛。
    大学院で恋人だった仁科と7年経って再会したけど、当の彼は交通事故で一葉のことだけが思い出せない記憶喪失になっていて…というお話でした。
    記憶喪失はBLではありがちなネタだけど、思った以上にリアル感いっぱいに仕上がっていて、とても感情移入してしまいました。派手さはないけれど心に沁みる話で、特に一葉の揺れる気持ちが手に取るように伝わってきて、切なさ倍増でした!

    仁科のことが好きだったのに、建築家という同じ道を志している一葉にとってあまりにも彼が才能豊かで、恋人であることが苦痛になってしまったというのが、7年前の別れの理由。愛とプライドは本当に紙一重。
    一葉はノンケなのに自分の方が精神的にも肉体的にも仁科を好きになりすぎていて、対等な関係性を築けなくなった不安から別れを切り出し、しかもその時仁科は引きとめもしてくれなかったことでさらに一葉の自尊心は傷つけられ…
    一葉視点で語られる過去の仁科は自分のことを語らない冷たい男というイメージだったのですが、再開してようやく、実は語ることがないさびしい家庭環境だったことやそのせいで愛に対して猜疑心があったり甘え方が下手だったりという真実がだんだん見えてきて、一葉とともに仁科の本当の姿を知ることができ、胸が熱くなりました。

    誤解したままじゃなく、またやり直すことができてよかったとしみじみ。
    もう一度歩み寄れたのは、互いに別れたことを後悔していたからだろうし、本当に相手を好きだったのだと7年たってやっと自覚できたからなのでしょうね。
    もらった指輪を捨てていなかったところに一葉の未練がすごく感じられて、かわいくてきゅんとしました。

    はちみつがさりげなく二人の仲を取り持つ重要な役割を果たしていて、癒されました。
    書き下ろし「帰る家」は、再び恋人同士になったラブラブな二人の姿を仁科視点で確認することができました!
    昼も夜も赤面するくらい仁科が甘々なんですが…笑
    邪魔が入っても、まったく問題ナシです。
    さらに掌編まで収録されていて、大満足でした!

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