雲雀坂の魔法使い (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 293
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408556543

作品紹介・あらすじ

きっと見つかる、大切なもの。
実業之日本社文庫GROW誕生! 第1弾

最高に切なく温かい奇跡!
沖田円、渾身の物語!
この感動、心に突き刺さり号泣!

人生で大切な全てがここに。
心に沁みる、涙と希望の物語!

ある町の片隅に、少女のような風貌の魔法使い・翠(すい)が営む『雲雀坂魔法店』がある。その店を訪れるのは、人知れぬ悲しみや孤独、後悔を抱えた人々。幼馴染との関係に苦しむ女子中学生、余命わずかの画家、物語が書けない小説家……。翠は、彼女らの心の奥底に眠る「真実」を感じ取り、希望へと繋ごうとするが――。

読むたびに涙あふれる珠玉のストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 悩みや葛藤、後悔を抱えた人々が魔法を頼って魔女が住む街へやってくる。
    でもいくらお金を積まれても魔女の気が向かなければ魔法は使ってくれない。
    迷う人に幸せと本来あるべき姿に導いてくれる物語。

    そして、表紙の深緑のローブを纏ったの魔女、、、
    実は、、、最後は、ちょっとびっくり仰天な最後だった。

  • はー凄い好き。雲雀坂の魔女と魔法を求める人々の話。それぞれに願いや想いがあって、登場人物皆好き。どれも好きやけど小説家の話が1番好きで何か泣きそうになった。多分村山早紀さんの影響やけど、魔女の話が好きで、他の魔女小説も読みたいなぁ、と。

  • おお、『僕は何度でも、きみに初めての恋をする』以来の出会いのようです。

    人助け×魔女モノ好きなんですよね。
    魔法があっても、なくても。
    魔法に頼りたいと思ってしまうほどの切実な人の気持ちと、魔法なんてなくても人は人の力で解決すると分かっている魔女の気持ちが、逆転していて良いのです。

    話の展開は、ある意味王道なのですが、安心して涙が出るというか。
    誰かを想って、何とかしたいという気持ちが、ちゃんと中心に据えられていると、それでもう尊いんだなぁと……しみじみ(笑)

  • わーい、円さんの新刊〜!と張り切って前のめりで読む読む。

    デビュー作から(実際のところデビュー前から?)彼女の作品を読み続け、さいきんわかったことがあるのだけれど、円さんはいつだってわたしのベストオブ沖田円をアップデートしてくれるということなんですよね。

    最新作を読むたびに、あぁこの作品がいちばん好きかも!と思わせてくれる。
    だから次の作品を希ってしまうのです。

    本作も隅から隅までぜんぶ好きだし(どのエピソードも好きでベストは選べない)、あぁきっとこのお店はどこかに存在してるなと思えるのです。
    いつかきっとわたしも翠に出会えることができて、あなたは何をお求めに?と聞かれることがあるに違いない。
    そのときは、まずは見立ててもらった美味しいハーブティーをがぶっと飲み干して、明日をがんばって生きる力をもらいたいものです。
    特別な魔法は要らないから、ただ自分の足で立って億劫だった一歩を踏み出す『おまじない』が欲しい。
    でもそれって、雲雀坂魔法店に行かなくても、この物語を読めば手に入るんですよ。

    わたしにとって、沖田円というストーリーテラーは、翠そのものです。

    素敵な魔法にかかったことだし、よし、明日もがんばるかな。




  • 沖田円さんの本は初めて読んだ。正直なところ最初は魔法使いという不思議で可愛いタイトルと、絵が可愛くて購入しました。全ての話がこんなに胸に残る小説はなかなかないと思います、この本に出会えたことが2022年幸福なことに入選しております。

  • あたたかいお話

  • 誰かへの愛、想い、それは自分の願いでもある。
    こんな言葉しか出てこない自分がもどかしいくらい
    優しい、温かな柔らかい毛布で包まれているような物語。気づきをたくさんもらえた。この本に出会えてよかった。

  • 2021.5.21読了
    1.8
    優しい物語。
    「秋雨の道しるべ」を読んだ後にアレだけど……
    展開が読めてしまうし、ひねりがない。(敢えて?)
    ストーリーが記憶に残らず、私には物足りなかった。
    安心して読みたい人にはいいのかも。

  • 逸る気持ちが、手が、止まらない。こんな経験は過去何度もあったが、本作は最終章で思わず一度本を閉じてしまった。決してつまらなかったわけではない。飽きたわけでもない。あまりに美しく、切なく、やるせない気持ちが溢れんばかりに次々と心と頭を駆け巡り、堪えきれなかったのだ。
    槙が息を止めたタイミングと、私が本を閉じたタイミングは同じだった。それから何度も深呼吸をして、意を決してから再び物語を開いた。

    どうして作品名が『雲雀坂の魔女』ではなく『雲雀坂の魔法使い』なのだろうと不思議に思いながらページを捲っていたが、こんなにも切なく意表を突いた展開が待っているとは……。

    人は生きていく中で、何かを願い、何かに縋り付くことがある。その願いは想いであり、魔法でもある。誰しもが小さな魔法を持っていて、想いが今を希望に変えてくれることだってきっとある。

    誰かを想うことは何よりも美しく、あたたかい。それを知ることができた今、私はきっと前を向いて生きていける。
    それでも挫けそうになった時は、『雲雀坂の魔法使い』にそっと問いかけてみようと思う。雲雀坂へ行けなくても、この物語がそばにあればきっと翠に会えるのだから。

    2021.5.17 読了

  • 雲雀坂魔法店を訪れる、様々な人々。頼めばなんでも叶えてくれるわけではなく、その人に“考える”ことを薦める翠のスタンスが温かくて良いなと思う。物語が書けない小説家のお話と、最後のお話が好き。

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著者プロフィール

愛知県安城市出身。2012年『一瞬の永遠をキミと』でデビュー。2015年末に刊行した『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』は累計25万部を突破しコミカライズされた。2018年には、『千年桜の奇跡を、きみに~神様の棲む咲久良町~』(原題『咲久良町シンフォニー』)がポプラ社ピュアフル小説大賞で金賞受賞。その他著書に、『喫茶とまり木で待ち合わせ』『雲雀坂の魔法使い』『神様の願いごと』『10年後、きみに今日の話をしよう。』『猫に嫁入り』シリーズなど、ヒット作多数。

「2023年 『怪異相談処 がらくた堂奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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