モウリーニョのリーダー論 世界最強チームの束ね方

  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408453927

感想・レビュー・書評

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  • 本を読む前、モウリーニョを誤解していた。
    彼は本当に素晴らしいリーダーであり、尊敬すべき人だ。
    リーダーのあり方を教えてくれました。

  • あとがきが素晴らしい。
    以下引用。

    ある旅の途中、ロンドンの書籍でルイス氏が記したモウリーニョの伝記を見つけました。この本は、当時FCバルセロナのアシスタントコーチだったモウリーニョが、「もう二度とアシスタントはやらない。監督しかやらない」と宣言し、ルイス氏と共にバルセロナからポルトガルへ車で帰郷、いや”都落ち”する場面から始まります。そして、彼はあらゆるコーチのオファーを断り、自宅で数ヶ月間にわたって監督になるべくもう勉強と研究を続けます。
    その冒頭部は、私の胸に刺さりました。というのも、「もう二度と会社勤めはしない」と誓い、何か起業のヒントになるものはないかとの思いを飛び立った、2週間の欧州旅行の最中だったからです。帰りの機内で涙を堪えながら読了し、帰宅した私は迷うことなく自宅の壁にモウリーニョ監督の顔写真を貼り付け、それから数ヶ月、世間との接触を一絶って将来に向け、迷いなく準備を進めることができました。そして今、紆余曲折を経て、本書を翻訳するに至ったのです。

  • 現在、世界で最も注目されている欧州サッカー界のカリスマが、いかにしてチームを束ね、結果を残してきたかを語る本。単なる「監督」の枠を超え、組織の「リーダー」として、組織で戦う集団と変える彼のメソッドは、ビジネスリーダーに置き換えても参考になる。モウリーニョは多分ビジネス界でも(情熱があればの条件付きだが)、非常に優秀な経営者成り得るだろうと思わせるメソッドが本書には散りばめられてる。ただし、モウリーニョみたいになるためのノウハウ本ではないので、そこは自主的に補完する必要がある。あと、蛇足だが、本書の情報源がポルトとチェルシーに偏っており、インテル、マドリー関係者からのインタビューがないのは残念。(ので星3つ。)

  • フットボールの監督という面をスポットを当てているが、ポルトガル、プレミア、セリアA、リーガそれぞれで成功を収めてきた優秀なリーダーとしての考え方が垣間見えた本だと思う。
    基本的な考え方はとても前向きで監督という職業柄「勝てば選手のおかげ、負けたら監督の能力不足」と言われがちだが、負けてもあくまで前向きに物事を捉え、次に活かしていく考え方は別の職種でも活かしていけると思う。
    特に営業という職種は「断られて当たり前」つまりは「負けて当たり前」になってくると思う。
    それをいかに「何故失注したのか?失注した中でなにが良かったのか?次に何を活かせるのか?」という考え方にシフトする方法を教えてくれた。
    またフットボールの監督はリーダーとしても有能でなければ指導力があってもチームはまとまらず、結果として負けてしまう。
    これも普段の仕事に落とし込めると思う。
    特にプレイヤーは全員が一流で個性がある。
    それをまとめて同じ方向を向いてプレーさせる。
    まさに会社と同じだと思う。
    この本はその同じ方向に向かせるヒントが書いてあったと思う。

  • サッカーを通したリーダー論だが、モウリーニョ自身の独創性が垣間見える。なかなか実践出来ないような内容も、サッカーを通じて選手と信頼関係を築いていく姿は素晴らしい。

  • 図書館

  •  いい言葉が多い本だった。

     第1章で、モウリーニョ監督が負けた時に、負けた瞬間にそれはもう過去で、次の勝利に向けて手を打ち始めていた、という話。
     第2章の、練習は試合を体現できる場でないと意味がない、という話。
     第3章の、「リーダーがすべきことは命令を下すことではない。ガイドすることだ」という言葉。
     第4章の、自分がやることに信頼と確信を持ち、それを皆に伝染させる、という話。
     第6章の、感情は決断のプロセスで必ず重要な役割を果たしていて、感情と理性のバランスが大切である、という話。
     第7章の、「偉大なチームとは、偉大な選手を抱えるチームではない。一丸となってプレーできるチームのことだ」という言葉。

