東京を変える、日本が変わる

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408110653

感想・レビュー・書評

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  • http://naokis.doorblog.jp/archives/Masuzoe_Yoichi.html【書評】『東京を変える、日本が変わる』〜舛添要一氏曰く「驕奢を戒めよ」


    <目次>
    はじめに、「一石」が「五鳥」にもなる政策を実現する!
    序章 東京が変われば日本が変わるー世界歳・東京への熱い思い
    第1章 なぜ「東京世界一宣言」なのかー東京を日本変革の起爆剤に
    第2章 東京都政への基本姿勢ー政治の原点に立ち返る
    第3章 限りなく人にやさしい街ー社会保障と女性・高齢者・介護
    第4章 万全の備えを有する街ー防災・危機管理
    第5章 世界の人々をおもてなしする街ー都市計画とオリンピック・パラリンピック
    第6章 エネルギー問題にどう対処するかー原発についての私の考え方
    第7章 姉妹友好都市・東京としてー東京だからこそできる外交アプローチ
    巻末資料 知事就任挨拶全文



    2016.04.21 どうも評判がよくないのだが、何がいけないのだろうか?著書で確認してみよう。
    2016.05.03 読書開始
    2016.05.15 読了

  • 【野心に溢れた東京大改造計画】
    勉強していることが垣間見える本。うまく見せているだけなのかもしれないが、防災危機管理、オリンピック、エネルギー、外交、社会保障、広く迷い含めて自らの考えを表明している。

    フランスの合理的なシステム的発想の話が面白い。郵便番号も車のナンバーも電話も、すべて同じ数字で統合されているらしい。
    75はパリ、69はリヨンなど都市を表す番号が決められている。

    オスマン男爵と後藤新平の2人を抑えているので、首都東京のグランドデザインを高い目線で未来軸も入れて考えようとしていたのは間違いない。

  • 都知事になるにあたっての所信表明本。これを読むと見習うところが多い非常にバランスのとれた人だと思う。a.自分が考える課題の列挙・b.それを解決するための方策・c.なぜ自分がそう思うのか・・・が淀みなく語られている。例えば、a. 介護問題 b.在宅介護を基本とした「家族が親の介護をしなくて済むシステム」構築 c.自身の介護の経験談... というふうに。奇をてらった内容ではなく感覚として まぁ現実的だろうな といった内容がいずれも続く。当然実行が伴わないといけないわけだが、今後に期待したい。一都民として自分も耳を傾けないと・・・。

  • ちょっと期待できるかな、
    と東京都民ではないけど思いました。
    あと自身の父親が戦前、地方議員に立候補した時のポスターのお話としてポスターにハングル文字でルビをふっていたとか。
    戦前は朝鮮人に選挙権があったお話は興味深かったです。

  • チェック項目13箇所。思えば、先の大戦で灰燼に帰した首都を、先達たちは驚異的なスピードで復興させ、1964年には東京で、アジア最初のオリンピックを開催したのだった。国内外からの来客にお目にかける「世界一」は、大きさでも量でもない、むしろコンパクトで、クリーンで、スマートな東京を表象するものがいいのではないか。私は国民に対し、「情報は基本的に公開して提供できるものは提供する。もちろん個人のプライバシー等は伏せますが、それがいちばんの危機管理の基本だと思っております」と述べ、テレビなどのメディアを使って、情報公開に踏みきったのである。かつてアダム・スミスは『諸国民の富(国富論)』の中で「小さな政府」を提唱し、その典型的な様態として「夜警国家」を例示した。子供の吸収力は驚くほど高いことは、頭の固い文部科学省の官僚より、現場の先生のほうがよく知っている、この時期には、詰め込めるだけ詰め込んでもいいのだ。中高一貫教育:現行制度やシステムにとらわれることなく、優秀な人材を数多く世に送り出すため、私は「向上心・競争心を持ち、限界を設けずに学ぶことができる教育」を、教育改革の軸として推し進めていくつもりである。人々が夢と希望を持つためには、富の肯定も必要だ。働いて成果を手にすれば、人はさらにがんばろうとする、このサイクルを断ち切ってはいけない。少子化が進行していく中、元気なお年寄りを、貴重なマンパワーとして活用しない手はない、しかもそのことが、高齢者の生きがいを生み出し、同時に認知症の防止に役立つなら、なおさらである。15%は高いと感じるかもしれない、しかし私なら、15%の消費税さえ納めれば、家族の誰にも介護負担がかからない生活、その「安心」のほうを選択したい、たった7年といわれるかもしれないが、私が母の介護で苦労したことを思えば……。もしケガをして動けなくなったら、もう街へは出られない……、こんな社会であってはならないのだ、私は東京から、そんな社会を変えていきたい。

  • 私が初めて舛添氏を見たのは30年程前で「朝まで生放送」というテレビでした。夜中の1時くらいから明け方まで討論をしている番組で、学生ながらに「しっかりした意見を持っていて、分かりやすく話すことが出来る人だな」という感じを持っていました。特に肩書きが東大の教授だったので。

