作品紹介・あらすじ
声なき民に寄り添い、命をかけて真実を伝える-草わけの女性新聞記者となるフキ、その波瀾万丈の半生。
感想・レビュー・書評
絞り込み
-
富国強兵を打ち立てて植民帝国と化していく明治政府下において、非戦論を唱える新聞社で女性記者 として成長していくフキ。国権主義の当時にあって平民主義を貫き、ペンを手に発信していく困難を 描く。女性に参政権のない時代、家事と子育てをしながら女性の立場と目線で報じることを求めら れ、いくら気丈夫ではあってもフキの不安と戸惑いは果てしない。近隣諸国に憤りを感じるも、相手 にも払拭するには未だ冷めやらぬ屈辱の歴史がある。特定秘密保護法とは、誰から誰を保護するもの だろう。世論から国権を保護するものでなければよいが。
著者プロフィール
吉橋通夫(よしはしみちお)1944年岡山県生まれ。法政大学文学部卒業。『京のかざぐるま』(岩崎書店)で第29回日本児童文学者協会賞、『なまくら』(講談社)で第43回野間児童文芸賞を受賞。おもな作品に『風の海峡(上・下)』『すし食いねえ』(共に講談社)『小説 鶴彬』『風雪のペン』(共に新日本出版社)『ずくなし半左事件簿』『早変わりで候』(共にKADOKAWA)など多数。
「2022年 『ことばっておもしろい!同音異義語・同訓異字/対義語・類義語(全3巻)』 で使われていた紹介文から引用しています。」
吉橋通夫の作品