- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408536118
作品紹介・あらすじ
無血主義を貫くテロ組織に隠された謎。これぞ閉鎖状況ミステリーの傑作。
感想・レビュー・書評
-
これを読み終えてから気がついた。
『攪乱者』という本があっての『扇動者』なんですね。週末テロリスト集団。
淡々とした登場人物の語り口、これに違和感を持つ人も多いかと思いますが、私は嫌いじゃないな。
論理的に分析しつつ、順序だてて物事を整理して仮説を立てて結論を導き出そうとする。
(そう、私には備わっていない能力だからなんですよ。)
他にも週末テロリストシリーズってあるんだったら読んでみてもいいなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「無血主義のテロリスト集団」というロジックを展開したいのか、ミステリーを読ませたいのかが微妙なバランスである。ミステリーとしては、あまりにも厳重なクローズドものだし、犯人当てはあまり意外性がない。ただその犯罪を成立させているのが、「無血主義のテロリスト集団の存在」というロジックなので、そこが納得出来ないとすべてが受け入れがたいものになる。
確かに無血のテロという考え方は理想のひとつではあるが、果たしてそんな漠然とした不安だけでなんとかなるだろうか。というよりむしろ、大衆はそこまで信頼に足る存在だろうか。風評で簡単に動くし、間違っていようとも多数決の論理に流されやすい。
石持浅海さんらしい、ちょっとひねって斜め上のロジックと展開で、「こういう世界だ」と受け入れさえすれば楽しめる。ラストの一行も含みがあって面白い。
登場人物たちの奇妙な行動や行動原理はすべて、大前提となるロジックの許容にかかっているといえよう。 -
「撹乱者」からの「煽動者」
テロ組織「V」に集められた8人が巻き込まれる殺人事件。
消去法で犯人があぶり出された感じだけど、果たして本当にそうなのかと勘ぐってしまう感も。
組織は実は…っていうオチもなかなか。 -
そのテロ組織の名はV。目的は流血によらず現政府への不信感を国民に抱かせること。メンバーは平日一般人を装い、週末だけミッションを実行。各人はコードネームを用い、メンバーはお互い本名も素性も知らない。週末、兵器製造のため軽井沢の施設に召集されたのは八人、ところが作戦会議終了後、一人が謀殺された。施設は部外者の侵入は不可能、犯人はメンバーの誰か……。
テロ組織についての疑問やテロのやり方についての話し合いなどの密度が濃すぎて殺人事件についての印象が薄かった。あんまり突き抜けていなくて淡々としていた。 -
10/25/2016 読了。
図書館から。 -
図書館で借りた本。
テロ組織の正体が判明。ちょっと説明文が多いけど、面白かった。 -
3.5
初期の作風っぽい、と思ったら2012年ですね。
黒幕は検討ついたがラストシーンは類は友を呼ぶ、という感じでしょうか。
犯人、動機、については材料が足りない。
第一被害者の彼女がなぜそういう発言をしたのか、根拠薄い。推測だし。
自分の子どもが死んだら、他の子どもも、って思わないでしょう。
自分の子どもが他の子どもからうつされた伝染病で、となっても思わないでしょう。 -
20141107