     いずれも含蓄が深い。

  • 勉強になりました。

  • サッカーでいうと、パスの練習だけをしてもいまいちだし、ドリブルの練習だけをしてもいまいち。実践の場面を想定した練習を行う事が本番につながるという。
    要素を細かく分解してもかえって本質が見えにくくなるという複雑性の理論が面白い。この考え方はビジネスに応用できる。

    そこまでは頭で(大枠は)理解できるのだが、後半モチベーション管理の話になると常人の域を超えている。マネジメント下の一人一人にあわせた対応でモチベーション維持を支援するというのだが、そこが規格外。すべてのメンバーに対するアプローチが明確に見えているかのような。国籍も言語も文化も全く違うはずなのに・・・。驚嘆。きっとその境地に至るまでには膨大な思考量と膨大な経験があったのだろうと推察。なるほどこの人はどこで何をやっても成功するのだと納得した。

  • モウリーニョのリーダー論

    ・デコ:モウリーニョ監督はどんな監督もなし得なかったことを達成した。短期間のうちに選手全員の人間性を把握したうえで、目指すべきビジョンを示し、どうすればチームが機能してモチベーションが上がるのか、すべての答えを用意していました。

    ・勝ち続けることを自らに強い、これだけ勝ちまくってきた人物が、どのようにして敗北を受け入れるのか。
    →相手GKと握手。たとえ敵であろうと健闘を称え合う。選手たちを抱き寄せた。負けても選手たちは賞賛されるべきである。

    ・強欲なまでに勝利を求め続けるが、あくまでも未来の勝利に限られる。今この瞬間の勝利は、敗北と同じようにそれほど大切ではない。

    ・複雑性:体育やスポーツの分野でバイブルとされるL.Pマトヴェーエフの本(個人競技よりの本)。だが、人間とは複雑にできていて、フットボールの世界では、11人が共通の目的に向かうという絶対条件がある。そこが個人の選手が個人の目標を追い求めればいい世界とは違う。
    →この本に対する違和感が、その後の指針となった。

    ・チャンピオンになるためには、常に我々の目標を念頭に置かなければならない。日々の目標と、一貫して保ち続けるモチベーションで、進むべき軌道を照らし出さねばならない。毎回の練習や試合、プロ生活全般の1分1分が、我々の目標のために捧げられるのだ。

    ・選手に求める速さ:従来の意味、生理学的側面ではなく、情報処理の観点から考えなければならない。必要なプレーを過不足なくできる速さがあるか。
    →ウサインボルトよりデコの方が速い

    ・チームに規律をもたらすために必要なのは、時間厳守や正確さを浸透させ、戦術を厳密に定めること

    ・個人主義的なマンマークは絶対しない。
    →全体を見渡す視点の弱体化は、各々に与えられた課題に対する責任感を弱める。連帯の弱体化は、それまでに築いた輪さえも崩壊させる
    →部分と全体を同時に把握する

    ・私にはどこからどこまでが肉体で、どこからが心理面と技術面に入るのかという定義が分からない。

    ・不確実性への対処は、すべきことを明らかにし、そのための準備をして、それを実行に移す。そうして、いざという時に実行できるようにするのだ

    ・信頼関係を築き上げる。;決してピラミッドの頂点にいる存在ではなく、輪の中心にいるリーダー。結果を出すリーダーは、ネットワークの中心にいる。

    ・情熱とは、可能性を見出し、目指す先に至る道を探し出すことにつながる
    →監督が24時間の中で働いていない時間はたった2つ。寝る時間と家族と一緒に過ごす時間。それ以外は、常に計画を立てて実行することの繰り返し。

    ・導かれた発見:理解するよりも感覚的なもの。信頼の醸成に繋がる。議論から、光が生まれる。
    →4つのプロセス(活動の細分化)
    1情報の確保
    2アイディアの創出
    3情報の蓄積;すべて体系化し、誰でも使えるように
    4情報の分配

    ・俺を助けてくれ。そうすれば、一緒にビッグクラブに連れて行ってやるという雰囲気がうまく機能した


    ・カリスマ的リーダーとは、
    1野心的なビジョンを示し、明言する
    2個人でリスクを背負う
    3自らの傲慢さを抑制する
    4コミュニケーションの能力に長けている
    5新しい環境に順応する

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