ムシカ 鎮虫譜

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 383
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408537665

作品紹介・あらすじ

襲い来る虫の大群。戦う武器は私たちの音楽(ムシカ)だけ…今最も注目の著者が放つ超弩級パニックホラー&ミステリー巨編!

感想・レビュー・書評

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  • スランプに悩む5人の音大生が音楽に御利益があるという神社がある瀬戸内海の無人島「笛島」に息抜きを兼ねて訪れた。しかしお参りした先でカメムシの大群に襲われる。逃げた先で謎の巫女達に遭遇し、荒ぶる虫達を鎮める儀式に巻き込まれる…。儀式等に纏る謎と虫達によるパニックホラーの融合を目指していると思うんだけどどっちつかずな印象。音楽で虫を制覇していく度に音大生達がトラウマ克服していく展開がお約束なのはまあいいとして最終的に良かった良かった位で閉じてしまったのが弱い。探偵役の奏さんの存在も生かし切れてない気がするなー。残念。

  • 北上次郎のこれが面白極上本だ!
    「ムシカ 鎮虫譜」井上真偽著|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/280047

    井上真偽さん『ムシカ 鎮虫譜』 | 小説丸
    https://shosetsu-maru.com/interviews/authors/2058

    大量の虫に襲われ、鳥肌立ちっぱなし……パニックホラー×ミステリ好きに薦める今一番「ムシ」出来ない物語 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/636795

    青依青(@ao.aoi.ao) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/ao.aoi.ao/?hl=ja

    ムシカ 鎮虫譜|実業之日本社
    https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-53766-5

  • スランプに陥った音大生5人が音楽にご利益があるという謎の小さな島にお参りに来ると言う所から、その島では虫達を音楽で鎮めるための儀式がある…と言う設定はとても面白い話だったのだけれど、ちょっと個人的には盛り上がりにかけてる気がしてしまって残念だった。
    途中音楽に関する知識が話に織り込まれていくのだけれど、それがどうしても説明的感じで浮いてテンポが悪く感じてしまったり、大人の巫女達がやろうとしたこととか完全に殺人未遂なのに最後は仲良くめでたしめでたし的な感じになってて、ちょっとモヤってしまった。

  • 虫の描写が凄かった。ホラーミステリー?みたいな話は割とよくあるシチュエーションだが、それぞれの人物が書き分けられてたと思う。

  • ◆おすすめ度◆
    ・昆虫パニック小説度:★★★★
    ・マニアックミステリー小説度:★★★
    ・若者は壁を乗り越えられるか度:★★★

    ◆感想◆
    音楽大学に通う仲良しグループが、気分転換のため無人島に行く。そこで彼らが遭遇したのは襲い来る虫の大群だった…

    帯には「パニックホラー&本格ミステリ&青春冒険小説」の文字が。
    若者たちが虫の大群に襲われるというのがメインの、身体がムズムズしっぱなしのパニック小説。
    もう虫がいっぱい出てきて大変!
    カメムシにカマキリ、スズメバチにムカデにクモに蛇にコウモリに…
    虫嫌いには背筋ゾクゾクもののパニックホラーぶり。

    途中から、癖のある探偵役のピアニスト少女・奏とアホアホなマネージャーや(シリーズ物の登場人物?)、島を取材に来たという怪しげな音楽雑誌の編集者たちも登場し、事態はますます混迷していく…

    島で起きる神隠し事件、謎の祭りと手足笛の謎、襲いかかる凶暴な昆虫。
    島の巫女たちを疑惑の目で見る若者と音楽雑誌の編集者たち。
    いったいこの島で何が起きているのか!みたいな。

    読み終わったあと著者略歴をみると「メフィスト賞受賞」の経歴。
    なんか納得です。
    最近読んだ小説では「楽園の真下」に近い感じもします。

    パニック小説でありながら、細かいところまで全部決着させる本格ミステリな側面もあり、さらに青春小説の爽やかな読後感もある本書。
    虫嫌いの人は敬遠しそうですが、あえて怖いもの見たさで読むという楽しみ方もアリかもしれません。

