終電の神様 始発のアフターファイブ (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.11
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本棚登録 : 834
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408554372

感想・レビュー・書評

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  • 涙と希望までは沸いてこなかったけれど、こういう雰囲気の小説は好き。
    どんな人にも苦労はあるし、見た目では分からない事がある。
    そんな人たちの生活を切り取って描いている。それが、終電と始発というところから描かれているから何だか景色も浮かぶようで。
    人生を小説にしてみたいな。

  • 終電へと急ぎ向かう人、
    終電が終わってから始まる人、
    主に新宿を舞台とした5編からなる短編集。

    体調を崩し風邪っぴきな私。
    余り重くなくサクッと読める本を探し
    この作品を手に取る。
    新宿は色んな人を受け入れてくれる
    そんな寛容さがあるよなぁ。

  • 終電が去り始発を待つ街で起きる、ささやかな五つの奇跡☆
    サラッとどれも読みやすかったです。

    特に良かったのは、
    「スタンド・バイ・ミー」
    路上生活をしている男性とシンガーを夢見て岩手から上京してきた少女。偶然出会った二人が新しい一歩を踏み出す。
    読んでてワクワクしたし、ラストも清々しくて良かった!

    もうひとつ印象に残ったのは、
    「初心者歓迎、経験いっさい不問」
    東日本大震災で被災した女の子が上京し、夜の街で働き始める。
    歌舞伎町という街についての少女の発言が、自分にはない感覚だったのでハッとさせられました。
    歌舞伎町の雰囲気も感じられる優しいお話♪

    ただ全体としては、個人的にはちょっと物足りなかったかな…。

  • 前作より読みやすかった。

  • スタンドバイミーが好き。

  • 2019.2.15

    こっちの方が重いテーマが多かった気がするけど、面白かった。
    人一人いない大自然に包まれたい時もあるけど、大都会で人混みの中誰とも関わらないでいたい時もあって、きっと新宿は、歌舞伎町はそういう欲求も満たしてくれるんだろうなと。
    やっぱりこの作者さんの物語の紡ぎ方がすごく好き、短編なのに言い過ぎでもなく物足りない感じでもなくちょうど気持ちいいところで一個のお話を終えてくれる。
    最近、人々が寝静まってる夜から世界が動き出す朝への移り変わりを経験することが多いから、あの特有の清々しさみたいなのが伝わってきてよかった。

  • 【請求記号:913.6 ア 2】

  • 個性ある登場人物が次々と現れ、引き込まれる作品だった。しかし、言葉の節々に無駄な部分が多かったためこの評価とする。

  • 続編の短編集
    続編といっても前作と繋がりはない
    よね?

    今回のキーワードは「終電の後」かな?


    収録は5編

    ・始発のアフターファイブ
    ・スタンド・バイ・ミー
    ・初心者歓迎、経験一切不問
    ・終電の女王
    ・夜の家族」



    ・始発のアフターファイブ」
    元商社マンでラブホの清掃員のお話
    何というか、会社の人事というのはねぇ……
    まぁ、そんなものと割り切ってしまえる気持ちも大事ですけどね


    ・スタンド・バイ・ミー
    ストリートミュージシャンをしに上京した女の子と元ミュージシャンのホームレスの出会い

    なんとなくいい感じの終わり方
    世の中、そんな感じにうまくいくといいですよねー

    あと、二人の再会の誓い方が素敵
    同じ道を歩いている限りは出会える関係というのはいいものですね


    ・初心者歓迎、経験一切不問
    震災で故郷を失った人達の夜の街での生き方
    東日本大震災が関係している話は未だに受け止めきれない
    もう10年経ったんですけどね
    あの地震によって人生が大きく変わった人達がいると思うと、何とも言い難い感情が沸き起こるんですよね……


    ・終電の女王
    終電で寝過ごして辺鄙な終点まで行ってしまった元カノを迎えに行く話

    作中でも語られているけど、博士課程修了者と有望なアスリートの生活が苦しいというこの状況
    国としてなんとかならないものかねと思う

    それはそうと、元カレ元カノという関係性でもお互いの思考や行動パターンが変わっていないというのはノスタルジー
    私にも元カノはいますが、人って結構変わってると思いますけどね


    ・夜の家族
    大学の授業料のためにデリヘルをする女性とそのドライバー

    「フルーツ宅配便」というドラマがあったけど、雰囲気はあんな感じ
    奨学金がなくては大学に進学できないのがほとんどで、卒業しても就職できる保証もなく、就職できても奨学金の返済に追われる若者を大量に生み出してしまう世の中
    ま、この話の場合は親父がクソ野郎というプラスアルファもあるけど

    うーん、世知辛いですねぇ



    なんか、終電があんまり関係しない話は多くない?
    タイトルに偽りアリとまではいかないけど、前作にも増して肩透かし感がある

    次巻もきっとそうなんだろうなぁ……

  • おもしろかったと思うけど覚えてない。

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著者プロフィール

1954年東京都生まれ。東京大学在学中に野田秀樹らと劇団「夢の遊眠社」を設立。企業のエンジニアを経て、シリコンバレーのベンチャー設立に参加。99年「天使の漂流」で第16回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年『覇権の標的』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞を受賞し、デビュー。主な著書に『D列車でいこう』『インバウンド』『横浜黄金町パフィー通り』など。『終電の神様』で第9回エキナカ書店大賞受賞。

「2022年 『終電の神様 殺し屋の夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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