    それから彼は国政に移り、特に厚生労働大臣としての仕事ぶりは良かったと感じています。その彼が今年の2月に第19代の東京都知事になりました。その彼による最新作が図書館の新着コーナーにあり早速読んでみることにしました。

    この本は彼自身の言葉で書かれた本のように思います。選挙活動で訴えてきたことを本に纏め上げたという感があります。日本における東京の役割・位置づけは大きいので、東京を変えることで日本が変わることになるという趣旨で、具体的に何をすべきかが明確です。

    幕末の頃、当時の幕府も、ずっと改革と言っていたようです。日本も「改革」と言い出して30年以上は経過していますが、良くなった点もあるものの、改善すべき点も見えてきたと思います。このような時期に「言ったことに対して努力する」姿勢を感じる舛添氏の率いる東京都の姿には注目していきたいと思います。

    彼は本の中でも「東京オリンピック@2020を成功させる」と明言しています。私もその頃までは元気で働いていると思いますので、子供がそろそろ独立しているであろう時期なので、自分も何らかの形で協力できれば嬉しいと、この本を読んで感じました。

    以下は気になったポイントです。

    ・オリンピックで国内外からの来客にお目にかける「世界一」は、大きさでも量でもなく、コンパクトで、クリーン、スマートな東京を表象するものがいい(p39)

    ・都政がとるべき基本的な方向は、経済では市場原理を活用して「小さな行政」に向かい、高齢化社会という現実を見つめた福祉では、「大きな行政」をめざす(p44)

    ・特区は、医療・雇用・教育・都市再生、まちづくり・農業・歴史的建築物の活用、という六分野で適用される(p45)

    ・幹部職員に対する挨拶の中で、1)東京を世界一の都市にする協力依頼、2)現場を基本、現場感覚を持って仕事を取り組む、3)ワークライフバランスの実践、をお願いした(p68)

    ・保育所と幼稚園が一体化できていないのでは、厚生労働省管轄の保育所と、文部科学省管轄の幼稚園とで、それぞれ応援団の議員たちが連盟をつくって、その既得権益を手放そうとしないから(p81)

    ・多摩ニュータウンでは集合住宅の老朽化に伴う建て替えが懸案、建物の高層化によって生まれる1-2階部分に、保育所や特養をつくっていこうと考えている(p83)

    ・一定時間で就労する雇用者が大量に生まれ始めたのは1920年代から、その当時の定年制が55歳で平均寿命は45歳程度、退職した男性の老後生活は10年未満(p86)

    ・福祉目的税としての消費税15%は高いと感じるかもしれないが、それさえ納めれば家族の誰にも介護負担がかからない生活、その「安心」を選択したい(p96)

    ・消防車が入れないような場所には「ヘリ」を役立てる、また現在ある電柱を地下に埋設することで災害時の電柱倒壊を防ぐとともに景観を向上させる(p112)

    ・二人の政治家(パリ都市構造を提唱したオスマン男爵、関東大震災の復興を指揮した後藤新平)が示した壮大なビジョン、先見の明を参考にしたい(p122)

    ・高齢者が寝たきりになってしまう要因の一つは、転倒による事故、その原因は家の中、街のいたるところに高齢者がつまずいて転んでしまうような段差が数多く存在する(p134)

    ・原発の比重を徐々に小さくしていき、最終的に脱原発を実現するというやり方が、より賢明で現実的(p156)

    ・東京都と姉妹友好都市の提携をしているのは、ニューヨーク市・北京市・パリ市・ニューサウスウェールズ州・ソウル特別市・ジャカルタ特別市・サンパウロ州・カイロ県・モスクワ市・ベルリン市・ローマ市である(p168)

    ・仕事をする上で、都民の真の要望はどこにあるのか・既存法令でどう対応するか・財源裏づけはあるか、を検証することが大事(p202)

    2014年5月18日作成

  • 政治家の本はそんなに多くはないですが読んでものが
    あります。橋下・安倍・鳩山・小沢・野田・・・
    これらの政治家の書いた本は良くも悪くも
    印象に残るというか、引っかかりが何らかあるのですが
    この本はさあ~~と読めて何のひっ掛りもなく
    読み終えてしまいます。
    ちょっと残念な本かと

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著者プロフィール

舛添要一(ますぞえ・よういち)

 1948年、福岡県に生まれる。1971年、東京大学法学部政治学科を卒業し、同学科助手。パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ高等国際政治研究所客員研究員などを歴任。1989年、舛添政治経済研究所を設立。2001年、参議院議員選挙に出馬し、168万票を得て当選。 2005年の自民党「新憲法草案」のとりまとめに際しては中心的な役割を務め、2006年からは参議院自民党の「ナンバー3」政策審議会長を、2007年からは厚生労働大臣をつとめる。2014年、東京都知事に選出される。
 著書には、『母に襁褓をあてるとき―介護闘い日々』(中公文庫)、『内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方』(角川oneテーマ21)、『永田町vs.霞が関』『日本新生計画』『日本政府のメルトダウン』『憲法改正のオモテとウラ』(講談社)などがある。

「2014年 『母と子は必ず、わかり合える 遠距離介護5年間の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

舛添要一の作品

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