夫婦善哉・怖るべき女 - 無頼派作家の夜 (実業之日本社文庫)

著者 :
制作 : 七北 数人 
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 43
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408551548

作品紹介・あらすじ

うまいもん食いにいこか――大阪を愛した作家の珠玉の名作。
<br/>
<br/>そこには、人間の本質的なスリルがある――津村記久子(作家)。戦後無頼派の代表的作家・織田作之助の代表作と酒にまつわる小説・エッセイ等を多数収録したオリジナル作品集。デビュー作にしてすでに成熟した筆致が文壇を驚かせた「夫婦善哉」ほか、「アド・バルーン」「競馬」「世相」など大阪の風俗と庶民の喜怒哀楽を活写した小説、死の直前に書かれた「怖るべき女」「可能性の文学」まで、織田文学の真髄に触れる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 『電報』、『薬局』、『怖るべき女』、『文学的饒舌』にやっと会えてよかった。
    『電報』は本当に夢みたいな話で頭の中でぼんやり熱っぽくてなんかいいなって思った。『薬局』はうまく言えんけど苦くて好き、私も敏子に共感した。『怖るべき女』はやっぱり官能みが強い。作之助がここまで男と女のべたっとした空気を書いたのはまだ他に読んだことがないな。タマの小さそうな男とけったいな女のお遊びに読んでてとけちゃいそうだった。『文学的饒舌』は『可能性の文学』読んだ時と一緒でただただ胸と目頭が熱くなった。これからの日本の文学を育てないとダメだ、今のままじゃダメだって言って、俺は戦うよって書き続けるよってどこまでも前向きな姿勢が泣ける。私は安直だから、作之助の言ってること読んで素直に受け取って当時の文壇の権威かざしてるやつらうざってなる。悔しい。本人がどこまで外野の声気にしてたのか分かんないけど、ノイズの渦中で書くとかアンチを納得させるために書くんじゃなくて、まじで書くために書いてたんだとしたらそれが本望。
    解説の津村さんと七北さんにはまじで感謝。
    津村さんのおかげでなんで自分が『アド・バルーン』好きなのか分かった気がしてよかった。

  • 『夫婦善哉』『雪の夜』『姉妹』『電報』『アド・バルーン』『競馬』『世相』『薬局』『中毒』『怖るべき女』『文学的饒舌』『可能性の文学』。
    『可能性の文学』はめちゃくちゃ志賀について言及してあってすごい眼の上のたんこぶだったんだろうなぁと感じた。

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著者プロフィール

一九一三(大正二)年、大阪生まれ。小説家。主な作品に小説「夫婦善哉」「世相」「土曜夫人」、評論「可能性の文学」などのほか、『織田作之助全集』がある。一九四七(昭和二二)年没。

「2021年 『王将・坂田三吉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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