- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408535494
作品紹介・あらすじ
信州の旅の途上、若僧の秀全は、賭場のいかさまを見破ったとばっちりで行商人・平助とともに補縛されるが、賭場の親分の養女で山女のまつに助けられた。平助は自分が、将軍家献上品にまつわる不正探索方であると明かし、仲間の嵐を探していると語った。嵐に惚れていたまつも同行を決意。山中を行くうちに遭遇したのは、ご禁制の山茗荷の噂、逃散百姓衆の意味ありげな動き、山に眠る謎のお宝の存在など。さらに入山禁止の御留山には、藩の密命を帯びた役人が守る、別の献上品も存在するらしいのだが…。
感想・レビュー・書評
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出久根達郎さんの講演を聴き、サインを貰った本
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あれよあれよという間に読み進み、気がつけば読了していた。『抜け参り薬草旅』を思い出し、似てるんだけれども新しい。山茗荷、黒水石そして氷中花って、すべて創作なんだろうか。ありそうでなさそうで…。何らかのモトネタがありそうだが、そうならとうに世に知られているだろうしなあとそそられる。
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一気に読みました。仲間が増えるのがいい。
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人は自分の思惑で動く:古書絡みでないのは久し振り〜秀全は常陸の寺の息子だが,読心術の心得がある。修業先の寺からお陰参りの真似をして逃げて,蔵に案内されると,そこは古着屋が営む賭場だった。怪しまれて一緒に捕らえられたのは平助という者だが薬に詳しく,山の小屋に閉じこめられるが,蝮と狼犬と共に暮らすマツという女の住処で,平助が捜している嵐といい仲になっているらしいが,嵐は山の中を歩き回っていて宝を探し出したと行ったまま,姿を見せないらしい。大雨が降り,地滑りと地震が重なって山は基の姿を失っている。洞窟に隠れていた嵐と宝の山を探し歩くと,山上がり衆が御留山の探索をしていることを突き止める。御留山では将軍に献上する氷中花を造っているが,地下水が枯渇し大騒動になっている。なにやら陰謀めいた騒ぎが挙がっているが,家老同士の勢力争いも絡んでいるらしい。山上がり衆は藩に認められたく,平助や嵐は侍らしい侍になりたかったが,気持ちが揺らぐ〜と云っても「落とし宿」があったか。皆が皆,自分の思惑で動いている・というのが世の中。場所は信州