- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408557496
作品紹介・あらすじ
盛岡のレストランで宮沢賢治の童話朗読会が開かれた。
取材に赴いた夕刊紙記者・可能克郎は奇妙な出来事に遭遇。
台本に賢治作品の贋物が紛れ込んでいたのだ。
参加者を震撼させた“贋作騒動”は未解決。
ところが二か月後、参加者の一人・倉村が変死する。
朗読会に出演したタレント三木七重と参加メンバーの関係に不審を覚えた克郎は調査を進めるが……。
感想・レビュー・書評
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宮沢賢治は高校の頃、盛岡市に住んでいたこともあり、憧れの作家(詩人)です。
この物語の探偵役であるゴシップ新聞社のデスクの可能克郎が盛岡市材木町にある、光原社を訪ねるところから始まります。光原社は、私も何度か訪ねたことのある、宮沢賢治が名付け親のお店です。
そして、可能は宮沢賢治の取材をすることになり、銀河ステーションというレストランの朗読会を訪ねます。
朗読会ではタレントの三木七重という高校生が、賢治の作品を朗読しますが『マグネトーとプラネトー』という賢治の作品でない作品がまぎれこんでいました。
その店のオーナーの後藤と妻で女医の朱美は、宮沢賢治を巡るサークル、羅須地人クラブの会員でした。
そして会員の一人であり、クラムボンというあだ名を持つ倉村という男が変死し、その後も会員が次々と変死を遂げます。
犯人は、一体誰なのか。
動機は一体何なのか。
可能は、犯人を突き止めようとして、自分も殺されそうになりますが…。
目次は
序
銀河鉄道の夜
図書館幻想
やまなし
春と修羅
よだかの星
月夜のでんしんばしら
オツベルと象
無声慟哭
となっており、賢治の世界観にも少しづつ触れながら連続殺人が進行していくという面白い構成になっています。
途中、賢治と殺人事件なんて邪道だと思う場面もありましたが、最後は納得のラストでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宮沢賢治もミステリーも、なんだろう、入り込めなかった。宮沢賢治好きならもっと入り込めたのかな。
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なかなか辻さんらしいミステリーでよかった。
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ミステリとしてみた場合、トリックがかなりちゃち。作中に使い回しのトリックであることを仄めかす描写があるので、これは言い切ってよかろう。フーダニットとしても、ロジックとは無縁に、多分、この辺が犯人だなあで、なんとなく(動機込みで)分かってしまうタイプ。とはいえ、プロのお仕事で読んでる間は充分楽しませてくれる。うまいですねえ。それより宮沢賢治のダークサイドについて、作者さんは語りたかったのかなという気もする。