東京新大橋雨中図

著者 :
  • KADOKAWA(新人物往来社)
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本棚登録 : 39
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784404015839

作品紹介・あらすじ

文明開化の光と影を描いて一世を風靡した"光線画"の異才・小林清親-その苦闘の軌跡と幕末から明治の激動に翻弄される人々の哀歓を浮き彫りにする渾身の長篇力作。

感想・レビュー・書評

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  • 本当にすみません、「杉本苑子」作品だと思っていました…(焦)「明治の広重」は佐久間象山ばりの魁夷な容貌の割に、なかなかの常識人。変にエキセントリックな性格が捏造されることもなく、淡々と物語は進む。
    江戸から明治の世の変遷に振り回された絵師の話は、歌川芳藤視点の「おもちゃ絵芳藤」がある。同じ時代が描かれてて、月岡芳年や河鍋暁斎やジョサイア・コンドルも出てくるし、読み比べると面白い。

  • 10年ほどまえに既読。再読しようかと思いったが、図書館の返却期日が来たので、返しました。また借りよう。

  • 2015年度今週の1冊
    第100回の直木賞受賞作品。
    本学大学院卒業の大先輩、杉本章子さんの代表作です。
    本年12月4日にご病気で早逝されました。とても残念です。(2015/12/19)

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 執拗な悪を設けず、蛋白なリズムが著者の持ち味だ。大成する人物記にあって、ありふれた生活苦があふれているところに、女性作家のらしさを感じる。

  • 小林清親のお話。

    題名になっている絵は、

     http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/japanese/collection/symphony/fukei/imgs/pt2_03_01.jpg

    で見ることができます。

  • 明治初期に活躍した実在の浮世絵師。

    江戸末期のゴタゴタを経て明治に時代が大きく変るころの状況を、一人の元御家人の目を通して描いている。

    もちろん小説だから、少ない手掛かりを元に想像を想いっきり膨らまして書いているのだが、小説そのものより、当時の雰囲気が伝わってきて、そこが面白い。

    作者の江戸への心情的な想い入れは生半可なものでないことが伝わってくる。

    当時の町並みや風俗など良く研究している。

    情景描写や心理描写は通り一遍で、小説家としての力量はあまり感じられない。

    だがその分、しつこく書かれていないので、却って好感が持てる。

    文章に自信のある人って、文章がしつこいでしょ?

  • 直木賞受賞作品、とにかく丁寧に描かれている。
    江戸時代が崩壊し明治に移るときの、人々の様子が丁寧に
    描かれている。主人公、光線画家「清親」の誠実な人間性が清々しい

  • 苦労して手に入れただけのことはあった。
    幕末から明治へ・・・私の一番好きな時代だ、
    江戸の町々の描写も、そこに生きる人たちも生き生きと描かれている。
    この人のシリーズもの「信太郎人情始末帖」も面白かったが、この「東京新大橋雨中図」は背景も違い今までに読んだものを上回る素晴しさだった。

    • arrows7banさん
      初めまして!! 8月に「たなぞう」からブクログに引っ越しました。 よろしくお願いいたします。
      杉本章子の大ファンで直木賞をとっとこの本を含...
      初めまして!! 8月に「たなぞう」からブクログに引っ越しました。 よろしくお願いいたします。
      杉本章子の大ファンで直木賞をとっとこの本を含め最新刊の「東京影同心」まで全部持っています。
      同じように彼女のファンがブクログにもおられてうれしく思っています。
      そろそろ次の本が出るようですよ。
      2011/09/02
  • 直木賞 6版

  • 表紙がかなり気に入って読んでみました!
    1988年の作品だったと知ってびっくりです。

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著者プロフィール

すぎもと・あきこ
1953年、福岡県八女市生まれ。ノートルダム清心女子大学国文学科卒業後、金城学院大学大学院修士課程修了。江戸文学を学ぶ。1980年「男の奇跡」で歴史文学賞佳作入選、作家デビューを果たす。1989年「東京新大橋雨中図」で直木賞受賞。2002年『おすずーー信太郎人情始末帖』で中山義秀文学賞を受賞。近著に『起き姫 口入れ屋のおんな』など。本作は「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズ4作目の完結編となる。

「2016年 『カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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