交通警察の夜

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408531632

作品紹介・あらすじ

日夜、絶え間なく発生する交通事故。その背後に渦巻く複雑な人間模様と、事件解決に全力をつくす交通警察の姿を描く、乱歩賞作家渾身のサスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 法律の穴や、不備みたいな部分につけこむ加害者の嘘。
    被害者も嘘をつく。ときに警察は嘘に気づいていても目をつむる。

    『天使の耳』
    盲目の少女の供述。時間の証明。

    『分離帯』
    どんなときでも車に轢かれた歩行者は被害者。

    『危険な若葉』
    事故の原因をつくった男への罰。

    『通りゃんせ』
    路上駐車。雪の日の事故。

    『捨てないで』
    不倫で捨てられる女。女が捨てたジュースの缶。

    『鏡の中で』
    日本と外国での車線の違い。若者の将来。


    オチがしっかりついてて、毒がある話ばっかりで読みごたえバッチリ。
    いまよりも少し昔の話だから、いまではこのトリックは使えないなとか、ドライブレコーダーとか、携帯電話があったらとか、監視カメラあるだろうなとか、色々思っちゃうけどやっぱり面白い。
    東野圭吾作品でどれが好きかと聞かれたら、この本と答えるようにしている。

    善悪が区別されていないところがすごく好き。

  • NHKドラマで見る
    小芝風花 安田顕

  •  クルマを持っている人は一度は読んだ方が良い。色々なありそうでないけど、やっぱりありそうな話。

     この本と同時に意図せず、天使の耳も借りてしまい、内容はほぼ同じ。

     ただこの本の良いとこは、最後の著者の4Pに集約されている。

     東野圭吾をもってしても、「轢き逃げはありえない」というところは刮目すべきところであり、各々の章の人の心の動きはハッとする人たちは多いはず。

     クルマに乗るそこのあなたも本シリーズに加えられることがないよう心して運転しなければならない。

  • 最初の1ページをみたら、既に読んだ事がある事に気がついた。
    以前読んだ本のタイトルは、『天使の耳』だった。
    再読になったけど、感想は変わらず良かった。
    偶然にも、今晩NHKで放送されるので映像でも楽しもうと思う❗️

  • 事故は夜に起こる

  • 車って怖いな。一瞬で人生変わるんだなと心に突き刺さるような短編集です。
    罪がきちんと裁かれる話と、本当の真相が表に出ない話が混ざっているのがリアル。
    天使の耳と通りゃんせがゾッとしました。

  • 交通事故を題材にした短編集。
    フィクションとはいえ、ちょっとした不注意が人の人生を狂わせる内容に、事故の恐ろしさを痛感します。
    運転には本当に気をつけないといけないなと思いました。

  • 様々な交通事故。
    それぞれの事情を抱えた人達が織りなす人間模様を短い文章の中に起承転結を盛り込んでいるのはさすが。

    身につまされることが多かったり
    不条理を感じたり
    交通事故は怖いものだということを実感させられる作品。

    古い作品故に時代を感じさせる描写もかえって面白かったように思う。

  • オムニバスは基本的にあまり好きな方ではないので、評価が低くなっています。オムニバスとしてはおもしろいと思います。
    交通事故の裏を風刺的に書いています。実際の事故でも多くは真実が明かされずに処理されているのかもしれません。

  • 図書館にて借りました。
    交通事故関連の短編集です。

    ☆天使の耳・・・信号無視
    ☆分離帯・・・前方注意、交通事故の矛盾
    ☆危険な若葉・・・あおり運転
    ☆通りゃんせ・・・違法駐車
    ☆捨てないで・・・窓からのぽい捨て
    ☆鏡の中で・・・他国での運転

    どれもとても身近な題材で、うんうんと頷きながら読みました。
    特に「危険な若葉」あれは本当に「殺人未遂」だと思う。
    だってわざとトロトロと走っているならともかく、後続が「自分の都合」だけを押し付けているから。
    今でもこんな痛ましい事故は良く聞く。
    「急いでいたから」
    こんなことは言い訳にならない。

    「通らんせ」は近所の〇ーナンで嫌ほど見ます。
    店の中の駐車場ですらあんな有様なんだから・・・。
    してる方はしてる方で当てられても文句云うなよ!!!(怒)
    幸い私の夫は絶対にしない人。してたら離婚覚悟で説得します。

    「捨てないで」
    これこそ人間の恥ですね。一度前の車が窓から捨てたタバコがまだ火が付いてる状態で後ろを走っていた私の車に入ってしまったことがあり本当に恐怖を感じました。
    たまたま友人が後ろに乗ってくれていたから消すことが出来たけど、ひとりで乗っていた時だったらと思うとぞっとします・・・。

    作中でこんな言葉が出てきます。
    「日本が本当に豊かな国になったなら、真っ先に俺たちが暇になるはずなんだ。ところが、事故も事件も一向になくならない」

    本当にそうだよな~。
    「ここに置いてはいけない」じゃなく「ここには置かないで」と云う事を少し想像力を働かせたら解ることだと思うのですが。

    私も免許保持者なので初心にかえります。
    免許保持者全員に読んで頂きたい一冊です。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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