不祥事 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552835

作品紹介・あらすじ

東京第一銀行事務部調査役についた相馬健。問題をかかえる支店に独り「臨店指導」する彼に、念願の部下がつけられるという。しかし、そこにやってきたのは花咲舞。上司を上司とも思わないスーパー問題女子行員だった-さまざまなトラブルを解決に導き、腐った銀行を内側から叩きなおす迷コンビの活躍を描く、痛快オフィスミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 2023.10.10 読了 ☆8.4/10.0


    銀行という組織の内情もよく知ることが出来るし、強烈なキャラである花咲舞の、悪に対するぶった斬りが痛快で面白い。


    曲がった奴には平手打ちすることも厭わず、その相手が権力者であろうと、自らの立場が危うくなるかも知れないことよりも人として正しいことを選択する。


    ”あんたの稟議一つで、一つの会社が倒産し、何人もの従業員が職を失うのよ。住宅ローンを抱え、家族の生活を支えている人たちの幸せな生活が奪われるのよ。それがどういうことか、あんた分かってるの?あんたみたいな勘違いした銀行員がいるから、世の中の人から銀行が誤解されるのよ。目を覚ましなさい!”  p.144


    フゥーーー、スカッとする。

    他にも、優秀なテラーとしての花咲舞の本領が発揮される場面が多数に散りばめられていて、臨場感あふれる痛快銀行ドタバタコメディに見事に仕上がっている。

  • 池井戸ワールドにハマり銀行系に手を出す
    メガバンクの内部トラブルを狂い咲こと花咲舞がぶった斬る!面白いよお話は面白いのよ。

    でもトラブルが解決した後の尻すぼみ感がモヤモヤする。結局どうなったの?処分は?など気になるところですが、そんなところもメガバンクの内々処理体質ってことでしょうか?

  • 痛快すぎる女子銀行員がズバッと「事件」を解決!

    東京第一銀行調査役についた相馬健。
    事務処理に問題をかかえる支店に独り「臨店指導」する彼に、念願の部下がつけられるという。
    しかし、そこにやってきたのは花咲舞。
    上司を上司とも思わないスーパー問題女子行員だった――
    さまざまなトラブルを解決に導き、腐った銀行を内側から叩きなおす迷コンビの活躍を描く、痛快オフィスミステリー!



    上川隆也さんは舞台を観に行く位、好きな俳優さんの1人
    前回の映像化では何故かリアルタイムでは観ていなくて 再放送を録画して観たんですが 花咲舞の痛快さが面白く 原作も読んでみようと思っていたのに すっかり忘れてしまい 今回今田美桜さんでリメイク、上川さんはおじさん役で出演すると知り それなら原作もぜひ読もうと早速借りて来ました
    今回、私の頭の中では不思議な現象が起きています
    映像化を先に観て原作読むと 映像化の登場人物が頭の中に出てくるんですが 何故か今回は 花咲舞は杏さん、相馬健は山本耕史さんが頭の中に登場!
    相変わらずの『お言葉を返すようですが…』の決めゼリフ!面白いです!!
    今田美桜さんのくりくりの目に吸い込まれそうで まだ2話目だからか…なんだか慣れません…

  • 2017.4.19、講談社版の同じコメントで、
    済みません...

    東京第一銀行の臨店グループの相馬調査役と花咲舞の凸凹コンビ。
    曲がった事が大嫌いな花咲は、相馬調査役の制止も聞かず、ひたすら真実解明に突き進む。
    それは、真藤常務との対立でもあった。
    TVドラマ化もされた話の原作本。
    短編集ですが、それぞれが魅力的なストーリーで、楽しめる内容であり、最後のストーリーに向かって、それぞれが伏線となっているところは流石です。
    表題にもなっている「不祥事」のラストには、読者の拍手喝采が目に浮かびます。


  • 【不祥事】池井戸潤読了、花咲舞と相馬の登場。花咲舞シリーズの一つである。全8作の繋がった短編で読みやすい。

    激戦区:人員をコストと考える昭和時代の企業の考え方、昔あったなぁ。

    3番窓口:パワハラまかり通る、昔あったなぁ。不正の誘発をする上司、これは無いなぁ。

    腐魚:隠蔽体質、今も変わらずあるのかも。大手企業の御曹司を預かり、甘く扱い不正を産む、あるある。

    主任検査官:金融庁検査官は横柄であるが、ここまでは無いだろう。銀行側も密告した場合、その密告者を探すより不正を正す事が先だと思う。

    荒磯の子:自分のことを棚に上げる人はどこにでもいる。荒磯の子の意味が最後にわかる。

    過払い:過払いされた現金は受け取っていないと言われれば、現金その場限りである。ダブルチェックは善管注意義務違反ではあるが、人がやる以上ミスは起こる。仕組みでどう解決するかだ。決して補填する事は解決ではない。

    彼岸花:彼岸花と言うとリコリスリコイルを思い浮かべる。相手の家族の事まで考えないのが自分の出世になるなんて憤りを感じる。

    不祥事:ある人物を狙った悪意ある盗難が行内で起こる。無くなった物は給与データ。自己保身がエリートの要件とは皮肉なものだ。

    全ての原因に絡んでいるのは管理職であり、現在の企業品質としては失格である。しかし収益力が高いのが銀行である。このシステムはどう考えてもおかしいと思うのは私だけだろうか?

  • Amazonオーディブルで聴いた。
    ドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作。ドラマは未見。

    なんか疲れる…と思ったのはナレーションが女性だからだね。
    1.2倍速にするとさらに高い声になるから、耳が疲れてしまうんだな。

    内容はまあまあ面白かったけど、主人公が、いかに賢く度胸があって正義感にあふれていようとも、ろくでなしとはいえ銀行の同僚の顔を2回?も平手打ちしてドン引き。さらに上司も拳で殴ってドン引き。
    暴力当たり前のアクション小説ならなんとも思わなくても、普通の銀行モノで暴力は引く〜。

  • 池井戸潤らしい銀行の体質と不正をフューチャーした小説。爽快感がありサクッと読むことができました!入社5年目の花咲舞という主人公がキーパーソンですが、私も同じく入社5年目のサラリーマンなのでより自分の仕事を誇りに持てるように頑張ろうと思いました!

  • 銀行を舞台に銀行内の事件を花咲舞が解決する爽快ストーリー

    ドラマがあるのは知ってたが、見てなかったので池井戸潤著の主人公が女性は新鮮だった

    歯に衣着せぬ物言いは逆に清々しい!

    しかしいつも思うけど銀行というのはなんて恐ろしい職場なんだろう。。どこまでリアルなのかは気になるところ

  • テレビドラマになった花咲舞がだまってない
    原作の本を読んだが最近はドラマを結構見て
    いるので杏さんが主役の作品だと見当がつく
    あとがきにテレビ局のプロヂューサーが当時
    のいきさつも書いてありお得です(´・ω・`)

  • 池井戸潤シリーズで花咲舞だけノータッチだったんで、読み始めた。半沢直樹とはまた別の爽快さがあって良かった

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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