御徒の女

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 83
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537047

感想・レビュー・書評

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  • 2023.08.28

  • まんまとしてやられた

  • サクサク読めるのに考えさせられるシーンも多くて楽しかった

  • 内容紹介
    江戸後期に武家の娘として生まれた長沼栄津(ながぬま・えつ)は、
    体の弱い母に代わって家事をこなす日々。
    年頃の娘らしく、そばかすが気になれば「都風俗化粧伝」を見てお手入れをしたり、
    隣家の長男・穣太郎に思いを寄せたり――。

    幼馴染からの突然の告白にも振り向かず、
    兄の言われるままに「よくない噂」のある男のもとへ嫁いたのは、
    武家の娘としての誇りでもありました。
    くちうるさい姑と幼子の世話に暮れ、いよいよ生活の厳しくなった幕末には生活を切り詰め、
    家族を支える日々を送ります。
    貧しいながら、武家の娘としての誇りを守る栄津の人生の幸せとは――。

    時代も世代も超えて共感を呼ぶ「女の生きざま」。
    「着物始末暦」シリーズの著者が描く、新・人情譚!

    【目次】
    第一話 貧乏くじ ――十七歳
    第二話 船出 ――二十一歳
    第三話 悲雨(ひさめ) ――二十三歳
    第四話 紅(べに)の色 ――二十八歳
    第五話 ふところ ――三十二歳
    第六話 神無月(かんなづき) ――四十二歳
    第七話 江戸の土 ――五十五歳

    令和2年3月2日~3日

  • 一生には色々あるんだ。。。。。ここでくじけちゃいけないんだ。。。

  • 欠点のない人間などいない。いい事ばかりの人生などない。読んでいる間中、作者からそう言われているような気がした。

  • 激動の大政奉還の時代を生きた御徒の女性の半生。

    貧乏な御徒の武家に生まれた栄津は、忍耐強い女性。
    ただ、忍耐強いだけでなく、言い返したり意趣返しもしたりするので、なんだか違和感があった。まぁ、自分と堪忍袋の尾の長さが違うからなのだろうけれど、女性だからという理由だけで共感や理解って、できるものじゃないのだな、と再認識。
    隣に住んでいた幼馴染の三兄弟も、栄津の人生のところどころで顔を出す。江戸の町や身分の柵というのはなかなか手ごわいもので、男も女も(特に武家は)大変だったんだろうなぁ、と思いました。

    大政奉還後に、栄津を想う息子が残ってよかったのではないでしょうか。
    育て方、間違ってなかったってことだよね。

    最後に、連載時の副題が記載されていて、そういうことか、と思った。

  • 激動の時代を一生懸命に生きた女達。

  • ~嵐も吹けば雨も降る 女の道よなぜ険し~♪(大津美子 ここに幸あり)女の道も男の道も険しいものと思います!御徒(おかち)という貧しい武士の家に生まれた栄津17歳の波瀾に満ちた生涯、江戸末期、徳川の世崩壊までを描いた秀作と思います。JR御徒町駅、御徒の屋敷が多かった地域なのでしょう。中島要 著「御徒の女」、2017.4発行です。徳川慶喜に見捨てられ、そして官軍に敗れた3万の旗本・御家人の行方は。栄津は、家を失い、身分を失い、娘との縁も切れ・・・、それでも、母を想ってくれる息子が最後に残りました!

  • 武家の女として生きる女性の半生。
    容姿はイマイチ、身勝手な兄に良いようにこき使われ勝手に縁談を進められ、嫁ぎ先でもまた厳しい姑と何を考えているのかわからない夫と遊び好きな舅に振り回され…自分で自分の人生を決められない女より努力次第で人生を変えられる男の方が良いと思う栄津の気持ちも分かるが、男は男で大変なんだろうなとも思う。

    栄津が幸薄い堪え忍ぶだけの人生ではなく、結構強く言い返したり意趣返ししたりもしてるし、思い込みから人を傷つけたかも知れないこともしている。
    密かに想いを寄せていた人や想いを寄せられた人はガッカリな人だったり、逆に厳しい姑や何を考えているのかわからない夫に守られていたり、深く傷つけたと思っていた人に気遣われていたり、人間というのは分からない。
    実家の隣に住んでいた三兄弟との因縁も面白かった。

    終盤には地震に続き、幕府がなくなるという正に天地がひっくり返る出来事もある。
    武家の女として家を守ることに邁進してきた栄津は息子の決断をどう受け止めるのか。
    結構好きにやってきたように思える彼女の人生、最後に残ったのは端から見れば幸せなように感じるのだが。

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著者プロフィール

早稲田大学教育学部(講談社文庫初期の傑作『古典落語』を編んだ興津要のゼミ)卒業。横浜在住。2007年、第2回小説NON短編時代小説賞で「寝姿指南」が最終候補になり、08年、「素見」で小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』と、受賞作を含む短編集『ひやかし』が好評を集める。祥伝社文庫既刊に『江戸の茶碗』『酒が仇と思えども』。著書に「着物始末暦」「大江戸少女カゲキ団」シリーズ、『うき世櫛』『御徒の女』『神奈川宿 雷屋』などがある。

「2022年 『吉原と外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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