  • 笛島につたわる童話のような伝説。
    虫が人を襲い、音楽で鎮める巫女たち。
    音楽大学のグループが訪れたのは、瀬戸内海の小さな無人島笛島。
    カメムシ、カマキリ、スズメバチ、ムカデ、次々と襲われるなか、謎の巫女たちが救ってくれるのですが・・・。
    笛にまつわる忌まわしい話、笛を狙うもの、謎のピアニストなど、話はどんどん膨らんでいきますが、最後は見事にストーリーが収斂していきます。
    新しい境地の作品です。

  • 瀬戸内海にある無人島。そこは危険な虫が生息する禁足地だった。
    蟲ホラー小説。書かれているように蛸(タコ)、蝙蝠(コウモリ)、栄螺(サザエ)、蛇(へび)と虫篇で表せられる生物は昆虫だけではない。以前、蟲とは幅広い生物を示していた事が分かる。その島では蟲を鎮めるためオセサマといわれる神に手足笛で神楽を収めるのだが盗まれてしまう。
    蟲が苦手ではないが、こんな場所は辛い。ミステリとするには少し強引さが目立つ気がするが、ホラーとしては楽しめるしテンポも良い。探偵役であった奏は他作品でも出てるのか知らないが、音楽探偵(?)として色々な事件を解決するのは面白そう。

  • 音大生グループが怪しい離島で「ムシ」に襲われるパニックホラー。
    とはいえ最終盤、謎を解明し伏線を回収するあたりはミステリ要素も強くクロス・ジャンル。
    フリーピアニストの奏とそのマネージャーのキャラが唐突で浮いており違和感があったが、ラストでそういう目論見だったのかと納得。

  • タイトル通り、虫とmusicのダジャレみたいなお題から、出来上がった奇妙な小説。
    ジャンルはパニックホラーでしょうか?
    虫を音楽で治める巫女のいる謎の孤島。彼らの隠し物「手足笛」の真実は何か?がメイン。

    蟷螂や蜘蛛などのオーソドックスな虫が大量に襲ってきて、果ては蛸も蝙蝠も虫へんがついているという理由だけで襲ってきて、生理的にキツい感じ。

    一方で、壁にぶつかっている音大生達が、極限状態の中で壁を破る感動的な描写もあり、エンタメ小説としては、成立している気もする。

    ただ、過去作のように、井上さんにはやっぱりぶっ飛んだミステリを期待したく、ナニコレという思いが強い。パニックホラーも昨今ジャンルとして擦り尽くされている気がするが、なんか器用さから小さく纏まっている印象。

  • 音大生たちが夏休みに訪れた笛島は、今は無人島だが音楽の神が祀られているという。しかし上陸した彼らは次々と虫の大群に襲われ、謎の巫女たちによって救われる。音楽で虫を鎮める巫女、謎の祭り、神隠しの噂。島に伝わる伝説の真実とは‥
    とにかく虫ホラーである。しかし状況を想像するととてつもなく怖いのだが、文章自体はシンプルなので虫嫌いの私でも大丈夫だった。それぞれに悩みをかかえる音大生たちが、島での冒険を経て成長する物語でもある。
    何よりも襲いかかる虫に対抗する音楽がトラブルで途切れたときに、切り抜ける機転が面白かった。

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著者プロフィール

神奈川県出身。東京大学卒業。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞。
第2作『その可能性はすでに考えた』は、恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏などから大絶賛を受ける。同作は、2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれた他、各ミステリ・ランキングを席捲。
続編『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』でも「2017本格ミステリ・ベスト10」第1位を獲得した他、「ミステリが読みたい!2017年版」『このミステリーがすごい!  2017年版』「週刊文春ミステリーベスト10 2016年」にランクイン。さらに2017年度第17回本格ミステリ大賞候補と「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選ばれる。
また同年「言の葉の子ら」が第70回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に。
他の著書に『探偵が早すぎる』(講談社タイガ)がある。

「2018年 『恋と禁忌の述語論理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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