日本思想史序説

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  • Amazon.co.jp ・本 (547ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406020060

感想・レビュー・書評

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  • 古代から室町時代にいたるまでの日本思想史上の主要なテーマについて論じている本です。

    著者はマルクス主義の立場に立つ哲学者であり、本書においても伝統思想のうちに権力者に対する抵抗を読み取ろうとする試みがなされています。そのため、著者自身による思想の評価にかんしてはやや偏りがあるものの、全般的に広く日本思想史の諸研究を参照して、ていねいな解説がなされているという印象を受けます。

    特筆するべきは、室町時代における狂言、能、茶について論じている箇所で、著者はカント美学を下敷きにした大西克礼の美学思想を参照しつつ、「諧謔」(フモール)「幽玄」「わび」という美学的カテゴリーについての考察を深めており、日本の伝統的な美学思想について考えるうえで有益な議論が展開されているように思われます。

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著者プロフィール

一橋大学社会学部教授.
主要著書:
現代社会科学方法論の批判 (未来社,1965)
弁証法と現代社会科学 (未来社,1968)
日本マルクス主義哲学史序説 (未来社,1971)


「1984年 『現代科学対話 科学の方法と科学者の役割』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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